【目指せソムリエ#17】風光明媚なフランスの庭、ロワール
はじめに
プレソムリエの皆さん、こんばんは!GWが始まりましたね!今まで学んだフランスの地域をがっちり復習するGWにしましょう♪ 今回はその風光明媚な景観からフランスの庭と呼ばれる、フランスのロワール地方です。ルネサンス時代の建築物や、フランス革命以前のヨーロッパの王侯貴族たちが支配した豪華なお城もたくさん残っていて、観光地としても人気の場所です♪ いつかロワール川のクルーズをして豪華絢爛なお城達を眺めたいな〜☆
ロワール地方の概要
ロワール地方は1,012kmにも及ぶフランス最大の大河、ロワール川によって形成された渓谷沿いにブドウ畑が分布しており、この産地は15の県にも及ぶ広大なワイン産地です!
ワイン産地はペイ・ナンテ地区、アンジュー・ソミュール地区、トゥレーヌ地区、サントル・ニヴェルネ地区、中央高原地区の5つの地域に大別されます。
ロワール川は内陸の中央高原地区から北上し、湾曲して大西洋に向かって西に流れています。これだけ広い地域なので、海側と内陸側で気候も少しずつ異なってきます。
ワインは多種多様で、軽めの赤やロゼ、重めの赤、辛口から甘口までの白ワイン、貴腐ワイン、そして発泡性ワインなどがあります。
ロワール川中流域には荘厳華麗なるシャトーが立ち並んでおり、2000年には、この地域が「シュリー・シュール・ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。
この地域は、「ペイ・ド・ラ・ロワール」と「サントル・ヴァル・ド・ロワール」地域圏に加えて、「オーヴェルニュ」を含む一帯にワイン産地が注目されています。
一方、サントル・ヴァル・ド・ロワールの中心地であるオルレアンは、ヨーロッパでも有数の穀倉地帯です。また、化粧品関連(エルメス、ゲラン、ディオール、資生堂など)の企業が集中する地域でもあります。
ロワール地方の歴史
約2000年前、ローマ人がナント周辺にブドウを植えたのが、ロワールのワイン造りの始まりだと言われています。 5世紀以降にはロワール川流域にブドウ畑が広がり、582年にはサンセールとトゥーレーヌにブドウ畑が存在していた事が記録されています。
その後、修道僧によりブドウ畑は発展しました。当時、陸路よりも安全で確実な方法として川を使った水上輸送が始まり、これがロワールワインの流通に貢献したと考えられています。
1154年、アンジュー伯アンリが、イングランド国王ヘンリー2世に即位(プランタジネット家になる)して、アンジューのワインは英国とフランスの宮廷で大いにもてはやされたそうです。
領主のワイン専売権が廃止され(農民達が自由にブドウを栽培したりワインを造る事が出来るようになった)、中世から15世紀にかけてアンジェ、ソミュール、オルレアンなどの都市周辺でブドウ畑が発展しました。
1532年には、ナントを含むブルターニュ公領が王国フランスに併合され、国王フランソワ1世はブルターニュの地方三部会にこれまで通り海外との通商を許可し、ロワールワインは新たに発展していきました!
