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PLAYER'S INTERVIEW #06|タキザワ ケイタ

こんにちは!「一緒になってワクワクし、世の中の問題に立ち向かう」プロトタイピングチーム・PLAYERSです。

チームメンバーとして活躍するひとりひとりへのインタビューを通じてPLAYERSの原動力となる個性を紹介する「PLAYER'S INTERVIEW」の6人目は、リーダーのタキザワさんです。

リーダーのタキザワさんには、PLAYERSのメンバーとして長く共に活動をしてきた加来さんからインタビューをしてもらいました。

Create Together, Drive Society ともに創り、社会を前に進めよう」を個人理念に掲げるタキザワさんに、PLAYERSやPLAYWORKS、インクルーシブデザインについて伺いました。


タキザワケイタ( Twitter / Facebook

個人理念 :Create Together, Drive Society ともに創り、社会を前に進めよう

一般社団法人PLAYERS リーダー・理事 / PLAYWORKS株式会社 代表
インクルーシブデザイナー・サービスデザイナー
筑波大学 非常勤講師・九州大学 講師・青山学院大学 ワークショップデザイナー育成プログラム 講師・LEGO® SERIOUS PLAY® 認定ファシリテーター・視覚障害者ガイドヘルパー

PLAYERSとPLAYWORKS


ーー PLAYERSのリーダーであるとともに、PLAYWORKS株式会社の代表でもあるタキザワさん。PLAYERSとPLAYWORKSでは、タキザワさんの役割にどのような違いがありますか?


タキザワ:
PLAYERSでは2017年の設立当初から、リーダー的な立場で活動してきました。現在は2020年に創業したPLAYWORKS株式会社の事業にリソースを割かれてしまうので、PLAYERSでは自ら手を動かすというよりも、他のメンバーの活動により価値が出るように意識しています。


ーー タキザワさんはなぜ、PLAYWORKSというPLAYERSと一見似たような会社をつくったんですか?模索している最中かもしれないんですけど。

タキザワ:
一般社団法人PLAYERSとPLAYWORKS株式会社には、共通した解決したい課題や実現したいビジョンがあって、それに必死に取り組んでいることには変わりません。ただ強いていえば、活動の目的と、チームのつながり方に違いがあります。

PLAYERSはプロボノのチームで、社会課題に対して純粋に向き合い、社会が少しでもよくなることをチャレンジし続けることを大切にしています。一方でPLAYWORKSは株式会社なので、クライアントに対してビジネスとしての成果や価値を出さなければいけない責任があります。

チームのつながり方としても、PLAYERSはマインドでつながっていて、PLAYWORKSはスキルでつながっていると感じています。もちろんPLAYERSにスキルが要らないわけではないのですが、優先順位が異なるイメージです。

プロボノからビジネスへ


ーー PLAYERSは「プロトタイピングチーム」を標榜している通り、すぐに社会実装できるかわからないものでも、とにかくプロトタイピングにチャレンジするところがメインの活動ですよね。それがビジネスにつながりそうなら、PLAYWORKSに移行するルートもあるんでしょうか。

タキザワ:
PLAYERSはいきなり事業化を目指すというより、リサーチやアイディエーションからプロトタイピングしてみて、本当に価値があるかどうかを検証することを得意としています。最初から事業性を求められない分、課題解決や価値探索にニュートラルに取り組める場だと思います。

活動の結果、事業化に向けてPLAYWORKSで引き継ぐという選択肢もあります。

PLAYERSでプロトタイピング、PLAYWORKSで事業化と、双方の強みを活かした連携ができた事例があります。VIBLO by &HANDはPLAYERSでつくったプロトタイプを、LINE社のイベントで発表したり、JR西日本のコンペで受賞をしました。ただここからの事業化をPLAYERSで進めていくのは難しかったので、PLAYWORKSで引き継ぎ、時計メーカーのSEIKOなどと事業化を進めています。

PLAYERSにとっても単なるアイデアやプロトタイプで終わらせずに済むし、PLAYWORKSにとってもビジネスのタネになるという良い関係性ができたと思っています。

いまPLAYWORKSは3期目に入り、業務委託メンバーを増やしたり、Webサイトをリニューアルするなど、次のフェーズに進んでいるタイミングです。もう少し大きな視点で経営をしなければという問題意識があって、今後はより一層、PLAYERSとPLAYWORKSの双方の強みが活かせる連携を模索していきたいなと思っています。


インクルーシブデザインの可能性


ーー 個人的に、タキザワさんが大切にしている「インクルーシブデザイン」について聞いてみたいなと思っていたんです。どのようなきっかけで、重要性を感じるようになったのかなと。

インクルーシブデザイン:
高齢者・障がい者・外国人など、従来のデザインプロセスからは除外されてきた多様な人々を、デザインの上流から巻き込むイギリス発祥のデザイン手法のこと。

タキザワ:
インクルーシブデザインを知って、その可能性に気付けたのはPLAYERSの活動があったからです。「&HAND」のサービスをつくるとき、リサーチで障がい者の方にインタビューしたのがきっかけで。それまではまったく障がい者の方と接点がなくて、プロジェクトで初めてお話を聞いたとき、新しい発見がたくさんもらえたんですよね。

例えば、視覚障がい者は「出会い系」だと。困っている時に助けを求めたら、いろんな人に出会えるのが特権だという話とか(笑)。また見えていなくても感覚を研ぎ澄ましたら、バッティングセンターでヒットを打てるそうなんです。

聴覚障がい者の方は、20メートル先のひとでも口の動きが見えたら何を言っているのかわかる。Zoomのギャラリービューで9人並んでいても、全員の話していることがわかるとか。

お話を聞くと、見えない・見えづらい、聞こえない・聞こえづらい方々って、その世界のプロなんだと。健常者の僕らが教えてもらうことの方がいっぱいあるんだってことが、面白かったし、好奇心が刺激されました。そしてそれをビジネスに活用する「インクルーシブデザイン」という手法に、すごく可能性を感じたんです。


ーー ハンデのある方も使いやすいデザインは、これまでもありましたよね。何がちがうのでしょうか?

