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何もしないやつ な今日この頃

昨日、亜鉛華軟膏の話をここに書いている時に、チラチラと頭をかすめるように思い出される人物の名前があった。

何故その人のことを思い出したのか?と言うと、亜鉛華が、塗布した部分の要らない水分や毒を吸収していく性質を持つことからだった。

まず思い浮かんだのが「もしも顔に塗ったら・・・」ということだった。
即座に「いや!ダメだ!パリパリに乾燥してしまうに違いない!」と打ち消したものの、「でも、毒やら余分なものは、吸収&破棄してくれそうだなあ。」と思った。

その時思い浮かんだ人物というのが、遥か昔20代頃からの友人で、当時は顔の吹き出物で悩んでおられた。
今思えばストレスで胃腸が悪かったのだろうけど、気にすれば気にするほどニキビが増えて炎症が酷くなっていて、可哀そうだった。

元々綺麗な顔立ちでメイクをするのが好きな人だったので、余計に嘆き、そんな時彼女が先輩から薦められたのがクロロフィルという成分を使った美顔法だった。

何やら、習い事のように教室へ通って、使い方を習いつつ使う化粧品らしい。「明日行ってくる!一回でも相当綺麗になるらしい!」と言っていたが、翌日出勤して来た彼女の顔を見て「う・・・」と引いた。

顔面が濃いグリーンと薄いグリーンと肌色と黄色の4色だったからだ。これでは、まるで迷彩柄じゃないか!

彼女は涙目になりつつ「続けると本当に綺麗になるって言ってた。」と。

大丈夫か?それ。

結果的には、一か月くらいかけて、顔面のグリーンな部分が消えて行き、彼女は本当につるんつるんの綺麗なお肌になった。元々美人だったので、それはそれは綺麗になった。と、心から褒め倒していたところ、「あなたも是非!」と勧められ、一度教室を見に行ったが。

大勢の緑色の顔の人々が、鏡の前で横並びになって一斉にお手入れしている風景を見て逃げ帰って来た。

20代だったので私も多少吹き出物で悩んではいたが、綺麗になれたかも知れない機会を逃したのだ。

と、話は長かったのだけど、あれはもしかして、亜鉛華のような性質のものにクロロフィルが入ったものをパックに見立てて顔に塗りたくっていたのでは?と想像した。

より多くを吸収した場所に亜鉛華がこびりついて残るように、吹き出物の菌や浸出液を吸収した部分だけがグリーンになっていたのかも知れない。そして毒だか菌だかが吸収され尽くして綺麗になったのかも。

何故にわざわざ今日この記事を書いているのか?というと、まさに今日、その友人からラインが来たからだった。もうずいぶん会えていないというのに。(何だか、こういうことってありますよね?)

実は昨日、思い出していたんだよ!と上記のくだらない雑談をライン電話で話してみたところ「ああ、あれね!実はずいぶん使ってないんだけど。一緒に始める?」と顔面を近づけて来る。

やらない。

と即答した。

迷彩柄の顔で出勤する勇気がなかったからだ。迷彩柄の顔で部下と面談したり、迷彩柄の顔でご利用者さんの傷の手当をする度胸がなかったからだ。

「じゃあ、何で今の話したん?!」と、ののしられつつも、今日の私も何をしないことを選んだ。

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