しかし、フランス革命でロワールのブドウ畑は荒廃し、その後は安価な南仏のワインとの競争にさらされました。更には19世紀末、フィロキセラの災厄にも見舞われました。
ロワール地方のブドウ品種
ロワールは広いので、同じブドウでも地域によって違った呼び名があったりします。
ロワールの5つの地域では、それぞれ異なるブドウが栽培されており、また、ブルゴーニュ地方に位置的にも近い内陸よりの地域はブルゴーニュ品種も栽培されています。
各産地の主なブドウ品種
ロワール地方の郷土料理・チーズ
ロワール地方は魚介類が豊富で、ロワール川や沿岸部で獲れる魚介を使った料理が多くあります。 代表的な料理はナント名物のカワカマスのブール・ブラン・ソース、Brochet au Beurre Blanc ブロシェ・オ・ブール・ブランなどです。
また、農業が盛んで、多くの野菜や穀物や果物が栽培されているベリー地方のレンズ豆を煮込んだPotée de Lentilles Vertes du Berry ポテ・ド・ランティーユ・ヴェルト・デュ・ベリーもソーセージ豚肉と一緒に煮込んだ美味しい料理として親しまれています。
ロワール地方のA.O.C.ワイン
ロワールのワインを理解するためにはどこのA.O.C.がロワール川の右岸でどこのA.O.C.が左岸かを覚える必要があります。ロワール川は中央高原地帯から大西洋に向かって東に流れていて、北側が右岸で南側が左岸となります。
造っているワインのタイプも異なります。
それでは、各地域について確認していきましょう!各地域にどんなA.O.C.があってどんなA.O.C.の生産可能色を造っているかを確認できた後は、教本で主要品種に目を通しましょう。
ペイ・ナンテ地区
ロワール・アトランティック県のナント市を中心とする産地は、ロワール川の河口に位置し、ムロン・ド・プルゴーニュ(ミュスカデ)から造られる爽やかな白ワインでが名産です。アルモリカ山塊の火山活動による火成岩や変成岩で構成されています。ムロン・ド・ブルゴーニュでは、辛口白ワインのみのA.O.C.が4つあり、旨味と新鮮味を高める目的で底をワインに寝かせる方法であるシュール・リー製法が多く用いられています。
アンジュー&ソミュール地区
アンジェ市はロワール川河口から80km内陸にあり、その周辺と、さらに40km上流にあるソミュール市周辺が、広がる産地です。海側のアンジュー地区は海洋性気候で、内陸よりのソミュールは西風を遮る丘陵地帯があるため、半海洋性気候です。この地域で採れる石灰岩は、トゥファと呼ばれています。
アンジュー&ソミュール地区は辛口~甘ロの白ワイン、貴腐ワイン、ロゼ、赤ワインなどヴァラエティに富んだワインを生産しています。
トゥーレーヌ地区
トゥール市を中心とし、東にオルレアン市を網羅するワイン産地があります。この地域は、かつての王侯貴族が住んでいた古城が多く残っています。この地域もトゥファと呼ばれる石灰岩が多いのが特徴です。沿岸地域の古城は、このトゥファを切り出して建てられています。オルレアン周辺の土壌は、砂やシルトの沖積土壌です。海洋性~大陸性へと気候が移る中間地点で、アンジューより季節ごとの気温差が大きいのも特徴のひとつです。
ロワール地方のワインのうち、西側(下流部)ではカベルネ・フランが主体の赤・ロゼワインが作られています。モンルイ・シュール・ロワール地区では、白ワインが生産されており、辛口から甘口まで味わいが楽しめます。また、スパークリングワインも作られています。
サントル・ニヴェルネ地区
オルレアン以西はフランスはロワール川が東西に流れ、オルレアンから南はおおむね南北に流れる。土壌は石灰岩や粘土粘土石灰岩、火打ち石やシリカの混じった粘土質、砂礫質など多様である。代表産地としては、ロワール川を挟んで左岸に広がるサンセールと右岸のプイイ・フュメがあります。
サンセール(左岸)は白が有名ですが、赤ワインやロゼワインも少量のみ生産しています。プイイ・フュメ&プイイ・シュール・ロワールは白ワインのみ(プイイ・フュメはソーヴィニヨン・ブラン100% 、プイイ・シュール・ロワールはシャスラ100%)です。
中央高地地区
中央高地地区ではガメイやピノ・ノワールを用いた軽やかな赤ワインや、シャルドネから造られるフレッシュな白ワインが多く生産されます。夏と冬のの気温差が顕著な半大陸性気候で、標高の高いブドウ畑では山岳性気候の影響も受け、冬は厳しく、積雪もみられます。
おわりに
7月20日から始まる一次試験まであと3ヶ月ほどになりましたね!皆さん、WEB出願はお済みですよね?申し込み順に試験日程が選択出来るので、早めに申し込みしましょうね!早めに1度目を受けて傾向を掴み、2度目までの学習期間をしっかり設けるのが良いと思います。暗記の詰め込みとなる7月・8月は極力予定を入れないようにしましょうね!
5月の学習カレンダーを用意したので、プリントして使ってみて下さい♪
プルールではロワール地方をはじめ、世界各国のワインを取り扱っています。
オンラインショップにはほんの一部のみの掲載なので、ワインをご希望の方はお気軽にこちらまでご相談ください☆
また、よく見直しをしているつもりなのですが、noteの間違いに気がついた方はこっそり教えて頂けるととても助かりますm(_ _)m
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?