絵本講座での気づき(1)〜絵本がもたらす本当の効用とは?〜
先日、絵本講師のたかはしみほさん主宰『子育て世帯のための絵本講座』に参加した。
ここ数年、みほちゃん(以下いつもの呼び名で。)は県外から「この人のお話をぜひ聴いて欲しい!めっちゃええねん!ホンマに!マジでええから!」という激推しの絵本講師の方を広島に招いて、貴重な学びの機会を作ってくれている。
今回もみほちゃんのおかげで、素晴らしい講師の方に出会うことができた。(みほちゃん、いつもありがとう!)
講師は岡田逹信さん。一級建築士で、建築技術者から管理職を経て人材育成業務に携わり、現在絵本セラピスト協会代表というユニークな経歴の持ち主。
「たっちゃんと、気軽に読んでくださいね」と穏やかな声色と柔らかい物腰でご挨拶。絵本セラピストとは、存在そのものが癒やしなんだなぁと思ったり。
会場のテーブルは5人1組のグループに分かれていて、みなさん初めましての方ばかりで少し緊張していた。けれど、たっちゃんの挨拶とアイスブレイクのおかげで、心地よい雰囲気の中で講座はスタートした。
名作絵本に心がザワつく……
講座の中で、たっちゃんがいくつかの絵本を読み聞かせて紹介してくれた。その中で私が唯一知っていたのが、『ぐるんぱのようちえん』。
有名な絵本で内容も知っているはずなのに、たっちゃんが物語を読み聞かせてくれているうちに、なんだか気持ちがザワっとし始める。
そして読み終えた後、たっちゃんから「みなさん、このぐるんぱのお話って、少し見方を変えれば、キャリア形成のお話だと思いませんか?」との問いかけがあった。
確かにぐるんぱは次々と職場をFIREされ、最終的に自分で幼稚園を開いて、天職に巡り合う。スティーブ・ジョブズのConnecting the dotsを、ぐるんぱ自身が体現しているかのよう。
私自身読み聞かせをしてもらいながら、様々な仕事場でぐるんぱが「もう、けっこう」と言われるたびに、「いやいや、あなたには素晴らしい才能があるんだから、それを評価されるところに行ったほうが絶対ええやん」という気持ちが膨らんでいた。
ぐるんぱの才能が必要とされる場所が必ずあるはず、と。何なら私が代わりにぐるんぱのいいところを整理して書いて、それをもとに人に紹介したいとすら思っていた。(お前誰やねん…ですが)
たっちゃんは、これまでいろんな大人に向けて、この絵本を読んできたそう。
ある人からは「そもそもぐるんぱが間違ったものを最後まで作ってしまうのは、管理職の責任では。ぐるんぱの進捗状況をきちんと把握しないと」という意見があったらしい。
その人は人材系のコンサルティングをされていたとか。なるほど、確かにコンサルさんらしい視点。
絵本に書かれていること、書かれていないこと
絵本には、登場人物の感情や抽象的な概念は書かれていない。書いてあるのは、「ぐるんぱは〇〇をした」という登場人物の言動や事実のみ。
たっちゃん曰く、大人はこれまでに培ったいろんな価値観・経験があるからこそ、それを絵本に投影させる。そして、絵本には描かれていない行間を自分の体験を元に埋めようとする。
ところが、子どもは経験がない分、まっさらな気持ちのまま、物語をそのまま体験することができる。
子どもは絵本の物語の中で“自分が主人公になれる”のだ。
子どもにとって絵本はディズニーランドのアトラクションと同じ⁉︎
子どもは絵本を読み終えると、「もう一回!」と言って再びその世界に遊びにいく。絵本の主人公を疑似体験するために。
それは大人がディズニーランドで、お気に入りのアトラクションに何度も乗りたくなるのと同じ感覚。
わが家でも、どうして子どもは読んだばかりの絵本を「もう一回読んで!もう一回!」と、すぐにリクエストしてくるんだろう?と不思議に思っていた。
内容もよくわかっているはずのに、飽きたりしないのかな?と。なので、たっちゃんの説明を聴いて目からウロコだった。
大人がディズニーのアトラクションを何度味わっても楽しめるように、子どもたちは絵本の世界をそのまま体験して味わい尽くすこどができる。
それを知ると、子どもが「もう一回読んで!」とねだってきても、親は「えーまた⁉︎」と思うんじゃなくて、「よっしゃ、この絵本をもう一回体験したいんだな」と思える。
実際に講演後に子どもに読み聞かせをしていて、「もう一回!」と言われたとき、いつもはちょっと渋ってしまう自分がいたのに、「よっしゃ、このアトラクションにもう一度乗せてあげよう!」と夢の国のスタッフのような気持ちになって、不思議なくらい自分自身も楽しく読むことができた。
絵本を通して感じることが、子どもと大人ではこんなにも違う。それを知ることができて、とても有意義な体験の一つだった。
2へ続く。
【お知らせシェア】
3月21日(祝日)に、たかはしみほさん主宰の『まちよみ またよみ 講演会』が開催されます。
今回の講師は、内田早苗さん。昨年12月下旬にマツコの知らない世界に出演されて、『クリスマス絵本の世界』を紹介されていました。
放送の翌日には、Amazonの本ランキングTOP100以内に、ご紹介された絵本が続々とランキングしていて、その影響力にビックリしたものです。
みほちゃんが、今回内田さんを招いてくださって、広島で初めての講演会を開催予定。まだ少し残席があるようですので、気になった方はぜひご参加ください。もちろん、私も参加予定です♪
お申し込みはこちら→ https://smart.reservestock.jp/event_form/785608
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