とけるアジサイ
梅雨の季節はいつも憂鬱だ。
雨の日が続いて、外に出ると、じめっとした空気が暑さと一緒に体にまとわりつく。
何とかしてやり過ごしたい梅雨の外出で、ホッと一息つけるのが道端に咲くアジサイの花だ。
青やピンクの花が咲き誇り、葉の緑も相まって、パステルカラーのグラデーションが目にやさしく映り込む。
梅雨の合間の晴れの日に、ちょっと遠出して、アジサイで有名な公園に出かけた。
辺り一面に咲き誇るアジサイの姿は、ちょっとした撮影スポットにもなっている。
相変わらず大勢の観光客でにぎわっている公園だが、アジサイよりも人の眼が気になり、ちょっと脇道を歩いてみることにした。
アジサイの花の集まりが一つの毬のように見え、その毬が集まった姿を鑑賞するのが一般的だが、その毬の中にある、一つの花をじっくり見てみる。
花びら一つ一つにも微妙な色の違いがあって、とても興味深い。
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