何でもない日

今日がそうだと思い出して、これを書いている。

昔好きだった人の誕生日だった。
松任谷由実さんが歌っているように、『どこかで祝ってる』んだろうと思う。だからこそ『おめでとう』と改めて言えるんだろう、とも。

優柔不断なくらい優しい人だった。ということを覚えている。
私が好きで好きでたまらないというアピールをしまくってなし崩しに交際をOKしてもらえて、でも長くは続かなくて。その後なんやかんやあって結局ただの友達に戻って。何でもない顔して20歳の同窓会で一緒に写真撮ったりしたな……

私は恋をするとダメになるタイプだと思う。全てを相手優先にしてしまって、自分のことをどんどん置き去りにして、結局別れたら何も残らない……。そんな人生だったな、と思う。それは紛れもなく相手を「目的」にしてはいるんだろうけど、観測者たる自己を置き去りにしている時点で長続きすることのない恋の敗北者であるのではないか。「惚れた方が負け」とはよく言ったものである。振られた時は「忘れられないよ」と電話口でさんざん泣いたのに、さよならポニーテールさんが歌っているように『人は簡単よ また出会い愛し合った』なんてね。

20代も半ばになって、未だに恋の曲が新鮮に耳に飛び込んでくるような心の在り方を維持できているのは奇跡に近いかもしれない。
私の感性よ、どうか老いないで。

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