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「子どもができて考えた ワクチンと命のこと。」(マーカー記録)

ユーラビス 著 矢野真千子訳 2018年5月 柏書院 ◆書き込み◆

【1923】集団免疫と言う言葉が初めて使われた。
・少数派とは、一定の病気に対してとりわけ脆弱な集団。例=インフルエンザ:高齢者、百日咳:新生児、風疹:妊婦。

・ワクチン接種の考え方(根絶できたのは天然痘ウィルスただ1つ)。19C:恵まれた人のために貧者の身体を服従させる。⇔現在の公衆衛生策:私たちの身体を通して効力を発揮(受けられなかった人を守る)

・すべての病気に対応できる遺伝物質を持つ個人は存在しない⇔人類全体で見れば、どんな病気が発生しても人類という種が生き延びるのに十分な遺伝子多様性はある。

・化学物質トリクロサン ◆2016年~日本でも使用中止◆

・ポール・スローヴィック「リスクの感じ方」The Perception of Risk

・法学者キャス・サンスティーン「リスクの感じ方というのは、数値化したリスクの大小ではなく、数値化できない恐怖心の強弱に左右される」

【1962】レイチェル・カーソン「沈黙の春」

科学哲学者 ダナ・ハラウェイ「私たちは真に人間になったためしはない」

人類学者 ブルーノ・ラトゥール「虚構の近代」(2008/7/1)

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【1967】免疫系という言葉。byニールス・イェルネ

・免疫作用=まず皮膚ー特定の細菌の成長を阻む物質を作る力/(奥)炎症を誘導し、病原体を捕食する細胞⇒膜組織ー粘液(病原体を捕獲)/繊毛(追い出す)/抗体(免疫力維持)を作る用意細胞密集⇒循環器系ー化学信号を運ぶ血液[骨髄&胸腺]→脾臓(濾過&抗体作る)⇒リンパ系ーリンパ節

・先天免疫と獲得免疫=戯曲と交響曲(not 戦場)「身体は戦場ではない」byスーザン・ソンタグ「エイズとその隠喩」

・1900年生まれ:10人に1人が1才より前に亡(100/1000人)さらに5才より前に亡(5/900人)⇔2007年:7/1000人以下に

【1950年代】水俣病=メチル水銀

チメロサール=一部のワクチンで防腐剤(1930年代~)1999WHO適応除外⇔米小児科学会の転換。声高に反対している団体のひとつ:自閉症擁護団体セイフマインド(高所得国に拠点を置くNGO)の理由=安全性ではなく経済的動機に基づいていること(2012振り返り)⇔富める国は不安を楽しむ余裕があるが、貧しい国にはないということ。

・医者のパターナリズム(圧政的な支配?強制的な干渉)→患者のコンシューマリズム(消費者主義)←マターナリズム(母親的温情主義):小児肥満の議論(ピーターソン)

「医療機関に行く以上は誰かを信用しなければならない。」

・経済学用語モラル・ハザード(保険に加入することで守られていると安心し、かえって軽率な行動が増えてしまう傾向)良心的拒否者。ワクチン接種/集団免疫(利己的思惑でもOK)/限界点。ドクターボブ(シアーズ博士の息子)「ザ・ワクチン・ブック」

妹の言葉「自立とか独立なんてものはただの幻想なんじゃないかということよ」

・自分の免疫系さえ完璧にしておけば、自分は助かるという別の種類の視野狭窄。ex.百日咳菌/ポリオ/ヒブ菌/HIV=感染者を無症状の保菌者に?

・科学には自己修正機能がある。生物学者カール・スワンソン「科学は河川のようなものかも知れない」

【1897】英「ドラキュラ」出版、教育改革(識字率up⤴)…人間がそれまでの人間ではなくなりつつあった時代。

リチャード・ファインマン「科学者は永遠に確信しない」

ジョン・キーツ(詩人?)不確かなものや答えのでないものを受容する能力=ネガティブ・ケイパビリティ

・戦争における先制攻撃と医療における予防策は分けて考えるべきだろう。

私たちはみな、拡大家族である。

・私はワクチンや手洗いで偏見を撲滅できるとは思わない。ワクチンや手洗いで防げない病気はこれからも常に存在し続け、それがよそ者を不安視する本能に栄養を与え続けると思うからだ。それでも、ワクチン接種には、予防医学を越えた社会是正の効果があると信じている。

免疫学者のポリー・マジンガー 1994年「危険モデル」提唱。

相互扶助とコミュニケーション。(免疫系単独ではなく身体組織のネットワークと)免疫系は非自己を検出するのではなく、危険を検出するのではないか。

「よそ者かどうかより、危険な相手かどうか」(旅行者も移民も受け入れる。ただし、窓を壊す人が出てきたら警察が出勤して追い出しにかかる)

「自己・非自己モデル」(警察が小学校時代の同級生をすべて受け入れて、移民を全て殺すようなコミュニティ)

◆2014年の新型インフルエンザの時に科学者のユーラビスが、幼い子を持つひとりの母親としての不安に正直にワクチン接種に対する考察を展開。今より確実に種類の少なかった我が子の子育て時には、大した考えもなく予防接種をこなしていた私だけれど、mRNAワクチンて…調べるほど全く理解できなくて不安の解消に至らず…。新型コロナ禍にこの本に出会えたことに感謝しつつ読みました。集団免疫獲得には集団の約7割?が接種する必要がある、ということ??私、3割に入ってもいいのかなぁ…)◆

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