SNSには進化し続ける東京での刺激的な生活が常にアップされ、テレビをつければ芸能人たちが東京のスタジオから東京中心の情報を常に発信している。陰キャ陽キャ問わず若者であれば誰しもが東京のキラキラした生活に一度は夢を見る時代になっているのではないだろうか？

事実、首都圏への若者の流入には歯止めがかからず、東京の人口は1400万人弱に膨れ上がり首都圏の人口はなんと4300万人を超えた。日本人の3人に1人は首都圏に住んでいる計算になる。大阪が人口減に抗おうと必死に対策を講じている中、東京は圧倒的な力を見せ続けている。

しかしそんな令和日本においても、東京首都圏以外で暮らす若者や子育て世帯ももちろん沢山存在している。だが彼らの生態を知る首都圏在住者はあまりいない。

上京してきた元地方在住者たちの情報をかき集め、何となく想像する地方の若者や現役世帯のイメージとして最も有名なものが”マイルドヤンキー”だろう。

マイルドヤンキーとは友人や家族など地元のつながりを大切にし、愛車のワゴン車で週末は友人家族とBBQやアスレチック公園、ショッピングモールに繰り出し、ジジババヘルプをフル活用して子供を複数人育てているちょっと昔はヤンチャしてたが今は良いパパママをやっている家族のことである。

マイルドヤンキーの定義や実在性については議論になることが多い。主に指摘されるのが『稼げない地方でそんな余裕のある生活をしている奴らはほとんどいない。いたとしてもヤンキーでも何でもない能力が高い地方のエリートでただの勝ち組。マイルドヤンキーは都会人が想像で生み出した存在であり、任侠映画のヤクザのような実在とはかけ離れた想像上の生き物に過ぎない』といったものだ。

マイルドヤンキーがめちゃくちゃ生息してそうな大阪郊外で生まれ、大阪を一度も出たことがない筆者が、このマイルドヤンキー論争について思うことは……