一般的な塾と違う点(1)

「教えない」塾


プラスワンのワンコベ(小1~小4対象)と小学部(小5・小6対象)では、「教えない」ことが基本です。

「教えない」というのは、「何も教えない」ということではありません。

「最低限しか教えない」ということ、そして「同じことを2度教えない」ということです。



「最低限しか教えない」「同じことを2度教えない」と、生徒はどうするか。


この問題はさっきの問題とちょっと違う・・・
こんなとき、生徒たちは「わからない」「習ってない」「知らない」と、すぐに誰かに聞こうとします。

だから私は、

「大切なポイントはさっき教えたから、さっき教えたことを思い返して、自力で問題を解いて」

と言って、何も教えません。

すると生徒は、最初はごねます(苦笑)

「教えてよ」「わからないよ」「難しい」、ときには「塾の先生なんだから教えるのが仕事でしょ」・・・教えてもらうためには手段を択ばず何でも言い始める始末です。

それでも私は、「考えて。もう教えることは全部教えたから。」と突き放します。


ここで多くの生徒たちは、「仕方ない・・・」と諦めて、自分で考え始めます。
本気で考え始めれば、数分後には「なんだ、そういうことか!」「簡単じゃん!」と言って、スラスラ解けるようになります。


それでも考えない生徒とは、根競べです。
相手は「何とか時間を稼げば、あきらめて教え始めるだろう」と高をくくっています。
だから私は、10分経っても20分経っても、決して教えません。

するとほとんどの生徒は「この人は無理だ」と諦め、自分で考え始めます。


それでもあきらめない生徒は、そのまま授業が終わってしまうこともあります・・・だったらどうするか・・・次の授業でも続きをするだけです。

子どもたちを、強制力でやらせるのではなく自分で動いてくれるように育てるには、それくらいの覚悟が必要です。



子どもたちへの指導は、親御さんのご理解・ご協力あってこそ


この点では、親御さんたちの理解なしには、授業が成り立ちません。

だから親御さんに状況を説明したときに、「迷惑をかけて申し訳ない」「その通りだと思うので、先生の思うようにやってください」とフォローしていただけることが多く、本当に感謝しています。

今のご時世、「先生が『自分で考えな』って言って教えてくれないんだ」「教えてくれないってどういうこと!?そんな塾なんて辞めなさい!」と言われてしまうこともあるのでしょうし、そんな関係性では、もはや何をすることもできませんから(苦笑)




考える習慣を身につけるには


「考える」子に育てるには、教材や方法論だけでは足りません。

「自分で考えなければならない環境」を作ることが必要です。


先生の気分や、授業の残り時間・カリキュラムの関係で、ときに教えてあげて、ときに教えない・・・こんな状況で「自分で考えなさい」と言っても、子どもたちは耳を貸してはくれないでしょう。

実際にずっと黙って待っていれば、勝手に教え始めてくれるのでしょう・・・

そういった意味で、ワンコベ・小学部の生徒たちは、私のことを
「どうせ聞いても教えてくれない先生」
と思っているかもしれません(苦笑)

でも同時に、
「最初の説明をしっかり聴いて覚えておかないと、大変なことになる」
という強い意識を持って、説明を聞いてくれていると思います。


こうした環境で、とりあえず考えてみる→解けた!という経験を積み重ねると、「チャレンジしてみよう!」と思える子ども、「解けるまでやる!」と思える子どもに育ってくれます。