タキザワ:
いわゆるユニバーサルデザインは、言ってしまえば、マイナスをゼロにするためのデザインなんですよね。車椅子の方にはスロープ、聴覚障がい者には筆談、視覚障がい者には点字や音声など。健常者に合わせるように、既存のものを改善しているように思います。

一方でインクルーシブデザインは、マイナスからプラスを生み出すデザインの可能性を秘めています。当事者を含めたチームで一緒になって考えていくことで、改善にとどまらない発想までジャンプできます。不便さを解消するだけではなく、新しい価値を共創していく。PLAYERSではこれまでの活動を通じて、当事者と共創していくことがDNAとして醸成されているので、すごく良い活動ができていると思います。

ーー視覚障がい者でもあるメンバーの中川さんがいることもあり、最近は視覚障がいにおける課題解決の取り組みも多い気がしています。今後、解決する課題の幅をもっと広げていきたいという考えはありますか。

タキザワ:
PLAYERSでは「状況的弱者」という考え方を大切にしています。目に見えたり言葉にできたりする障がいにとらわれず、いろんな状況によって弱者となってしまう方々にどうアプローチするか、という観点で活動しています。


「PLAYERだらけの世界」の実現


ーー 成功事例を積む一方で、PLAYERSに感じている課題はありますか。

タキザワ:
PLAYERSの設立時は、アイデアコンペにチャレンジしていくフェーズがありました。しかしコンペを受賞しても、アイデアで終わってしまう。次に企業と連携して実証実験をやるフェーズに入りましたが、プロダクトやサービスの価値が検証できても、企業の事情などで実用化されない。

PLAYWORKSの創業もその課題解決のためのひとつの選択肢ですが、PLAYERSではいかに社会実装を実現できるかについて、チャレンジしています。


ーー そこを達成できたら、次はどんなフェーズに入ると思いますか?

タキザワ:
PLAYERSのビジョンである「PLAYERだらけの世界」の実現に向けて、プレイヤーズマインドを持ったひとを増やすフェーズかと思っていて。

メンバーになって一緒に活動するだけでなく、PLAYERSの活動を知って意識が変わったり、小さなアクションにつながったりとか、あるいは寄付で活動を応援してくれるとか。いずれにせよ、もっとPLAYERSのことを多くの人に知ってもらうことが必要だと思っています。

本業より大変な「趣味」


ーー 2017年からPLAYERSを続けてきて、PLAYERSがあってよかったなと思うポイントを教えてください。

タキザワ:
いろいろあるのですが、3つにまとめますね。本業以外でチャレンジできる場所があること。それに共感した仲間やコミュニティがあること。活動を通じて本業では得られない成長ができること。だと思っています。

ーー サークルみたいなものに近いんですかね。

タキザワ:
感覚としては、ボランティアのサークル活動ですかね? やる側の気分としては、仕事帰りにフットサルをやるようなイメージがあります。ただそれが趣味の範囲を越えていて、かなりガチ(笑)

ある意味本業より大変なことを、ボランティアで、ストイックに、心からやりたくてやっている。そんな感じですね(笑)

新ウェブサイトについて喧々諤々ブレストするPLAYERSメンバー


ーー では最後に、タキザワさんがいまPLAYERSでいちばんやってみたいことは何ですか?

タキザワ:
これまでの活動の成果発表をしたいなと考えていて。「プロトタイピング展」のような発表の場が持てたら良いなと。さまざまなプロジェクトに取り組んだものの活動をまとめられていないので、それらを広く伝えたいですね。

またPLAYERSに蓄積されたソーシャルデザインの知見やノウハウを、もっと広めていきたいと思っています。企業に対して研修プログラムを提供して実践的に学び、自社に持ち帰って活かせるような仕組みをつくりたいです。

それらも含めて、いまやりたいことは「PLAYERSのこれまでの活動をスケールさせる」ことのような気がします。記事に書いたら、やらなきゃいけないですね(笑)

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以上、PLAYERSのリーダー/理事のタキザワさんのインタビューをお届けしました。

もし、彼の想いやPLAYERSの活動に共感した方がいらっしゃればこちらのフォームから気軽にご連絡もいただけると嬉しく思います!それでは、次回のPLAYER'S INTERVIEWでお会いしましょう!

また、PLAYERSではこのようなメンバー紹介ならびに、最新の活動内容や進行中のプロジェクトを中心に、ぜひ注目して欲しい世の中のニュースやトレンドなど、皆さまが「PLAYER」としてワクワクしながら生きていくために役立つ情報をお届けるメールマガジン『PLAYERS Journal』を定期配信しています。よろしければ以下より購読のご登録をお願いします!


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