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アートベースのファシリテーターってどんなことする人?なのだろう。

オーハシ・ヨースケ

「ドラマを応用したオープンダイアログな場作り」をする人、これがアプライドドラマのファシリテーター(=プラクティショナー)なのだろうと思います。アートを応用したファシリテーションも同様なことかと思います。そこで参加者は解放され、癒され、活性化される。それは討議や議論する場ではなく、対話の場を生み出す。その対話の中で普段気づかない自分への気づきがある。普段とは違う見方・考え方をしてみる。自分の琴線に触れた問い立てをして、問いを深めるような一歩を踏み出してみる。答えや解決を求めるのではなく、問いを深め広げ、周りの人達との交流をこそ深める。参加者の誰かが言ったこと、表現したことが場に生気を呼び込む。そんな交流の深さが、さらに問いを深めてくれる。問いを巡る対話が、より生きて身体・心・魂へ響く問いをもたらす。どんな問いをもって、私たちは日々を生きていくのか?生きて働く「問い」が培われる。そんな開かれた対話を楽しむ場作り。問いとは、物語の中に見出されるギャップ。物語に見出された隙間、余白、空白。その隙間、空白、ギャップでは、私たちの想像力が無意識的に働きだす。

その空白に誘う案内人、それがアートベースのファシリテーター。そんな物語の空白、余白、隙間を見出し、参加者を誘う人。

たとえば絵画教室の先生には、「生徒をちゃんと絵が描けるようにしよう!」というような目的がある。しかし、(今回の特別プログラムの担当者)環ちゃんのファシリテーションには、Goalや目的がない。活動しながらこんな色合いが私?今、目の前に生まれたこれは何?私はいま、何をしているの?これ終わりなの?そんな「問い」という空白・隙間に向かって、無意識が働きだす。そして、ある時はそんな自分を振り返り、語りあう。問いに満ち満ちた幸せを味わう。オータナティブに、それぞれに生まれた問いを抱える幸福。そんな状態に参加者を誘う。



アートベースのファシリテーターは、ひとりひとりの問いを深くして、対話をよりシンプルに参加者各々に響くものにしてくれる。時間の流れを緩くして、たたずむ間をもたらしてくれる。深く息をつかせてくれる。頑張って解や答えに導くシステムから私たちを、逸脱させてくる。私とは「問い」なのだと、気づかせてくれる。

そんなアートベースのファシリテイター。

*参考:「アートベースメソッド」の詳細に関しては、以下の電子書籍をご覧ください。
https://bit.ly/2OVesNm


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