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木工職人を目指した僕が、修業もせずにいきなり個人事業主として独立した理由(2/2)

この記事は

木工職人を目指した僕が、修業もせずにいきなり個人事業主として独立した理由(1/2)

の後半の記事です。


一応、前回の記事の導入部分だけ、貼っておきます。

僕は現在、木工や革なんかを中心に作品を作っていますが、
どこかで丁稚奉公したとか有名な家具工房で修業したとかいうわけではありません。
木工に関しては、職業訓練校で1年間勉強したのみです。
革に関しては、1年くらい独学で勉強した程度です。
漆に関しては2か月くらい訓練校と講習会で習った程度です。
象嵌に関しては、たったの1日だけ基本的なやり方を教わっただけです。
なので、正直にはっきり言えば、技術的にはおざなりなんですよ。

木工や革の業界も、基本的には「どこかで修業」→「独立」という流れが一般的だと思います。

ではなぜ、僕は修業もせずにいきなり独立したかといいますと、

僕がやりたいことをやっている工房はどこにもなかったから

という単純な理由です。


自分でつくるしかない

職業訓練校を卒業まで残すところ3ヶ月、という頃には、
もう、自分がやりたいことの方向性もだいたい決まっていました。
僕がつくりたいものは、
自分で試行錯誤してつくってみるしかないな
という感じでした。
家具屋さんで修業して、
凄腕の家具屋さんとして独立するという選択肢もいいと思いますが、
僕は、その道のプロフェッショナルになるというよりも、
ジェネラリスト的な仕事をしたかったんです。
ジェネラリストといっても、大きな組織で意思決定するのではなく、
いろんな素材と技術に一人で向き合って、
一人でそれらをまとめあげるという仕事です。

デザイナーさんがそれに近いのかもしれませんが、
デザイナーさんはデザインだけで、
実際に作るのは職人さんということがほとんどだと思います。
僕は、自分でデザインして、自分でつくろうと思ったので、
修業せずに、いきなり独立したわけです。
木工だけとか、家具だけにこだわれば、そういう職場も探せば見つかったかもしれません。
でも、木工もやるし、革もやるし、象嵌と漆もやりたい。いずれ彫金も。
みたいなそんな職場は、探すまでもなくどこにもないから独立しようと決意しました。


果たして、自分がつくりたいものは売れるのか

これが一番重要ですよね。
そもそも、つくりたいものが見つかったとしても、
それで食っていけるのか。
こればっかりは、やってみないと分からないです。
ただ、いろんな職人さんに会ってお話ししたなかで、
「こういうものをつくりたいと思っているんです。」
と僕がお話しして作品を見せた人には、
基本的に温かいお言葉をかけていただくことが多かったです。
「可能性ありそう」
とか
「もう少しクオリティ上げればいけそう」
とか。
お世辞かもしれませんが。
そして、独立することに対してネガティブなことしか言わなかった職人さんや作家さんには、
自分の作品を見せていないので、なんとも言えません。
ただ、1年やってみて思ったのは、
意外と応援してくれる人はいるし、
買ってくれる人もいる
ということです。

そして、いろんな技術を持っているから、
いろんなニーズのお客さんに対応できるできるというのも
僕の持ち味だと思っています。
これは屋号であるPLYLISTに込めた想いそのものです。
そんなこともあり、少しずつオーダーメイドの制作やご相談もちょこちょこ受けさせてもらっています。
またオーダーの作品紹介の記事も書いていこうと思っています。
PLYLISTという屋号の意味やロゴの意味については、こちらの記事で紹介しています。


これからの課題


私の大変お世話になっている経営者の人から聞いた話ですが、
「独立して開店した月の売り上げが過去最高だった」
というお話があります。
つまり、開店したばっかりの時は、
周りの人がみんな興味を持ってくれるんです。
なので開店したら自然とお客さんが来て何か買ってくれる。
でも、そのお客さんたちをどのようにリピーターにしてつなぎとめるか。
もしくは、新規顧客をどのように獲得して売り上げを伸ばしていくか。
これが非常に難しいというお話でした。

僕もまさに、独立1年目。
ブーストがかかっている状態で現状の少ない売り上げだったら、もう最悪です。
暮らしていけません。
かと言って営業活動もやっている暇がありません。
バイトと制作で手一杯。
(現在は家具屋さんでバイトしながら制作活動しています。)
なので、知人友人の外の世界から
僕のことを知らない人をどうやって見つけたらいいのか。
その人たちにどうやったら僕のことを知ってもらえるのか。
これがまさにこれからの課題になりそうです。

ということで、この課題をすぐにクリアすることはできないと思うけど、
自分の制作活動をいろんな人に知ってもらうきっかけになればいいな
と思って始めたのが、
この note 。
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