#28 「最も解決するべき課題の選び方」

今回は、「最も解決するべき課題の選び方」というテーマで、課題は誰が持っているのか?それをどう特定するのかについてお話しました。


課題探しどうしている?

はち :今日はジョンさん持ち込み企画「どの課題を解決するか」っていうテーマですね。

ジョン:漠然としたテーマではあるんですが、もう課題が分かってるバックログができてて、優先度をつけるっていう話だったらまだいいんですけど、そもそも課題がわかっていない時に、その課題探しってどういう風にしてますか?

はち :いわゆる教科書的な回答から始めると、ゴートゥーマーケット戦略みたいなところとか、いわゆる仮説検証とかユーザーインタビューとか、その類いですよね。いわゆる顧客が課題を持っているっていうのが、王道な回答ですよね。

ジョン:とはいえ、ユーザーインタビューとかユーザーヒアリングとかする時、手ぶらでは行かないじゃないですか。たぶんこういう課題があるだろうなみたいなとか。で、自分のプロダクトでこういうものを解決したい、こういう方向性に進みたいっていうのはあるけど、それをお客さんの課題として言語化するのって、結構やっぱりプロダクトマネジメントしていく上で、めっちゃ楽しいところであると同時にちょっとやっぱり難しいというか、力の見せどころでもあるのかなとは思います。そこに最近なかなか自分自身が納得いくお客さんの課題はこれだ!っていうものに行きつけてないので、お話をさせてもらえればなと思ってテーマに挙げました。

はち :なるほど。toCとtoBで多分、これ全然違う気がしてて。まずtoCは顧客の課題で溢れてるんですよね。なぜならtoCだと自分もユーザーになれるじゃないですか。だから自分が日々使ってれば無限に出てくる。で、toCは無限にあるものを、どうこうインパクトが高い順に整理するかっていうところがポイントだと思うんですね。で、toBは逆に無限には出てこないというか。出すところの苦労があるんだろうなと、両方やってきた経験としてあります。で、toBの時に逆にtoBもtoCも、ただ共通して顧客の課題何だろうって考えた時に、僕、立ち戻るのはマーケティングの世界の世界話したんですけど、いわゆるN1っていうやつですね。ユーザーたちって捉えるんじゃなくて、解決したいこの人の課題は何かっていうある一人をちゃんと特定できてるかどうかがポイントだと思ってます。それが時にはペルソナって呼ばれ方もするし、いわゆるセグメンテーションした末のこの何だろう、ターゲットみたいな呼ばれ方もするかもしれないですし、そこがぶれてるとどの課題を解決するか、つまり誰の課題を解決するかがぶれますよね。

課題を探すときに気をつけていること

ジョン:はちさんが実際にその「誰」を設定する時に一番気を付けていたことなんですか?

はち :一番気を付けていたのは架空のペルソナを作らないこと。何かっていうと、いろんな人のユーザーインタビューしまくって、いろんな人を集めるとキメラみたいなペルソナが生まれる。Aさんの課題とBさんの課題とCさんの課題とDさんの課題を交えた33歳男性みたいな、よくあるやつできるんですけど。で、その人の課題を解決しようと必死にやるんですけど、結果やってみた結果、その人存在しないっていうのは一番気を付けますね。ちゃんとその人いるんだっけ?っていう。

ジョン:本当に、もう具体的な顧客名が出せるぐらいの人を置いといて。それをもう少しちょっと抽象化して考えるっていうような感じですかね。

はち :うん。具体のアクションで言うと、これも割と日頃のユーザーインタビュー仮説検証じゃなくて、定点観測的なユーザーインタビューが当てはまると思っていて。例えば僕らで言うとどういうことやってるかっていうと、毎週一人ユーザーインタビューしてるんですけど。で、結構タイミングによって今回は学生攻めようとか、今回は大企業に所属している方に話を聞こうとかやるんですけど、結構毎回聞く定点観測的に聞くことがあって。例えば僕らはメディアなんで「情報収集どうしてますか?」みたいな話とか、僕らよく移動中にながら聞きしてもらったりとかっていうケースが多くて。なので、「移動中何してますか?」っていう話とか結構聞くんですね。これって、ぶっちゃけ新機能を作るか作らないか関係ないじゃないですか。プロダクトがいわゆる生活のどこにフィットしてるかなんで、それを聞いていくと、だいたいセグメント分けができていくんですよね。例えば、僕らの場合だといろんなメディアを見てる中で、PIVOTを見てくれてる人。あとはPIVOTだけを見てくれてる人。そもそも何か習慣になってるわけじゃないんだけど、気になるコンテンツがあったら見てくれてる人とか大体こうセグメント分けできてきますと。それは年齢と性別じゃなくて生活習慣で変わってきます。そうすると大体10人聞いたら4パターンぐらいになって、二十人聞いたら六パターンで2個ぐらい増えて、大体30人、40人聞いていくと、もうだいたい一緒になってくるんですね。で、あとはそのセグメントの中から一番我々のサービスがマッチする1エリアを選ぶ。そうすると、そこには今まで聞いた30人中8人がいるから、この中の一人はどれも多分同じだからn1になっていくっていうペルソナの特定の仕方をしています。これ多分toBでも一緒で、その例えばジョンさんのところのプロダクトをどういう理由で採用して、どう活用してっていう活用シーンが多分業務上のどっかにマッチしてるはずなんで、その活用シーンによって多分分割できる気がするんですよね。

