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あなたの欲しいものはコレですね

月曜の朝は慌ただしい。

「このあたりに新聞の切り抜き、なかった?」
そう言いながら、夫がファイルを持ち上げてバタバタしている。

私が切り抜いて、テーブルに置いていたものだ。

ネットでも各社で取り上げてることだけど、忘れてしまわないよう新聞を切り抜いておいたのだった。

コレのこと?と、差し出した。

あなたの欲しいものは、すべてお見通しよ。
それも、いずれこの情報は絶対必要になるって、読んでるからね。
そんな思いをこめて平然と、小さな切り抜きを渡す。

家でも仕事でも、これをやった時は心でガッツポーズする。

「御手洗さん、こないだのアレ何だっけ…」と
宙を見上げてる上司に、
「◯◯を×××されるなら、コレどうぞ」と渡す。

なんでわかるのー?みたいな顔で驚かれると、ふっふっふ、全部わかってるのよみたいにニッコリ。

アレ、コレで会話するって、お年寄り?

でもツーカーの関係というのは、余分な説明をイチからする必要がないからいいと思うけど。

しかし「あなたの欲しいものは、これですね」と差し出すなんてワザは、たまーーのことだ。
ほとんどは自分のためだけで終わることが多い。

それどころか、私にとって秘書は、妻は、いないのかーと思うことの方が多い。

でもやっぱり、上司があわてて、アレがない!うわぁどうしよう!みたいな顔で来た時に、よろしければコレをどうぞと渡すのって、なんか気持ちいい。

さて、今週も

準備して、待つ。

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