長い日々

今日は配置医の先生の夏休み明けだった。

が、何を思ったか、先生はご自身の検診へ行かれた。そればかりか、自分の検診をしてくれるはずの先生が遅れているので、自分もそちらへ行くのが遅くなると仰る。

いつもは13時半頃来て下さるところを15時くらいになるとのこと。これだけでも充分な時間のずれ込みなのだが、「もうすぐ着くよ。」のラインからさらに40分。これはもう、晩御飯にかかるレベル。が、仕方ない。診て貰えるだけでもありがたいと思わなくては。

そうしてやっと始まった16時前の往診だったが、始まってしばらくするとKちゃんが現れて「本部長が呼んでます。」と言う。

その前にKちゃん自身が面談を受けていた時刻だったのだが、これはいったいどういうことか?エレベーターの中で尋ねたら、彼女自身が酷く傷ついた様子だった。

間違いが正されることはなかったのだ。最後の最後まで。

そんなことは、この世の中に多々あることだろう。でも、それだけでもう充分だった。

問題はその後、本部長が丁寧に優しく接して下さり何か色々言って下さったり、直属のボスの代りに詫びたりもしてくれていたのだが、私の脳裏に浮かぶのは、先ほどくすんだ顔色をしていたKちゃんの失望の表情。

そしてその後すぐに往診に戻らなければならなかった。早く立ち去りたい場所で。

どうしてこう、いつも、自分に何か嫌なことがあった時よりも、大事な人間が傷つけられることに腹を立てるのだろう。冷静でいられなくなるほどに。
(外観はいつも冷静に見えるらしいけど)

もはや、何の興味も無かった。この場所の先の姿が見える。もう何も話すことは無いなあ。聴くこともないなあ。

新しいことを覚えよう。旅に出よう。そして、今度こそ大事な人を守れるくらいに強くなりたい。今度こそ受理して貰えただろうか。

切るところと繋ぐところを自分で決めるのが人生だ。そうも行かないこともあるけれど、大元の大事なところは、いつもそう。

今日もお疲れさまでした。

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