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「仕掛人・藤枝梅安」 感想

公開初日に見てまいりました。
仕掛人・藤枝梅安 一



自分の会社帰りで都合の良い時間帯で見れる場所が日本橋だったので、初めて日本橋にいきました。
東京だぁって思いました(都内勤務なのに)
今度は普通に買い物に行ってみたいです。


感想の前に


私は池波正太郎先生の原作「仕掛人・藤枝梅安」が大大大好きです。
文庫本を買ったうえで電子書籍も買っています。

原作を読みながら自分なりに相関図をつくってみたり、作中に出てくる料理を再現したりする程度には大好きです。
池波先生の料理描写はとんでもなく素晴らしいですよね。

特に1巻は梅安と彦次郎の関係性や過去、おもんさんとの始まりなど物語のおもしろい部分が詰め込まれていて何回読んだかなと。
20回くらい繰り返し読んでるかな。
そのくらい思い入れがあります。

という訳で感想を言っていきたいと思います。
作品の全てをネタバレすることはありませんが原作のどの部分を使っていて…ということを書くと思うので原作知っている方にはネタバレになるかもしれません。

あと完全に個人の感想です。
ご了承ください。


感想


まず率直な感想です。



原作に思い入れがない人の方が楽しめる映画

これにつきると思うんですが…。
正直レビューサイトとか見ても同じ意見を見つけられなかったので私が変な可能性しかないですが、原作に思い入れがあればあるほど
(あ、ここをこう改変…あぁ、そうするんだ…あぁ)ってなると思いました。
私が原作への思いを拗らせすぎているんだと思います。

作品としてはすごくおもしろかったです。

原作の1巻に収録されている「おんなごろし」と「梅安晦日蕎麦」を融合させつつオリジナルの要素もいれて1つのお話にしています。
話の融合のさせ方はとてもうまくて、すごいなぁと。

映像はとにかく素晴らしいです。
現時点で作れる最高の時代劇の映像なのでは、と思うくらい映像は好みでした。

暗い場所ではしっかり暗いのが良いです。
行灯の炎の揺らぎだけで見える(ように撮られていると思われる)映像は最高に格好いいです。
陰影の使い方が素晴らしくてどのシーンも美しい。

それから仕掛けられた方、これから死んでいく方の視点でが出てくるのも好きです。視界が血に染まって赤くなり狭くなりぼやけた中で見える彦次郎さんのかっこいいことよ…。

それから演者のみなさん
全員すごく素敵でした。

製作発表の時に梅安が豊川悦司さんと聞いた時は(ちょっとイケメンすぎん?)と思ったものですが、梅安そのものでした。
体格も所作も原作を読みながら想像していた梅安通りで、色々な方が演じてきた梅安の中でも忠実に梅安だったと思います。
どの演者の方にもそれぞれの良さがありますが。

重量感があるように見えるのがいいですね。
それでいて身のこなしは軽いと。
最高ですトヨエツ梅安。

彦次郎も片岡愛之助さんと聞いたときは(イケメンすぎるじゃん!)と思いましたが、ちゃんと彦次郎でした。
梅安の前ではリラックスして炬燵でスヤスヤしちゃうところとか、原作通りの可愛さがありました。
ちなみに私は原作の中の登場人物で彦次郎が一番好きです。

吹き矢シーンがたくさんあって嬉しかったですね。
彦次郎といえば吹き矢なので。
梅安との体格差もちょうどよくて二人が並んだシーンは
(この身長差!この身長差と体格差が最高なんですわ…)と静かに興奮しておりました。

高畑淳子さんが演じたおせき
声色、言動 完全に解釈一致でした。
最高。最高すぎる。

菅野美穂さんが演じたおもん
可愛かったですね。
梅安との手の大きさが全然違って小さくて可愛い。
菅野美穂さん自体はめちゃめちゃ綺麗で可愛い人だと思っていますが、原作の設定である「歳もいってるし特段可愛い訳でもない」という感じを絶妙に演じられていて役者さんってすごいなと思いました。

天海祐希さんの演じたおみの
問答無用で美しかったです。
ストーリーの設定上、原作よりもかなり気の強い感じになっていました。
でも鳥を愛でているときは可愛いんでずるい(ずるいとは…)
すごく姿勢がよくて着物姿が美しくて憧れます。

映像はすごいし演者もすごい。
何度も言うんですけど、よくあの複数の原作を練ってまとめて今回の1つのお話にすることができたなと。それでそのまとめた話も矛盾なく上手く登場人物同士に関係性を持たせていてお話としてとてもおもしろいんです。

と思う気持ちと、原作を好きすぎるが故の
なんでここをこういう風に改変したの?梅安絶対こんな表情しないしこんなことしない。とか彦次郎の過去をこういう風に改変するのは結構嫌だな(これはもしかして原作後半にそういう話があって私が忘れているだけかもしれない)とか、お話を作るうえで改変や追加をしなければいけなかった設定にあまり納得がいっていないというモヤモヤ感もあり。

すごく評価するのが難しいなと思いました。
原作知らない人、読んだことはあるくらいの人は普通に楽しめると思います。
私も含め原作がとにかく好き!という人は原作にはない要素の解釈の仕方が好きかどうかで評価が分かれるのかなと思いました。

でもこのクオリティの時代劇を劇場でそうそう見れないと思うし、令和に最高にかっこいい藤枝梅安を見れるのは幸せなので見てみてほしいな、と思います。

4月に公開される2作品目も見に行きます。
なんやかんやいいつつ映画館で梅安見れるのは嬉しいですし、どんなお話になっているかも楽しみです。

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