園児たちのマッチング
自分の幼稚園の頃の宿泊行事を収めたビデオを見た。勿論、VHS。
5才で親元を離れて3泊4日は中々厳しい。私はとにかく家に帰りたくて、夜になると泣いてしまっていた。しかし他の園児たちは皆、楽しそうにはしゃいでいたので私は必死に「泣き真似」ということにしておどけていた。夜中、寝静まった子供たちを撮影したシーンでも私一人は目を見開き、寝付けないご様子だった。感の強い子であった。
これは今でもはっきりと覚えているが、みんなでお母さんへのおみやげに、白樺を削り絵を描いてペンダントを作っている時、私はとにかく家が恋しくて家の絵を描いたのだが、本来上部になければいけないペンダントの紐を通す穴が横にきてしまい、三角屋根の家が横向きになってしまった。先生に相談すると「じゃあ周りを青く塗って星を描いてロケットにしよう」と言われ、不本意ながらロケットの絵にした。
そして場面は巨大迷路へ。引率で来ていた教頭はまだ若く、テカテカのリーゼントの元ヤン。クレヨンしんちゃんの園長が組長先生なら、この教頭は若頭先生といった風体であった。恐らくこの教頭の方針なのか、今では考えられないが、男子が女子を選び、二人で迷路に入るという、教育上また倫理上、極めてよろしくない衝撃のマッチングタイムが始まったのだ。平成初期、当時ねるとんが流行っていたのだろうがこれはいけない。しかし続々とカップリングして迷路へ消えてゆく園児たち。流れには逆らえず、恥ずかしながらこの私も一人を選んだようだ。
そしてついに最後まで残ってしまった女子、これがどういうことか、圧倒的美少女だったのだ。今見ても本当に圧倒的可愛さだった。恐らく私を含め、男連中は身の程に合わないと皆、敬遠したのでしょう。或いは好き避け。しかしそれが齢5才の彼女に理解できたのでしょうか?傷ついてしまったのではないでしょうか?結局残った男2人と組まされ3人で迷路に入っていきました。おのれ、教頭め。
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