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日々のひび

文学フリマが終わって、今度は長い話を書きたいと思う。
しかし、もちろん書くこと以外の生活もまた続いていて、日々のなかになじんで暮らしている。

文学フリマの直前は準備にかかりきりで、他のことに手が回っていなかったから、イベントが終わって酒を飲み、少し酔っぱらうなどして、ここからまた頑張っていこうと気持ちを新たにした。
しかしそれですぐに生活が良くなる、他のやることがさくさく進むというわけでもなく、心機一転した翌日から、ごたごたと厄介がうちつづき、先ほども居眠りして電車を乗り過ごした。

日々のなかですべてがうまくいくはずがなく、アクシデントにいちいち向き合い、それに合わせて、振り回されて動いていくうちに、予定していた確固としてみえた日々にひびが入り、そこから新たな光が差し入り、言葉が生まれ、文が生まれる。

そうして書きたいことが生まれる。新たに展開される生活がまた確固としてきた頃、不調和は生まれ、また新たなひびが入るだろう。そのつど書きたいことが生まれる。

書きたいことは考えてつくるというものでもないようだ。日々が変動する、変わっていくなかでひびを破って不意にやってくる。
事実、この数日で書きたいことがたくさん出てきている。

しかしまあ、他のことに引きずられて文章を書く暇がない。このまま日々にかまけて文章を書かないという事態もちらついてくる。

ということで、書きたいことがあるのですよ、とこうやって示しておくことで、引っ込みがつかなくなるようにした。
これで、自分で立てた目標どおり長い話を書くことができるんじゃないかと、乗り過ごしてしまった駅に戻る電車のなかでこれを書いているという次第。

#エッセイ

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