2022.2.12
-双極性障害 卒業のご報告-
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結論から申し上げます。
このたび、双極性障害を卒業しました。
おめでとう自分。
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そのことについて、今日は深くお話ししてみたいと思います。
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ご存知の方も多くいらっしゃいますが、私は「双極性障害 / 躁鬱病」という病気でした。
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お医者様に診断を受けたのは、2018年の6月。当時は、前職の鈴木コーヒーを4月に卒業して、けんちゃん(汐見 健さん from 0256_bistro&meals)の新店舗の立ち上げにご一緒していました。
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思えば、おかしかったんです。
2018年のバレンタイン。今から丸4年前。
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伊勢丹のショコラモードで約60人のバリスタ、コーヒーラバーズと共演しました。2012年にスタートした「にいがたバリスタ教会presents ショコラモード限定カフェ」
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その限定カフェ史上に残る大暴れぶりでした。最大のピークは2018年2月11日の祝日。
運営責任者を務めていた私が、唯一現場に立った1日。
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提供側のバリスタはなんと11名。
売り上げは確か20万ごえだったと記憶しています。
記憶と記録に残る1日。
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そこがピークでした。
完全に瞳孔がひらいていました。
おそらく当時のわたしを知る方は全員言うと思います。
「げんきさん、おかしかったよ」って。
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でも、そこからはドンドン調子が悪くなるばかり。
2018年4月に新宿高島屋での試飲販売イベントが、前職での最後の仕事でした。満員電車で千葉の社宅から、新宿に向かう列車の中。
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なぜか涙がとまらないんです。
あれ？なんで泣いてるんだ？
だめだ、だめだ。泣きやまなきゃ。
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でも、どうしても涙はとまらない。
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お店にいかなきゃ。
起きなきゃ。
でも、こころがザワザワする。
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この時は、自分が「鬱」だと自覚していないのですが、間違いなく「激鬱」状態でした。
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だって、満員電車で無言で号泣ですよ。
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高島屋で売り場で、当時は新入社員だった桐麻くん(@cgco淹れ手 / 焙煎士)の横でなんとか販売する日々。
桐麻くんの明るさ、販売力に本当に助けてもらいました。
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今思い出せば、こころの状態は地獄のような1週間でした。
でも、自覚がないから、今まで培ってきた胆力と責任力で業務にあたるわけです。
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社会人ってすごいですよね。
こころが壊れてても、ちゃんと仕事できるわけですから。
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それで、なんとか乗り切って、4月後半から汐見さんのお店を手伝うわけです。
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でも、ここでもまだ気づいていないわけです。
自分が激鬱なことに。
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まだまだがんばります。
大好きなけんちゃんのはじめての「自店」です。
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お店はオープンから、どんどん繁盛していきました。そして、現在もみなさんご存知のように人気店です。
(双極性障害の私を雇用してくれた汐見健さんには友人として以上に先輩オーナーとして本当に感謝してもしきれません)。
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4月、そして5月になり田植え。
田植えが終わり次第、0256_bistro&mealsへ。
田植えの終わった頃。
5月中旬。
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ふと、夜中に。
「こころがつらいあなたへ」
もしかしたら、その症状、鬱かもしれませんよ。
とスマホでネットをみているとき、みつけたんです。
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鬱。
だけでなくて。
双極性障害 = 躁鬱病というものがあると。
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それで、こんな症状ありますか？
ってチェックシートに答えていくんです。
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20項目。
なんと全部に◉(二重丸！)がつきました。
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「あなたは双極性障害の疑いがあります。精神科の受診をおすすめします」って。
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あれ？ 私は病気なの？
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その夜は悶々と過ごしました。
ただ、鬱だからかいくらでも寝れたんです。
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それで朝起きて、詠美子さん(妻)に
「ひょっとして、ぼくって病気かな？」
って聞いたんです。
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そしたら詠美子さんが
「やっときづいたんだね。時間があるなら、お医者さんに行ってみたら？」って。
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このエピソードすごいですよね。
私がおかしかったのは、詠美子さんから見ればあきらかだったわけです。
でも、本人がきづいて、自分で行動するまで待ってたわけです。
これって中々できることじゃないと思います。
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それで、地元の心療内科に行き、先生にいろいろ話すんです。

