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ビーチトマトヌードル備忘録


 2018年6月9日、千葉県館山の白浜フラワーパークで開催された音楽フェス。
ビーチトマトヌードル、ご存知ですか?
目の前には館山の綺麗な海、後ろには山。
滑り台付きのプールもあり、出店ではめちゃウマご飯が味わえた。

 そんな天国みたいなロケーションに加えて、
主催バンドはドミコとTempalay。
出演バンドは、MONO NO AWARE、DENIMS、トリプルファイヤー、KingGnu、ドミコ、Tempalay、DJにはAAAMYYYという今となっては信じられない面々。
 
 私はこのフェスが忘れられず、
「あの頃が1番良かった…」
と何度も振り返ってしまうビーチトマトヌードルの亡霊となっている。
人生の楽園みたいなフェス、忘れないためにもここに書き残しておこうと思う。

 フェス当日、天気は晴天。私と同行者の従姉妹は乗り慣れた内房線をひたすら南に下り館山駅を目指した。電車道中、まさかの遅延に見舞われた。間に合うかどうか危ぶまれたが、奇跡が起きて無事時間通りに駅到着。館山駅からはリムジンバスが走っていた。浮かれ調子でバスに乗り、会場の白浜フラワーパークへ向かった。

 会場に到着後、開場をソフトクリームとか食べながら待った。一日のスタート、この時点から最高すぎた。

 トップバッターはMONO NO AWARE。訳わからんほど暑い日差し、太陽さんさん。最前列で、ステージが始まるのを待つ。一曲目に周啓さんの「や~~~~」という、「明日晴れたら」のコーラスが響いた。ライブハウスでしかMONO NO AWAREのライブを見たことがなかったため、こんなにも青空の下が似合うバンドだとは思っていなかった。言わずもがな最高。朝だというのに酔い散らかしている人もいて、なんて最高な場所なんだと思った。私はドキドキしながらステージを拝み通した。楽しくて「イワンコッチャナイ」の途中、周啓さんに合わせて枕を殴っちゃったりした。最高としか言えなかった。MONO NO AWAREでスタートする一日。最高。

 二つ目のバンドはDENIMS。今思い返せば、「おい!ステージを見ろよ!」と言いたいのだが、私と従姉妹はこの時お食事タイムだった。DENIMSをBGMに、ビーチトマトヌードルのビーチトマトヌードルを食べた。ロケーションはヤシの木の木陰、目の前には砂浜、そして海。これを超えるフェス飯にまだ出会えていない。おいしかった。そのあと、ローストビーフも食べた。最高だった。

 三つ目のバンドはトリプルファイヤー。私は、この時まだこの手の音楽に触れたことがなかったので、少し面食らってしまった。何だか中毒性のある、面白音楽をハンモックに乗りながら聴いた。ロケーションも相まって、頭がおかしくなりそうだった。何とも言えないあの空気の曲、当時はあまり好きになれなかったのだけれど、今はめちゃくちゃ好き。歳を重ねるとともに、ひねくれ値が上がったのかもしれない。

 四つ目のバンドはKING GNU。いや、2018年のKING GNU言わずもがなかっこよすぎた。ライブスタイルは今と同じ、拡声器交えて歌うあの感じ。バカ売れ前のステージなので、自然な感じでファンも落ち着いていて、「なんてオシャレバンドなんだ…MVそのままじゃん…」と思った。GNUのステージの途中で、同行者が会場を離れてしまったのもよく覚えている。まあ曲を聴いて思い出すことはいろいろあるので、引き留めることはなかった。人生いろいろあるよね。夕暮れも近づき、日差しが落ち着いてきて過ごしやすくなった午後、「サマーレインダイバー」が最高だった。

 五つ目はTempalay。ついにフェスも終盤である。おそろいのアロハシャツを身に纏い、麦わら帽子を被るTempalayご一行。最高にかわいかった。「夏の誘惑」をこのロケーションで聴けて本当に良かったなあと思う。この頃からずっと好きなのが「深海より」。本当に好き、ひたすらに好き。初めてTempalayを知ったのがアルバム「from JAPAN2」だったので、このアルバムの曲は特別に好き。ライブ終盤、「革命前夜」で踊り跳ねる観客、最高の音楽、夕暮れの景色、全部最高だった。忘れられない。

 最後はドミコ。もう空がだいぶ暗くなってきた頃のステージだった。「終わらないでくれ(T_T)」といった気持ちでステージを見た。一番やばかったのは「くじらの巣」。ビートマのステージを見て好きになった曲で。曲途中のコーラスのところ、なんかもう神秘的で。この曲で終わってすぐ、アンコールに「マカロニグラタン」。時間がなくて、勢いでやりますみたいな感じだった気がする。駆け抜けて終わってしまったから、ステージ後により「終わっちゃった~~~~」って感じた。従姉妹と最高の一日を振り返り、抱きしめあったのを覚えてる。仲良しだね。

「終わっちゃったね。本当に最高だったね。絶対また来ようね!」
と従姉妹と約束し、それ以来ビーチトマトヌードルは開催されていない。
各バンドの活動が忙しくなってきたから、難しいのかもしれない。もっと大きなステージで、彼らを見る機会が増えればそれでもいいかなと思う。

 最近知ったのだが、ビーチトマトヌードルの会場となった場所は、現在もう残っていないらしい。
約束もむなしく、悲しいけれど、もう二度とあの場所で音楽を浴びることはないのかもしれない。

 だから私はビーチトマトヌードルの亡霊。
この最高なフェスに匹敵するような、素敵な音楽体験ができる場所を求めて、これからもさまよい続けていきたい。


https://music.apple.com/jp/playlist/pl.u-WabZZvjTyARZW8

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