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訳の分からない無理はしない(続かないから)

宗教の勧誘ナースが、毎日おせんべいをくれる。一袋づつ。

あ、ありがとう。でも、私、あんまりおせんべいって食べないんですよ。と、ある日とうとう言ってしまった。

このままではおせんべいがもったいない。あとは社交辞令でも美味しかったなんて言おうものなら、ドンドン買って来るかも知れない。それも悪いじゃないか。
これまで貰ったおせんべいは、どうしたのか?と言うと、毎日帰宅後にテーブルに置くと、キョンちゃんがガブっ!と食らいついて消費して来たので問題ないと言えば問題ないが。

要らないという意思表示をすると一瞬空気が凍り付いたので、悪いこと言っちゃったな~、ごめんね~と内心反省していたが、心配は要らなかった。

翌日から渡されるおせんべいが二袋に増えたから。

この人のこういうところに異常性を感じる。

で、ある日は、A先輩が『Ohzaさんって怖いもんなしだね。怖いもの、無いでしょ?』と言うので「そんなことはない。」と意思表示。

すると『例えば、何が怖いの?』と食いついて来るので、『虫が苦手かなあ?特に夏に出るGBが怖い。』と答えたところ、横から宗教勧誘ナースがGBの話を話すこと数十分。
一匹見つけると何百匹いるんですってね!等の話題を嬉々として話し続ける。
嫌いだって言ってるのに。

この人のこういうところに異常性を感じる。

この60手前のふくよかな女性は、唐突に「週に何回くらいやってるの?」と気持ちが悪いことも訊いて来る。

はい、異常性を感じるのです。

大抵自分の話をしたいからふってくるパターンが多いので離席する。
その他、『男と女は匂いで惹かれ合うんですってね。』とニヤニヤして言い出すこともある。
場所やシチュエーションや、話し手によっては気持ちが悪くない話題なのかも知れないが、私、若い頃から恋愛のことしか考えていない人が気色悪くてダメ。いや、考えているのは勝手だけど、相手との距離感も気に留めないところとか、それを語られて微塵でも想像すると気持ち悪くなるような容貌の人ほど話したがるのだ。

そんなある日、同人物が『もう!Ohzaさんって何考えてるの?!』と、ひっくり返ったような声で言う。『コミュニケーションが取れないよね!』と軽くヒステリー状態。すげー、怖かった。

いつ?今?と訊き返すと「普段!」と怒号して来るし。

A先輩が『なんで?こんなにいつもオープンに話してるじゃん。』と止めに入ってくれた。実際、普通に会話しているからだろう。仕事中に害虫の話やセックスの話はしないけど。
あと、せんべいは食わないし、どちらかと言えばチョコレート派だし、いや、いかん。そんなこと言ったら毎日まずいチョコを押し付けられそうだ。
しかも満腹のときに。そういうやつなのだ。
加えて宗教には入らない。

それで気が付いたのだけど、要するに彼女としては差し出すもの全てを拒否られているという心情なのだろう。
しかしな。

落としどころに困っていたところ『ほんとに冷たくて意地悪な人よね。』と言われた。

ああ、なるほど。
それで良いです。

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