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住宅リフォーム、施主支給と施主指定について検討しました。

まだまだ暑い日が続きます。
朝飯前workに切り替えてから、
1か月ほど経ちましたが、
気持ちよく続いております!

このところ、経験したリフォーム工事に
おける施主支給、施主指定の問題に
ついて、工務店経営者&現場責任者として
の立場で熟考してみました。
関係あるサイトも貼りますので
検討されている方の参考になればと思います。

このところ多いのは施主支給品を
取り付けたい!という希望が増えている!

私の本業は住宅のリフォーム!
引き合いをいただいて、ヒアリング
計画、施工手配、現場管理まで
こなします。

こんなお仕事を20年以上やって
最近多いのは、お客様が自分で買った
商品を取付だけお願い出来ないか?
という希望です。いわゆる施主支給
ということになります。

これは、完全にネットの影響ですね。
情報も商品も何でも簡単に手に入る時代
これは、自然な流れなのかな?と
思っています。

サンワカンパニー クアドロスリム HPより


しかし、住宅リフォームの業界というのは施工だけでなく、商品代や打合せや色々なところから利益を得る仕組みになっているのでその仕組みを大きく壊すのがこの施主支給です。

お客様は無邪気に自分の好きなものを
自分で選んで取り入れたいという気持ち
なのでしょうが、普通、住宅設備は
メーカーから代理店を通して工務店が
購入し、それに利益を乗せて施主様に販売しているので、その利益の分が打合せしたり図面を書いたりの費用になるわけです。

正直、これは工務店苛めになります。
工務店だけでなく、メーカーも代理店も
利益を失うことになります。



ネットで購入した商品は、
DIYで使用するのが基本の使い方

本来、ネットやホームセンターで購入
した商品はDIYで使用するのが基本

流通の仕組みや工務店の仕事の回し方を
全く分かっていない素人のお客様が
役割を超えて介入してくると、色々な
弊害があるのは、容易に想像がつくと
思いますが、ネットの値段は魅力的だし
自分では到底取り付けは出来ないし、
ちょっとくらい無理を聞いて欲しいなと
思う気持ちもわかります。

でも、その為に現場では思いもよらない
様々はことが起きてくる可能性もあります。

それは、綿密に組まれた生産ラインに
無理に別のラインを組み込ませるようなもので狂いが生じるとすべてが崩れてしまうようなことが現場では本当に起こります。

本来の利益が減るだけでなく、
残るはずの利益が無くなってしまう、
最悪は赤字の現場になってしまうという
こともあり得るからです。

その為、あまり好意的に施主支給を受け入れる工務店は少ないのではないか?と思います。

では、お客様の思いは叶えられないのか?

ここまで色々と反対意見を唱えて
来た施主支給という問題ですが、
私は、何が何でも反対!という事では
ありません。

時代の背景やネットの状況をみれば
マイホームを自分の好みにしたい!
提案されたルートにのった商品だけでは
物足りないという気持ちは理解できます。

確かに、サンワカンパニーやツールボックスといった設備や材料をネットで販売している会社のホームページを見るとなんと簡単に購入できることか!しかも、かなりデザイン性がよく、値段がこなれています。

しかし、気持ちよく施主支給をうけいれてお客様の責任で購入したキッチンが現場に収まらないといったことになった場合はどういうことになるのか?

やはり、プロの目で現場や工程との
バランスをとったり、確認をしてもらう
必要がありますし、工務店の利益も
考慮する必要があるのではないかと思います。

リフォームは、一つのプロジェクトとして関わったメンバーがお客様も含め
しっかりとメリット、利益を得る、
つまり、三方良しの精神が根底にないと
上手く行かないものです。

モノを購入するのではなく、
プロジェクトを購入する「ものつくり」であるという捉え方が大切なのです。

施主支給という考え方を
施主指定に変換する

リフォームがプロジェクトであるという
ことをしっかり理解した上で
施主支給を施主指定という考え方に変換し工務店さんとしっかり相談するという姿勢に予算と時間をプラスして考えれば
欲しいものを手に入れることは可能です。

つまり、そこまでやっても欲しいのか?
ということに向き合う必要があるということになると思いますが、可能だというのが私の答えになります。

施主支給でも問題ないモノもある

ここまでの話は、工事としっかり絡んだ
設備や建材の場合のことだと考えてもらってもあまり支障はないのかと思います。

施主様が自分の個性を表現しやすくて
しかも、現場の工程にあまり支障がないケースというのがあって、それは最後に取付だけをすればいいものです。

例えば、
・カーテン
・ペーパーホルダー
・照明
など等です。

これも、支給したいということを
早い段階でしっかり伝える必要はあります。カーテンをつけたい場所に、カーテンレールを取付する場合には下地を入れる必要があるとか照明も配線をしていなければ取付出来ないということもあるからです。

工事が終わる頃になって
これを取付お願い出来ますか?と言っても無理な場合は有ります。

弊社では、このように考えます。

まず、施主支給は限定されます。
現場に問題が少ない商品の場合ということになるかと思います。

打合せが必要、工程に関わりが強い
その商品の納期や配送がコントロールしにくいといった場合には、施主指定をしてもらって手数料や経費を頂くという選択をお願いするという事です。

目安は、商品代の2割が手数料となり、
現場経費を通常より3%~5%アップ
する工期は、通常よりゆとりを持ってもらう。


これらの条件を検討いただき、
一緒に考えたり、悩んだりして頂ける
プロジェクトに参加しようと考えて
下さるお客様のご要望はしっかり叶える
方向で勉強し、努力もしていこうと
思っています。

見た目も大切ですが、
マイホームのリフォームには
やはり自分軸が必要!

これだけネットの情報が溢れて
くると、どうしても振り回される傾向が
出てきます。

でも、最終的には身の丈にあった
選択をするしかありません。

その中でどんな優先順位でどんな
自分らしさを表現するのか?は
かけた金額に比例するとは思いません。

流行りのモノは必ず輝きを失う時が来ます。長く、安心して愛着を持って暮らせる家に繋がるリフォームを考えるには、やはりお客様の軸が大切です。

決めるのはお客様自身です。









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