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孤高のアルパカ

娘がアルパカのことを「あるかぱ」という。

とてもかわいい。

図鑑のイラストを指さし、「じゃあ、これは?」と聞くと、「あるかぱ!」と答える。そのたびにわたしは、こらえきれずニマニマとしている。

私:「よく知ってるね! でも惜しい、アルカパじゃなくて、アルパカだよ。あ、る、ぱ、か」

娘:「あ、る、か、ぱ!」

……とてもかわいい。

どうしよう。言いたいことのすべてを冒頭で言い終えてしまった。

「あるかぱ」という魅力的な響きについて書き残したいが一心でこの文章を書きはじめたはいいが、べつにこの話に続きはないのだ。そんなに都合よくストーリー性に富んでいるものばかりじゃない、日常は。

しかたがないので、わたしとアルパカの思い出話でも聞いてほしい。いやいや、それこそそんな都合よく、アルパカとお前さんの思い出話なんてあるぱかい?

いやいや、それがどうして、あるぱか。

あれはいまから、8年ほど前のことだ。

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どうでもいいことをすごくしんけんに書いています。

<※2020年7月末で廃刊予定です。月末までは更新継続中!>熱くも冷たくもない常温の日常エッセイを書いています。気持ちが疲れているときにも…

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