退職メールは気づきを与えるべきだと思う

切開
2021年12月31日付で僕は前職を退職した。転職を決意した理由は複数あるが

①関係していた大きなプロジェクトが収束した
②ブッチョーさんがオワッテル
③評価システムがオワッテル
④会社内の空気
⑤将来性への疑問

といったものが挙げられる。至極一般的な転職タイミングだったと思う。
各々の問題についてはこの記事では細かく触れようとは思わない。

前職 売上600億前後の大手精密機器メーカー

現職 車メーカー
とエンジニア冥利に尽きる大いなる飛躍を遂げた転職であったのだが、
前職から持ち越したスキルと言えばファンダメンタル・ビジネス・マナーくらいなもので、全く違う分野で仕事をしている。つまり、30代半ばにそろそろ差し掛かろうとしている中で、おそらく世間一般からすれば「やや不可解」な転職を僕は選んだ。「鶏尾」から「牛尾」への乗り換えに必要な跳躍についてはまたいつか書き記したい。

そもそも退職メールとは
こんな感じで書くことを世の中的にはおすすめされているらしい。

まずは一般社員向け

そのまま使えるテンプレということなので、エン転職様より転載させていただくと
件名:退職のご挨拶(鈴木)
本文:
○○事業部○○課の皆様、お疲れ様です。
このたび、一身上の都合により3月末で退社することになり、本日が最終出社日となりました。
本来であれば直接ご挨拶をすべきところ、メールでの挨拶にて失礼いたします。
在籍中はいたらぬ点もあったかと思いますが、お世話になりありがとうございました。
皆様から温かい叱咤激励の言葉をいただき、感謝しております。
業務を通じて壁に当たることもありましたが、多くのことを学ばせていただきました。
今後もこの会社で培った経験を、活かしていきたいと思っております。
退職後の連絡先は下記になりますので、今後ともご連絡いただけると幸いです。
メール:アドレス
携帯:番号
最後になりましたが、皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで、本当にありがとうございました。

https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/41319/

次にボスキャラ向け

件名:退職のご挨拶(鈴木)
本文:
○○事業部○○課 ××様
お疲れ様です。□□事業部の鈴木です。
このたび、一身上の都合により3月末で退社することになり、本日が最終出社日となりました。
本来であれば直接ご挨拶をすべきところ、メールでの挨拶にて失礼いたします。
××部長には入社当初から目をかけて育てていただき、大変多くのことを学ばせていただきました。
私が中々営業数字をあげられないとき、温かい叱咤激励の言葉をいただいたこと、今でも覚えています。
在籍中はいたらぬ点もあったかと思いますが、お世話になりありがとうございました。
今後も××部長から教えていただいたことを糧にし、活かしていきたいと思っております。
退職後の連絡先は下記になりますので、今後ともご連絡いただけると幸いです。
メール:アドレス
携帯:番号
最後になりましたが、皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで、本当にありがとうございました。

https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/41319/

勿論、僕も取るに足らない一般社員の身であったし、社会通念やビジネスマナーを少々齧っているが故、こういった記事を参照したし、参考にしようとした。ここで述べられている要点は次の通り。

★ポイント1:件名は「退職の挨拶」だとわかるものにする。
★ポイント2:退職理由は、細かく書かない。
★ポイント3:退職後の連絡先は、書いてもOK。

https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/41319/

この要点と上記転載のメール本文には大きな乖離があるのではないかと感じた。僕は元来、エンジニアとして働いてきている訳で、相手が誰であろうと事実を突きつけなければならない。事実を事実として受け入れられない相手はものづくりに携わってはならないのだ。勿論、そこで必要な伝えるスキルというのはあると思う。相手が客なのか、自部門なのか、他部門なのか、役員なのかで伝える内容はオブラートに包むのか、歯に衣着せずにいうのかは変わってくる。
僕とは今後関わらなくなる人々、謂わば同じ釜の飯を食っていたような人々に対し、全員に物事を率直に述べるべきだと考えた。もう彼らの上下関係とは違う世界線にいくのだ。いちいち顔色を見て渾身のビジネススキルで言い換えを行う必要はない。
それが自分が去し後に残る人々の幸福を祈念する行為に最も近いのではないか。それが一種の「打撃」であったとしても。

退職メールに必要なこと(追補版)
★ポイント1:件名は「退職の挨拶」だとわかるものにする。
★ポイント2:退職理由は、細かく書かない。
★ポイント3:退職後の連絡先は、書いてもOK。
★ポイント4:残りし人々の幸福を願う
★ポイント5:なぜ一部(もしくは多くの人)が幸福ではないのか述べる
★ポイント6:宛先によって顔色を伺うような内容変更は行わない
★ポイント7:おじいさん達にわかってもらう文章を書く


