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Playtest Kyoto 2024 / Day1

2024年3月29日〜31日の開催された「Playtest Kyoto 2024」は、都市空間を舞台としたゲームや遊びを行う3日間のイベント。京都に縁のあるゲームデザイナー、クリエイター、アーティストと共に、京都市内の広場や公園などの公共空間や、文化創造拠点や未活用の遊休不動産などを舞台に、子供から高齢者まで誰でも参加可能なゲームを制作・発表しました。街区全体を活用したトレジャーハンティングや、チームに分かれてミッションをクリアしていくストリート版借り物競争、アプリを活用した街中でのAR体験など、デジタルからフィジカルまでを横断しながら、京都という街を捉え直し、遊び尽くす3日間です。

2006年、ニューヨークで「Come Out & Play」フェスティバルが開催され、ゲームデザイナーと市民が公共空間に集まり、さまざまな遊びのアクティビティが行われました。その後、ギリシャのPlaythonやポーランドのPlaypublik、ヨーロッパ横断型のTrust in Playなど、街中の公共空間を活用した遊び、デジタルとアナログの垣根を越えたゲームに焦点を当てたイベントや展覧会などの企画が相次いでいます。今回、日本では初の取り組みとして、任天堂発祥の地でもあり、インディーゲームコミュニティのある京都で、Playtest Kyotoは開催されました。

Playtest Kyoto 2024のメイン会場となったBridge Studio。1934年築の元小児科の洋館を改修したアートスペースです。
小児科時代の面影を残した館内。今回は、参加アーティストたちが合宿形式でこの建物に1週間程度泊まり込み、現地での制作や準備に取り組みました。
3日間を通して行われた、アーティスト・Joanna Liuによるゲーム「Wrap and Weft」。街角のあらゆるものを普通とは違う方法でつなげる、共同作業と競争ゲーム。各チームは60秒以内に、周囲の建物、構造物、物、人などのあらゆるものを使い、できるだけ多くの辺を持つ閉じた形を1つ作ります。
会場であるBridge Studioから徒歩5分の場所にある公園にて行われた、「Wrap and Weft」の最初のゲームセッション。遊具や木など、公園内にあるオブジェクトをめいいっぱい使いながらゲームは進行します。
普段は目に留めない木のコブや、子供が遊ぶ遊具の形に注目するなど、チームごとに戦略が異なるのが面白いポイント。
どんな構造物よりも人間の力を借りるのが良いのではと気づくチームも。通行人や公園で遊ぶ子供を巻き込んでゲームは進行します。
公園だけでなく、近所のお店の前のガレージなど、遊ためのスポットを探して街を歩き回るのもこのゲームの特徴。Joannaがこのゲームを開発したのがギリシャ・アテネということで、国や街ごとに使える場所の特徴や性質の違いも面白いポイントです。
完成形は時には一つの芸術作品のような雰囲気も。
使うツールは縄1本。どこでも、誰とでも、すぐに遊べるシンプルなゲーム。年齢や言語の違いも簡単に飛び越えるゲームです。
天気に恵まれた3日間。先初めの桜を求めて多くの観光客が京都に訪れる時期、Playtestに参加するために東京や名古屋などの遠方から泊りがけで参加してくれるメンバーもいました。
アーティストのKaho Abeによるインスタレーション作品「Touch」。誰かと手をつないだり、触れ合ったりすることで音の変化を生み出す、遊び心のあるインタラクティブなインスタレーションで、常設展示会場Bridge Studioにて展示されました。もともと小児科の診療室であった場所を使い、ちゃぶ台や椅子、机の引き出しなどをその部屋にあるものを使って、滞在制作した作品です。
誰かと手を繋いだり、触れ合ったりすることでさまざまな音を奏でる作品。プレイする人によって音が全く変わるのが不思議な体験でした。
誰かと向かい合わせになって椅子に腰掛けることで音が鳴る作品。さまざまな座り方や動きをして、音のリズムを探します。
2024年に活用が始まるまで空き家期間が23年間もあった本会場には、まだ多くの残置物が。小児科時代の名残のある机の引き出しを開けると、音が流れ出す作品です。
知らない人と手を触れ合わせるという体験も、ゲームを通してだとできること。
カナダ出身のアーティスト、Farfamaによるスマホを使って京都の質感、素材、模様を撮影する遊び。街のディテールをキャプチャする「Urban Lens」を使って、デジタルシティの登場人物たちの、服のパターンを作ります。

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