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名前の無い奇跡

高齢者施設。
人員が少なくてどうなることか?と思っていた一日だったが、平和に過ぎた。

平和であることのありがたみを感じる。

痰がらみに呼吸を邪魔されている人の吸引をして、安らかな呼吸音を聴く。

おやつを自分で買いに行けない人のおやつを買い出しに行って喜んで貰う。

いつものようにテレビの前に集う人たちと話したり、昼食を配膳した時の嬉しそうな顔を見る。

平和にありがたみを感じるという平凡な感覚かと思いきや、それは少し違うようだ。

何と言ったら良いのか、平和に耳を澄まし、目を凝らして、じっくりじっくり今日を生きている人たちの声を聴けた一日だったというだけだ。

普通の奇跡に心がスーッと落ち着いて行く。

そして駅まで迎えに来てくれたあなたにお礼を言った。それが今日。

子猫だった子も大きく大ジャンプ

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