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デジタルと身体性の詩、しずけさについて

草間です。2024年の注目キーワードを目にする機会があり、そこから新たに詩の試みとして考えたことなどを書きます。

フィジタル

没入感を意味する「イマーシブ」という単語が、マーケティング業界の注目ワードだという記事を読みました。

イマーシブという単語自体は、わたしとしては一昨年の夏頃からチームラボの企画などで度々耳にしており、馴染みのあるものでしたが、上記の記事冒頭にもあるように、「物語」「時間」「空間」の三軸での要素分解は、なるほど、と思うところがありました。

さらに新たな視点はないかと探すうち、「フィジタル」という造語と出会いました。
これは、身体性を表す「フィジカル」と「デジタル」を組み合わせた造語で、「進化したデジタル技術がリアルな世界をアップデートしていく」概念を指します。

ところで、「身体性」も詩の界隈では「イマーシブ」と時を同じくして盛んに取り上げられている概念だと感じています。若干、食傷気味の感もあるほどです。

デジタルと詩はどうも相性が悪いのか、現代詩はWeb2.0の段階を行ったり来たりしている様子。

デジタルの領域は個人的に興味深く仕事にもしていますが、超自然的な現象とも紐づく身体性についても自身の作品に取り込みたいという欲がありました。

そこで、まだまだ実験段階ではありますが、デジタルと身体性が共存する詩の姿とはどんなものか、ひとまず思うままに書いてみることにしました。

まだまだ推敲の余地はありますが、一旦完成系として整えた散文詩の習作がこちらです。

3DモデリングやVR、AI で構築した世界と現実の季節が同時多発的に共存する現象を書きました。
夏の空を生成するStable Diffusionのプロンプトを挿入できた点が気に入っています。

二段組にしてみましたが、理想はさらにこの二つの概念がシームレスに融合するというもの。
デジタルと身体性を詩へ落とし込む手法については、納得のいく形を見出すまでもうすこし練習を重ねる必要がありそうです。

しずかなインターネット

さらに、すでに使い古された感もあるトレンド「タイムパフォーマンス」。
時間のコト消費に関しては、すでに逆行する潮流が見え始めているので注目しています。
つまり、あえて時間をかける動きです。例えば、今や4分弱で多数の笑いを生み出さねばならない漫才ですが、10分以上のネタのみ上演する舞台などが人気を集めているのだとか。ゆっくり会計できるスローレジも支持されています。

Y2Kのトレンドに関しても似たようなことが言えますが、Z世代がカセットテープを求めたりする流行回帰と通じるものがあるのでしょうか。
この間、「写真を撮ってください」と若い方から写ルンですを渡されて驚きました(使い方を知っていてよかった)

即座性のあるコミュニケーションが可能なSNSですが、その喧騒に疲れ始めている層も多いようです。かくいうわたしもその一人で、最近はじめた「しずかなインターネット」というブログサービスを心地よく感じています。

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