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要らない新聞

以前の職場の離職票が必要になって再発行して貰った翌日に、その以前の職場から封書が届いていた。
大きな法人で、退職した人全員に送るとなると相当な人数になるだろうにご苦労なことだと思う。

内容的には退職した方々でも我が法人の情報が欲しい人はここにアクセスすると簡単に再発行できますよとか、その他、”今、我が法人はこんなことやってますよ”とか、”こんなに事業所が増えましたよ。”的なニュースが書かれてある。要するに退職者向けの社内新聞のようなものだった。
再就職を狙ってのプロジェクトなのだろうなということは分かる。

でも、ちょっとぞっとしてもうた。
その法人では非常に良い経験をさせて貰ったし勉強にもなった。
が、同時に非常に苦労したし虚しさも味わった。
ダイバーシティという名目で現場に日本語もままならない外国人の人々を丸投げして色んな手続きを管理職がやらなければならなかった。

新しい事業所が出来ると、新人を募集するのではなく、自施設の仲間をもぎ取られた。それまでだってギリギリの人数でやっていたので悲鳴をあげた。新しい事業所を増やすということは、人員が多くなるのではなく、減ることを意味していた。
良き師も居たが、「何故こんな人間が?!」と思うような人が施設長をやっていた。それは一人や二人だったが、充分なインパクトとして残っている。もう、それだけでアウトだった。

だから、「ほら、こんなに事業所が増えて、我が法人はこんなに大きくなりましたよ。」という新聞を観ると寒気がするのだ。現場の職員はどんなにしんどいことだろう?と。
それを自慢している空気感がやばい。

その証拠に知っている人の顔写真を観ると、笑顔だというのにどっと疲れた酷い顔をしていた。

で、こんなものが送られて来るということは、辞めた人にまで声をかけなければならないほど人員や人材が困窮しているのだろう。

どうして質を置き去りにして大きくしようとするのか?何故に福祉を権力の材料にするのか?未だに分からない。

そこから何やら気分が悪かったのだけど、目を覚まそう。あの頃はあの頃でよく頑張った。
でも、辞めて良かったね。
去ったところの不可解な現象を何も真剣に考える必要はない。
人はいつも居るべき場所に居る。

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