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ことばの森を育てる~ライティングスキルを着実にアップさせる方法~ #049

私は、新卒で出版社に入って以来、約10年ほど編集の仕事に携わっていました。

その間は、ライティングスキルを磨くための特別な講座等には、特に参加したことはありませんでした。

実用書の編集者時代は、膨大な書籍を読み、著者やライターさんが執筆した膨大な原稿を整理・推敲・校正し、それを編集長に膨大に朱書きをされ(そしてまた修正し)、本の売り上げをもとに企画やコピーの良し悪しを評価されるという感じで、とにかく実践の中で身に着けてきました。

と言っても、あくまで実用書の“編集者”としての目線なので、ライターさんのように“書く”ということ自体が得意かというと、そうではありません。

ただ、個人的にはもっとわかりやく、相手に伝わる文章を書きたいと常々思っていました。

結婚退職&出産して編集業からは遠ざかっていたある日、ファシリテーターのマーキーが『伝わる文章の書き方 講座 in 淡路島』を企画・開催してくれるという朗報が入りました。「めっちゃ気になる!」と思って、すぐに申し込みをしました。

講師は、赤羽博之さん(伝わる文章の書き方・講師/フリーランス編集者&ライター)。講座は、淡路島で1泊2日の合宿で行われました。

人に〝伝わる〟文章をわかりやすくユーモアたっぷりに教えてくださって、本当に素晴らしい講座でした。私自身、推敲することが好きだと心から実感することができました(その合宿の詳細については、またこのnoteでも別途書きたいと思います)。

その講座の中で教えていただいたことのひとつが、ことばの森を育てるということ。

 私たちが文章を書くとき、フル回転しているのがアタマの中の日本語データベース。本書では、これを「ことばの森」と呼ぶことにします。(中略)

 今まさに書いている文章、目の前にある言葉ひとつひとつの「OK/NG」を決めるのも、この「ことばの森」の役割です。(中略)

 「言葉・フレーズの貯金」が充実している、豊かな「ことばの森」を持つ人は、自分が書いている文章について、良質なデータベースに基づく的確な判断ができます。いっぽう、「ことばの森」が発展途上の人は、的確な判断を下すのが難しいのです。

 「ことばの森」は文章の良しあしを判断する基準。「ことばの森」を育てることは、そのままよりよい文章を書く力につながっていくのです。

赤羽博之著『きちんと伝わる!センスのよい文章の書き方』JMAM刊 P98

講座では、「ことばの森」を育てる方法を教えてもらいました。それは“朝刊コラムの書き写し”です。

そういや、中・高校生くらいのときに少しやったなー(そして挫折したなー)と懐かしい思い出がよみがえります。

書き写しのルールは、簡単。準備するものは、①朝刊 ②筆記用具(手書き) ③ノート(なんでもOK)④ストップウォッチ(時間を計るとゲーム感覚で楽しい)

最近は、新聞をとっていない方もいらっしゃると思うので(わが家もしかり)、そういう方にオススメなのが下記の本です。

読売新聞東京本社論説委員の竹内政明さんが書かれた、朝刊一面コラム「編集手帳」の傑作選。これが本当に超名文の傑作ぞろい。

約600文字数の中に、タイトルをいい意味で裏切られるような思いもよらない起承転結が展開されつつも、きっちり伏線回収されています。

そして、熟練の職人が作る繊細で美しい氷細工のように、言葉の選び方・句読点の打ち方の一つひとつが、震えるくらい素晴らしい

書き写しながら「こんな端的でクールな表現の仕方があるのか」と衝撃を受けつつ、写し終わったあとは「まさかこんな展開になるなんて……」と時にはニヤリと笑い、時には涙を浮かべてしまいます。

私が書き写しているノート(字が踊るのでかろうじて読めるページを)

もしライティングスキルを着実にアップしたい!と思われる方は、「ことばの森」を育てる方法をオススメします。

ほかにも、実用的な文章(文芸ではないという意味で)の書き方を知りたい方は、ぜひ下記の赤羽さんの本をお読みください。〝伝わる文章とは何か?〟という概要を1冊でまるっと学べます。

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