気づきを与える退職メールテンプレート
上記を基に記した、気づきを与える退職メールテンプレートを次に記す。
実際に僕が送ったメールはこれと同じものだ。
2021年以降のWith COVID-19、After COVID-19において暫く利用できるテンプレートだと思う。

BCC 皆様

お疲れ様です。○○本部△△課 鈴木です。
表題の件の通り、一身上の都合にて本年をもって退職することになりましたのでご挨拶させていただきます。
20XX年に入社し、□□本部を経て○○本部にて職務にまい進させていただきました。
全拠点の皆様から学び、皆様のお力添えとご懇情があったからこそ、私がするべきことを考える機会となり、そして今の自分があると確信しています。

さて、世界情勢を鑑みますと、90年代後半から日本の実質賃金指数は減少傾向にあり、増加する他先進国と明らかな差が生じています。
また本邦でも新型コロナウィルスが猛威をふるい、多くの人々が在宅勤務など、生活の変化に直面し、自分自身を見つめなおすキッカケとなったと考えています。
五月雨式な話に見えますが、燻ぶる社会不安と国家百年の計への漠然とした不信感を抱き、多くの企業においてフィロソフィーと革新性の欠如が招いたオフィスに蔓延する無力感に曝露されている社員が相当数いるのではないでしょうか。
ここでCOVID-19が相当数の人々の身を律し安定を図る足掛かりを築く為の機会になっているのではないかと考えます。
こういった社会状況下での”屋移り”に於いて、働き手に会社が逆評価されるのは目下の現状かと思います。賃金は上がることが期待され、在宅勤務ができることが期待される筈です。
会社は最早、採用対象を選ぶ立場ではなく、社員や転職希望者に評価され選ばれる立場であると考えます。特に転職希望者にとっては、応募先の会社が現職と”どんぐりの背比べ”にしかならないのであれば、それは無意味なことだからです。
また、社員にとってはもっと大きな果実を手に入れることができる可能性についてカジュアルに考えられることに成り兼ねません。
今年、今月、今日、現時点で変革が生じていないことは、今現在選ぶ立場の人たちからすれば明らかなデメリットに成り得ます。社会情勢に対応して柔軟な行動と対応ができ、かつ安心できる職場を可及的速やかに構築することが不可欠な筈です。

YY(会社名)に於きましても、今後益々の発展の第一矢として、私の仲間だった多くの方々が幸せになれるよう、多くの方に選ばれるようになるよう更なる変革が起きることを望みます。
YY(会社名)は他の同業と異なり、ZZZZ(現職の強みを記す)であることから、チャレンジングな仕事ができる環境の筈です。
そしてチャレンジングな社員の皆様があちこちにいらっしゃいます。素晴らしい人材の皆様がより幸福になれることを切に願います。
そして、皆様が正しく仕事が評価されること、不当な評価を受けないことを願います。

「言葉よりも行動を」(好きな言葉からの論理展開を行う)
上記は私が敬愛するアウトドアメーカー、パタゴニア2019年ごろのスローガンです。
皆様、優秀な皆様だからこそ、すべてが分かった気がして評論家面になっていませんか?
入社以来、非常に多くの方とお話しさせていただきましたが、特に若い世代を中心に漠然とした不安が渦巻いていると入社当初より実感しています。
それは今年の売り上げや、世界状況を鑑みたところでは到底覆ることのないもっと根深いものです。
一つの答えとして、物事を変える、時代を変えるのはあなた自身です。あなた自身が手を動かさなければ会社は良くなりません。受動的になってしまった時点で、全てご破算となってしまうと考えます。

あなたとは?「あなた」であり『あなた』であり”あなた”です。

会社は社員の自由な行動を許容しなければ、革新的な変化を遂げることは恐らくは不可能だと考えます。
何故ならば、行動が制限されている中で会社を革新的に良くしようと努力するよりも、転職するほうが明らかに掛ける力に対する効果が高いことが見込まれ、回収率が高いことが伺えるからです。
そして社員は、もっと自由であるべきだと思います。上司からは否定されましたが、会社と一社員は対等な関係のはずです。この揺るがない事実を一つの信念とし、行動すべきです。

最後になりましたが、皆様の一層のご多幸を願い、感謝を込めて。
本当にありがとうございました。

名前
電話
メール

自身の退職メールより引用

縫合
僕は上記メールを実際に全社に送った。社長から社外取締役から新入社員からパート、ゲストの方まで含めて。
誰かが大声をあげないと変わるキッカケがスポイルされてしまうと考えたからだ。退職メールとして、誰かの気づきに、もしくは気づきの一助であることができたらと思っている。
事実、管掌役員は1月以降事業部全員と面談を行っているそうだ。
人と同じようになろうと思うな。圧倒的な自己で他を圧倒しろ。
世界を変えろ。


この記事が参加している募集

退職エントリ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?