見出し画像

コーカサスから中東へのバイク旅行 (その112)

2023/11/10

大使館からのメールで、例のごとく日本への帰国を進める手紙を頂戴したので丁重に返事をお送りしますた
内容は、以下の通り

---帰国のための渡航書について---

お世話になります
何度進められても、現状の私の考えは変わりません
現在、既に提出用の必要な書類を日本から送ってもらっております
方針としては、可能な限り早くパスポートを再発行して貰いその後速やかにイラク国外に出国しようと思います
私はトルコからクルディスタンイラクに入国してからすでに1ヵ月この国を旅行しています
ここから国境までは、最速で2日で到達できる距離にあり、私の認識では、パスポートとビザの問題さえ解決されれば、十分に無事のまま出国できる見込みがあると思っています

ご指摘の通り、国際情勢の影響によりイラク国内の治安が悪化する可能性はわかっておりますが、現状のイラクは、まだ陸路移動が困難ほど悪化しているとは思いません
なので、そういった可能性を全て捨てて、帰国のための渡航書で帰国する事は最後の手段だと考えております
と言うのも渡航書で帰国すると言う事は、事実上、私の所持するオートバイを処分することと同じ意味になります
イスラエル等の問題の為今後治安が悪化する可能性があるのは理解しています
その後イラク国内が旅行が可能なレベルに治安が回復するのかはだれも判りませんし、状況が変化するのは、10年、20年のスパンに成りそうだと考えます

なので、戸籍が届き次第パスポート再発行の手続きを試みたいと思っています
戸籍原本の届け先はそちら、日本大使館に届くようになっています
順調であれば火曜日か水曜日に到着予定です
なので、私はその到着の報告を待っています
ご迷惑だとは思いますがパスポートの再発行手続きの準備をお願いします

江連

   ーーーーーーーーーーーー

ホテルのロビーのテレビを見ていると、イスラエルの紛争のニュースをひっきりなしに流している
困ったもんだ
これはもしものときのことを考えて、他に何かできることをやっておく必要がないのだろうか?
もし急速に事態が悪化するような場合、クルディスタンに一時避難することも考えておくべきか?
先日訪れたレジデンスオフィスのマネージャーもラマディで貰っていた通行願の書類で、クルディスタンまでの移動は可能だろうと言っていた
そして、クルディスタンでは外国人の入出国の管理は独立してやっているのでそこで相談すれば、また別の道が開けるかもしれない
ただその場合、クルディスタンには大使館も領事館もないので最悪の状況だとバグダッドに戻れずクルディスタンに閉じ込められる可能性もある
なので万が一状況が悪化したときのためにパスポートをこっそり修復してしまおうかしら?😈
本の修復をしてくれる職人さんとかが見つかればやってもらえるかも
でも、勝手にパスポートを修復してしまったら、それはそれでパスポートの再発行ができそうな場合に大使館から大目玉を食らいそうだけど

夜の21時ごろ
ネットをしながらまったりしていると、突然銃声が聞こえる
わりと近いようで、断続的に自動小銃が発射される音がする
十数発の発射音が時間としては30秒位の間続き、その間大通りから車の通行音やクラクション、人々のざわめき、いつも聞こえてくる街の喧騒がなくなり辺の一切の音が消えた
自分が寝ているのは窓際のベッドだったので、身を低くして部屋の電気を消した
少し待つと、車の走る音が聞こえ始める
部屋の電気を付け、1階のロビーに飲料用の水を汲みに行く途中、ホテルの従業員の若者と会って肩をすくめる
部屋に戻ると、街は喧騒を取り戻していた
そしていつもの夜は更けていく
バグダッド滞在中に銃声を聞いたのは辺これ1回だけだった

文中、クルディスタンに大使館も行時間もないと書きましたが、後日確認したらアルビルに領事館がありました
スマソ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?