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ヤマガラくん、気をつけて (山で★深読み)

弥勒山の山頂は眺めがいい、と昨日書きましたが、もうひとつ、知る人ぞ知るのが、《手のひらに乗ってくる野生のヤマガラ》です。
今回は人が多かったのでトライしませんでしたが、以前撮った写真を紹介します。
山頂では、たいてい誰かが手のひらをヤマガラくんの食卓にして、じっと待っています。

ビスケットやピーナツを手のひらに載せて辛抱強く待っているとやってきます。
これは、「おっとっと」をてのひらに載せて誘ったところ。向こうの赤い服のオジサンも同じように手を伸ばして別のヤマガラ君を誘致しようとしています。このおじさんは「塩分をあまり含まないものがいい」と言っていたが、高血圧予防など、ヤマガラ君の健康を考えての発言だろうか?

それにしても、こんなに人間を怖れなくなってしまって大丈夫だろうか? 悪い人に連れ去られはしないだろうか?
心配のあまり、家に帰ってから調べたら、次のようにありました。

学習能力が高いため芸を仕込む事もでき、覚えさせた芸は江戸時代に盛んに披露された。特におみくじを引かせる芸が多く、1980年ごろまでは神社の境内などの日本各地で見られた。

Wikipedia「ヤマガラ」より

《学習能力が高いため》
この表記は人間視点でポジティブに書かれていますが、ヤマガラ君たちはやはり、悪い人間に連れ去られ、芸を仕込まれ働かされていた、というわけです。
江戸時代にさらわれた子供が越後獅子の曲芸を仕込まれたようなものでしょうか。

しかし鳥獣保護法制定による捕獲の禁止、自然保護運動の高まり、別の愛玩鳥の流通などにより、これらの芸は次第に姿を消してゆき、1990年頃には完全に姿を消した。

Wikipedia「ヤマガラ」より

うん、それならピーナッツや「おっとっと」をつまみに来ても大丈夫かな。でも油断は禁物。

さて、山頂でおにぎりなどを頬張る人もいますが、この日は下界におりてから、植物園に行きました。
大寒桜おおかんざくらが満開で、鮮やかな花を背景に、新品のランドセルを背負った新1年生らしき少年が、照れながら記念撮影をしていました。

春日井三山を背景に、大寒桜が満開でした。
菜の花をハーブと呼ぶのは少々大胆なのでは?

植物園には温室があり、レストランとカフェも併設されています。
「サニーカフェ」という5卓ぐらいしかない小さなカフェでは、飲み物の他、《草原スープ》という10種類の野菜とハーブの入ったスープが主役のランチを出してくれます。

「サニーカフェ」のたたずまい。窓の向こう側が温室。
草原セット(草原スープ+ミニピザ+はちみつ生姜入りヨーグルト)。スープもピザもキノコがいっぱい。生姜の切り身がたくさん入ったヨーグルトもユニーク。これに飲み物がついて800円。

前回来た時は、山頂で持参のおにぎりを食べたので、カフェではハーブティーを飲んだだけでした。
この《草原スープset》は、キノコやハーブなど具だくさんのスープもハチミツ漬け生姜がたっぷり入ったヨーグルトも《ミニ薬膳料理》風でなかなかいけます。
上の写真にコーヒーなど飲み物がついて¥800とお手頃。

「ヤマガラは捕まえられて、神社でおみくじを引いて来る仕事をさせられてたんだよ」
同情トーンで言うと、同居人は、
「その代わり、もう餌をさがす必要もなくって、3食もらってのんびり過ごせるんでしょ。カラスに襲われる心配もないし、……そっちの方がいいかも」
「うーむ」

野生のウサギはストレスのため、寿命は2年ぐらい、でも飼いウサギは7-8年生きる、とスノーシュー・ハイキングのガイドさんに聞いたっけ(↓)。

しかし、── と動物園の《孤独な虎》を思い浮かべます(↓)。

虎クンも往復運動ばかり

(おそらくは自由な恋愛もできず、捕まった後はずっと孤独なまま、おみくじくわえて往復するだけの人?生はイヤだな……)

そう思いながらも、なんだかサラリーマン時代の生活と重ねてしまうのでありました。

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