知的好奇心を満たす旅行と快楽を満たす旅行の2種類ある話

旅行って大きく分けるとこの2つだよね~って思ったから筆を執った次第。

あくまでも便宜上の区分であってどちらか片方しかない旅行なんてないことをふまえたうえで、それぞれの特徴をまとめてみました。


知的好奇心を満たす旅行

これはどういうタイプかといいますと、

・行ってみたい、見てみたいなど動機が内発的
・手段と目的がはっきりしているので優先順位が明確
・規範的なルートからはしばしば逸脱する
・一人旅であるほうが効率的

こんな感じですね。
歴史好きが各地の文化財なんかを見に行くのが典型例。この種の旅行は「○○城を見る」と目的が明確なので、それに付随するグルメや、移動、現地での触れ合いは必然一段劣位になる。なのでこの旅行は、できるだけ安い移動手段を使うし、昼飯をコンビニで済ますことが多いし、宿もゲストハウスだったりする。
あと、こういう性格の人間は他人の旅行に「行って何するの?」って聞きがち。
見に行きたい場所というのが日本史好きじゃないと知らんようなマイナーな武将の城だったりする時もあるので、「名所見て、グルメ食って、お土産買って」みたいないわゆる定番の旅行の形式をとらない場合もある。なので門外漢な他人からは楽しさが理解できないことが多く、しかもそんなつまらなそうな顔したやつと連れ立って歩くくらいなら独りのほうが楽である。そいつに合わせてなまじ昼飯を有名どころにしたりすると肝心の目的がぶれるしね。
ちなみに知的好奇心を満たす旅行を純粋に突き詰めると、「グーグルマップのストリートビューで現地を歩く」になる。


快楽を満たす旅行

一方こちらはですね。

・余暇ができたからとか動機が外発的
・最終的な快楽の総和が最大であればよいので、旅に優先順位がない
・冒険するよりは規範に則ったほうが大きな満足を期待できる
・仲間といったほうが楽しい

こんな感じかな。
こちらの目的はとにかく「家に帰った時点で快楽がどれだけ多く獲得したか」を基準とするので、目的や手段、行った意味は不問となる。というか、そこに交換不可能性みたいな意義を見出さない。「ゴールデンウィークに京都へ一泊二日旅行行ってきたよ」みたいなのが典型例。ゴールデンウィークという余暇がきたから旅程を立てただけで、別に京都じゃなくても札幌とかでもよかった(現実はここに知的好奇心が干渉してくる)。
目的地はあれどそれはあくまでも旅行全体の補助線ぐらいの重要度なので、各プロセスでの快楽をいちいち最大化することになる。移動が電車ならビールを飲んだりするし、グルメも楽しむし、旅館は少し奮発して夜景がきれいなところを予約する。他人といるほうが楽しくなるので、とにかく誰かと行こうとする。
快楽を得ることが約束されているほうがよいので、究極的にはパッケージツアーに参加するのが一番手っ取り早い。別に京都の新たな魅力を発見したりはせず、清水寺行って~抹茶アイス食って~京都タワーから夜景見て~みたいな旅程のほうがいい。


もうこれで終わってもいいけど。

せっかくなので最後にどっちともいえない旅行を考えてみましょうかね。

まず思いついたのがナンパ旅行。
これはどっちなんでしょうかね。
やったことないからわかんないんですけど、わざわざ京都行っても繁華街を行ったり来たりするだけなんですかね。ナンパ(の成功)っていう快楽が特権的な地位にあるからほかの快楽を満たす隙間はないし、かといって知的好奇心が満たされるわけでも……「ほほぉ、京都の女はこんな具合かぁ」ってのは知的好奇心になるのかな?

次は自転車日本一周的な旅行。
快楽どころか肉体的には苦痛でしかないよね。でも現地の人との出会いとか各地の風景とか楽しい物事はある。それらも見聞を広げるという意味では知的好奇心を満たすためと考えられる。でもこういう旅の目的って知識を増やすというよりはむしろ自己成長とか有名になるとかだから知的好奇心を満たすためってわけでもないし。

ま、いいやなんでも。

あなたはどちらの旅行が好きですか?


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