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実調で予告編を届けに

昨日は都内の某病院へ。近日うちの施設へ入所して来る方の実調に。

病院と特養の大きな違いは色々あるが、身体抑制の有無が大きい。

病院だと平気で車椅子に縛り付けて立ち上がれなくしてあったり。久しぶりに見たけど、やっぱり衝撃だ。

危険回避のためと分かってはいるものの、施設勤めが長い今となっては「こんなことしなくても良いのに。」と思ってしまう。

車椅子で自走できる方だった。

私は先方の看護師に「ちょっと、その抑制帯をはずしていただけますか?」とお願いして解いて貰った。
その上で自走していただくと、自走できることには出来るが、速度がぐんと遅くなる。
縛られることに慣れてしまっているので怖いのだと思う。

言葉を一切発しない方だったが、こちらが言っていることは全部わかるらしく、頷いたり、かすかに笑ったりもしてくれている。これはそのうち喋るようになってくれるだろう。

”今度行くところの看護師です。施設でも車椅子で自由に動き回って下さいね。ただ縛ったりはしないので車椅子から落ちないように気を付けて動いて下さいね。
自分でできそうにないことがあったら何でも手伝うから遠慮なくスタッフに助けを求めて下さいね。
どんな印象を持って下さるか分からないけれど、皆優しい人ばかりですよ。”

こういったことを、ゆっくり10分くらいかけて伝えてみた。

目の奥に光が宿って行く。何故だろう。少しは楽しみに思って下さっているらしい。

とにかくあと3日したらお迎えに来ますからね。この病院も良い人ばかりみたいだけど、どうかうちの施設でも楽しんで。

フルでオムツがあてがわれているけれど、おそらくはトレーニングパンツに変えられる。
自分でトイレへ移ることもできるようになるだろう。

施設での催しも楽しんで貰いたい。色んなことが頭に浮かんで来た。

外は風が冷たい。そしてこの人の慢性的な病も辛い。

ただ、施設の外壁が風を通さないように、色んなことから守って行こう。
笑顔多き日々でありますように。

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