マガジンのカバー画像

ショートショート

36
あなたのすきま時間に。
運営しているクリエイター

記事一覧

ショートストーリー「魔」の世界にようこそ

午後2~3時は「魔」の時間帯だ。 「魔」というのは睡魔のこと。 ランチ食べてお茶飲んで同僚…

すごく気になるけど、なかなかたどり着けない場所

伊勢神宮では20年ごとに式年遷宮、神様だって定期的に新しく清らかなご神殿に移られる。私も環…

他人をラッキーにする方法

「またやってしまった」くすっと笑う。 駐輪場で自転車を出す時に、支払機に駐輪したレーンと…

暗くなると聞こえる謎の音と場の浄化

数日前の夜、電気を消して寝床に入ると部屋の隅で音がした。どういう音か表現が難しいのだけど…

ショートストーリー 子供の頃にできたのに大人になるとできないのはなぜか

子供の頃、できたこと。だけど大人になったらできなくなってしまったことってたくさんある。た…

クリスマスにこだわりはない

いつの頃からか、クリスマスはどうでもよくなった。むしろ早く終わればいいのにと思うこともあ…

意味はなくてもいいじゃない。楽しいんだから。

彩り豊かな季節だから紅葉を見に出かけた。カサカサに乾いた枯れ葉のじゅうたんの上を歩くのは気持ちいい。サクサクのクリスピーチョコを食べているのと同じくらい。緑、黄、赤の3色がはいった一枚の葉っぱをみつけた。色の移り変わりで老いへ至る過程を見せているような葉っぱを拾ったとたん、落ち葉拾いという遊びのスイッチがオンになった。もう一枚、もう一枚、拾う、その繰り返し。手のひらに葉っぱが増えていく。どんどん楽しくなってくる。この前やった海岸での貝殻拾いと同じだ。 子供の頃によくやったど

ショートストーリー 何が見たかったの?

何事もなければ、ここはたくさんの人であふれていた。異なる言葉やいろんな価値観を持つ人たち…

1杯のラーメンに情熱を注いだ日

めったにラーメンは食べないのに、なぜだろう、突然ひらめいた「昼ごはんはラーメンにしよう」…

ショートストーリー:いつまでたっても子供

海岸はひっそりしていた。連休明けの平日、肌寒い、どんよりとした空、雨が降りそう、そんな条…

(ショートストーリー)お化け屋敷から逃げ出した女

お化け屋敷に初めて行ったのは子供の頃だっただろう。いつだったかは覚えていないが、二度と行…

(ショートストーリー)天使の集いに誘われて

こんな夢だった。 友人宅でのホームパーティで、私は素敵な女性に一目惚れした。恋をしたとい…

天国の母からの贈り物

「この家に私の居場所はない」 そう感じ始めたのはいつ頃だったのか。兄が一人暮らしを始めて…

ショートショート お金持ちの悩み

私の悩みを聞いてもらえますか。ちっぽけな悩みだと思われるかもしれませんが、私にとってはどこへ行くにもつきまとう、とても厄介な悩みなのです。 簡単にいいますと、なにやってもお金持ちにみられてしまうってことです。 実のところはお金持ちなのですか?と聞かれましても、お金があるかないか、お金持ちかどうかといったことを意識することなく今まで生きてきたものですから、なんとも答えようがありませんが。 ただ、お金のことを考えなくても、必要な物は手に入りますし、住む家もありますから、普通の暮