ジョン:そうですね。やっぱり結構聞く、自分がユーザーインタビューする時とかでセグメント分けすると、利用頻度とあとカメラ使ってるのでカメラをどれだけ使ってるのか、カメラをたくさん使ってて、いっぱい見てるのか、少ししか使ってないけど、いっぱい見てるなのかもういっぱい使ってるけど、カメラいっぱい置いてるけど、全然見てないなのかそういったところで、お客さんの利用目的とか、業務の中でどういう風に使ってもらってるのかっていうのが大体見えてくる。そこで「あ、今考えてるのって、このエリアの人の課題にマッチするなみたいな」のとか考えたりしますね。

はち :それが見えてくると、自ずと課題は特定できる気がするんですよね。その人の一番課題に感じてるものを解決すればいいだけっちゃだけ。

定点観測のインタビューも大事

ジョン:結構やっぱ定点観測的なインタビューって大事ですよね。

はち :うん。よくありがちなのが、新機能を作ろうってなった時の仮説検証だけっていう。しかもそれを今までコネクションがなかったというか、別にコミュニケーションあんまり取ってなかった人に急に行くから、向こうも身構えちゃったりとか。なんなら日頃溜まってた鬱憤がそこで出てきて本来やりたかった仮説検証にならないみたいな。

ジョン:いやそれもう正直やってます。

はち :いや、そうなんですよ。せっかく聞いてくれるんだからここで全部言ったみたいな感覚もわかるんで。でもそれ定点的に聞いてる相手だったら別にいつも言ってるからっつって割愛される話ですよね

ジョン:やっぱこう立てた検証のためだけに聞くってなると、やっぱり失敗ケースもすごい多いです。

はち :ね。気持ちもわかるんですよ。せっかくお時間いただくんでもったいない、だから全部聞いちゃおうってなって時間に収まんないとか、相手側も何聞かれるのかよくわかんないみたいな。でも確かに、CSの距離、お客さんの距離感とか、toBだと、めちゃくちゃもうファンになってる人とか何でも協力するよって言ってくる人いるじゃないですか。その人とのそのファンになってきてくれてるお客さんとの設置頻度、接点の頻度と、初めて使ったお客さんとの接点の頻度は絶対同じにするべきじゃなくて、そのファンになってくれる人こそ色々協力してくれるんで、それ甘えまくった方がいいんですよね。

ジョン:結構ファンになってくれる人って、そのファンになる根拠があって、それだけ期待もしてくれてるし、やっぱり課題があるから使ってくれてるっていうのはあると思うんで。やっぱファンになってくれる存在は本当にありがたいし、大事にしなきゃいけないですよね。

はち :そうそう。だから甘えるだけ甘えたもん勝ちっていう。これは別に搾取するって話じゃなくて、ちゃんと向こうも答えることによって、プロダクトが良くなったらウィンウィンなんで。だから申し訳ないっていう感情以前にそれをしっかり聞いて、しっかり生かすっていうことを、こまめなサイクルで回していった方がお互いハッピーになるだろうなっていうのは思いますね。

ジョン:それは本当にそうだと思います。インタビューってなると、下手に出がちかもしれないですけど、ある意味、そこは対等というか、ちゃんとあなたの課題を解決しに行きますんでっていう。

はち :そうそう。ちゃんと感謝は当然するべきだし、責任を持って対応することは大前提なんですけど、過度なお伺いみたいな感じは違いますよね。

ジョン:いろんな事情はあると思うんで、一概には言えないかも。だけど、基本的には感謝と責任を持って接するっていうのは大事ですよね。ちょっとこのユーザーインタビューもまたじっくりちょっとお話ししましょう。

はち :そうっすね。確かにユーザーインタビューだと色々話したいことあるんで。例えばtoBだとPMがユーザーインタビューしようとすると、その担当営業がヒヤヒヤするとかで、今そこいい関係築いてんだから、あんまり深いこと聞いてくれんなみたいなとかもあったりするしね。そこらへんもね、話していきましょう。

ジョン:どっかでぜひぜひお願いします。

関連情報

「プロダクトマネージャーの日常」は、シード期と上場企業のプロダクトマネージャー2人が普段考えていることやプロダクトマネージャーのお仕事についてお話しするPodcast番組です!Podcastは毎週火曜日朝8時に配信しています。

Podcastと連動したSlackコミュニティー「PMのネタ帳」はどなたでも参加歓迎です!参加はこちらからどうぞ!

キャスト

  • MC

    • はち (PIVOT株式会社 プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/PassionateHachi

    • ジョン (とある上場スタートアップ プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/john_tk120

  • スタッフ

    • 「PMのネタ帳」コミュニティーメンバー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?