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薬膳ってなに?超入門編

薬膳と聞いて、思い浮かべることはどんなことでしょうか?何だかわからない食材やスパイスなどが煮込まれた、ちょっとスパイシーというか薬臭いというか…怪しさも加味された、赤いクコの実が浮かんだスープ?いやいや、そんなことはありません。今回は薬膳について簡単にご紹介しようと思います。

薬膳の考え方とは何?

「医食同源」「薬食同源」という言葉をご存知ですか?

食べ物はその選び方、取り方で、単なる食べ物にも、薬にもなりうる、という意味です。私たちの体は、日々食べるものから得た栄養素をもとに作られていますよね。健康な体を維持するのも、、ちょっとぽっちゃりになってしまうのも、日々の疲れが取れない体になるのも、その原因の一つとしてあげられるのは私たちの食事内容です。

本場中国での薬膳の発祥や考え方を語り出すと、きっとものすごく時間と文字数を使う(笑)ので、ここは簡単に。。。

ぽっちゃりになってしまったら、痩せたいからダイエットに向いた食事に変えますよね?何日も疲れが取れないなら、疲労回復に効果がある食材を選ぶ。今日は冷えるから、温まるものを食べよう!

めちゃめちゃざっくり言うと、これが薬膳の考え方の基本中の基本です。(もちろん、本来ならもっと慎重に体や心、住環境や気象状況などを見て、膨大な中医薬膳学のエビデンスから導き出す、とても奥深い学問なのです。このあたりについては、追々、少しずつご紹介していきたいと思います。)

どんな料理が薬膳なの?

では、種々様々な食材や調理法から、どの材料を選んで、どのように調理すればよいのでしょうか?

基本的には、薬膳では「食べることができない食材」は、ありません。糖質でも、脂肪の多い部位の肉でも、それぞれに薬効はあります。

ですが、個々の症状により、今は食べない方がよい食材」は、あります。

では、どうやって自分にあう食材と料理を見つけ出すのか?悩みますね。

四季のある日本で暮らす私たち、まずは季節や天候などの外的要因から考えて、季節の薬膳を楽しんでみてはいかがでしょうか?

このnoteを書いている10月なら、そろそろ秋も深まり、乾燥が気になる季節…肌だけでなく、呼吸器が乾燥して咳が出たり、腸が乾燥して便秘になったり、空気の乾燥はいろいろなところに影響を及ぼします。

そんなときには、肌や体に潤いを与えるレンコンやナシ、白キクラゲがおすすめです。

乾燥を鎮めるときには、水分が多く、柔らかく火を通した蒸し物や煮物がおすすめです。炒め物や揚げ物は乾燥を助長することがあるので、できれば避けましょう。

子どもでも食べやすいメニューにするなら、水で戻し、2~3分水煮にした白キクラゲと、ナシやブドウなどのフルーツを砂糖を煮溶かし、レモンなどで香りと酸味をプラスしたシロップを回しかけてあげると、とても食べやすくなりますよ。

転ばぬ先の「薬膳」


このように、薬膳は季節や天候などの要因のほか、年齢や性別、体質、また、暮らしぶりや風土をも考慮して、そのときの不調に合わせた食材を選び、調理します。

しかし、食材は薬ではありません。残念ながら、既に病気になってしまったことに対して、現代医学で利用する薬や、症状を考慮して調合する漢方薬のように、劇的に症状を改善できるものは少ないのが現実。

日々のちょっとした不調を、「病気」になる前の、小さな芽のうちに摘み取り、改善する、または、慢性化してしまっている不調を少しずつ改善していくこと。

病気になる前、体がしんどくなる前に、「あれ?ヤバくなりそう?」と思ったときに、転ばぬ先の杖として、体の声を聞いて食材や料理を選ぶ、未病のうちに食い止める、これが薬膳の最も得意とするところです。

日々の暮らしの中に、薬膳を少しずつ忍ばせることで、毎日元気に過ごすことができるようになるとよいですね。






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