前職でのエピソード、今の仕事のこと。涙が止まらないことや、いくら寝ても寝足りない。なにをしていても楽しくないって。
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あんなに楽しかったし、あんなに仕事ができた私はどこへ行ったのかと。
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そしたら先生が「双極性障害の疑いがありますね。躁状態というやる気に満ち溢れて、活動的な時期と、正反対の鬱状態があるんです。薬を飲んで、ある程度緩和するので、薬を飲みながら、付き合っていきましょう。」って。
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そして、2018年6月。
2回目の診療のときに「双極性障害Ⅱ型」と診断されました。
晴れて「精神疾患もち」認定です。
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それから、約4年。
いろいろありました。
そのいろいろは、ここにたくさん残してきましたね。

ただね。
まだまだお伝えしていないディープな話があるんです。
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大きな失敗。
大きな失態の数々。
その多くをすこしずつ語っていこうと思います。
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そして、2018年の2月11日のピークから丸4年。
2022年2月11日。

わたしは双極性障害を卒業しました。
お医者さんに治ったと言われたわけではありません。
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ただ、一昨日2月10日に野水さん(73)といろいろお話しさせていただきました。
そこで野水さんは「星野くん自身の良さは"思い込み"の強さ。ただ、それは双極性障害という言葉の想念を増幅させることでもあります。ネガティブな思いは大きくなります。だからSNSに双極性障害と書くのはやめた方がいいですよ」って。
最初は生意気にも、すこし口答えしました。
でも、すぐに納得したんです。
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ん？そうかもしれないぞ。
私は私自身で「双極性障害」という思い込みを強くしていたのではと。
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双極性障害のこと、驚くほど勉強してきました。いろいろ薬も飲みました。
どんな病気か自分自身がよくわかっています。
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簡単に言うと「脳」の病気です。
脳みそに支配されて、アドレナリンやドーパミンが出まくる躁状態と、そのアドレナリンやドーパミンを使い切った鬱状態を行ったりきたりします。
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自分で制御できません。
薬を飲んでも、緩和するだけで根本治療にはなりません。
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だから、昨年から薬を完全にやめました。
(もし、いま双極性障害のひとは、絶対に真似しないでください。私は"あなた"ではないので、責任がとれません)。
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そして、躁状態と鬱状態を2クール体験しました。
そして、2021年の11月ごろから躁状態に向かう中で、現在2022年2月12日am2:45。

わたしは、完全に双極性障害と融和しています。
抱きしめています。
おそらく、また寝込む時期もくるでしょう。
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そりゃ、脳みそ擦り切れるほど使うんですもの。
でもね、それでも、いいって思えるんです。
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私のことが好きで、こんなにたくさんの方が周りにいてくれます。
私もあなたたちが大好きです。
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生まれてきて38年と6ヶ月。
ここまで生きてこれたことは、ほんとうに"あなた"のおかげです。
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こころから感謝します。
ありがとうございます。
その照れた表情が、大好きです。
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これからも「星野 元樹 / ほしの げんき」をよろしくお願いします。
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残りの人生で今日がいちばん若い日。新しいことを始めるのに、今日ほどいい日はないのです。
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残りの人生すべて「あなたのお役に立ちたくて」に全振りします。
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いっしょに楽しい、嬉しい、悲しい、怒り、などなど、全部の感情とともに、ぜんぶご一緒しましょうね。
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あなたの笑顔に乾杯。
わたしとあなたの未来に乾杯。
おめでとう。
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自分で言います。
「今日は私の誕生日です」
おめでとう、私。
ありがとう。
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2022年2月12日
星野 元樹
卒業式として残した文章です。
3218文字、一筆書き。
30分で打ち終わりました。
ここまで読んでくださったあなたにこころより感謝を。