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とある友人のボキャビル〜芋づる編んでこ〜

【Preface】

Hello, Japan from Cairns!
今日もシェアメイトたちがお夕飯を作るのを尻目に、シェアハウスのダイニングテーブルの片隅からお送りしています。なんともありがたいことに、この家には料理が苦ではなく、「2人分作るのも3人分作るのも一緒だよ」と言ってくれる仏のような神々が複数人おりまして。5人で毎晩食卓を囲む日々が当たり前になりつつあります。お返しに、私は英語を教えたり日本語を教えたり、まあスキルの物々交換みたいなものです。あ、もちろん食材代とか、食器洗いも喜んでさせてもらってます。胃袋からしっかりと掴まれてしまった柑橘が爆誕した2023年となりました。2024年も元旦からキムチ鍋うどんでガッツリ美味しいお夕飯をいただいています。


【Answer】

今日のサムネはクイズ形式にしてみましたが、わかりましたか?
ちょうどよく食卓でシェアメイトに解説していた単語に関係するものがポロポロ思いついたので、作ってみました。3つ目は思いつかないかもしれません。私も答えになってる方の単語しか覚えてなかったし、ちょっと古い番組だしね。

それぞれ、映画やテレビ番組のタイトルになってます。

Mission Impossible
Mr. Incredible
奇跡体験!Unbelievable

全部思いつきましたか?
2つ思いついて、共通点から最後の1つが思い浮かんだ!なんて人もいるのかな。

この3つ、「映像番組のタイトル」以外にも共通点があるんですね。

それが、「不可能形容詞トリオ」であること
あ、この分類は私が勝手に命名してますので、本とかネットには載ってないよ、悪しからず。

日本語だと、

「ミッションインポッシブル
「ミスター・インクレディブル
「奇跡体験!アンビリーバボー

と、カタカナでの表記ゆれもひどいものですが、こいつらにはすべて"not"を意味するin-/unと"-able/-ible"が組み込まれているので、実はどれも不可能を表しているというわけです。
それぞれの単語をバラすとこんな感じ。

Im-poss-ible (poss:可能)⇨不可能
In-cred-ible (cred:信用する)⇨信じられない、驚くべき 
Un-believ-able (believe:信じる)⇨信じられない

ここでは一つひとつを深掘りはしません。手書きで英語を書く機会のある人以外は、そこまでスペルにカリカリする必要はないし。デジタルならGrammaryでも予測変換でも使えばいいので。詳しく知りたい人はぜひ調べてみてくださいね。

これは、先日ご紹介した語彙力強化の方法の一つです。芋づる式に知識を増やす方法。サムネのクイズは、接辞の知識があると正解できる問題でした。

2024年の新年の抱負への一助になることを祈りつつ、元旦にはこちらの記事をアップしました。英単語に苦しむすべての人へ。

てな訳で、今日は先日のこちらのnoteの番外編というか備考というか、まあシェアメイトがすげぇ上手に、かつ楽しくボキャビルしてたので、一つの理想形としてこちらのシリーズでもご紹介しようと思ったわけです。

【Making a new word Unforgettable】

un+forget+ableですね。「忘れられない」ということで、難易度は低めかな。タイトルにもちゃっかり入れておきました、「不可能形容詞」

なぜこの一連の仲間を紹介しようと思ったかというと、
①先述したシェアメイトが覚えようとしていたのがその仲間だったから。
②文を考えなくても、英会話で1単語でリアクションできるので便利だから。
こんなところです。

irresistible:たまらない

なぜか突然「今日はこの単語を使えるようになる」と言い始めたので、【answer】の解説をしました。

irresistibleは、一見するとinもunも入ってないんですが、これはこの接辞が後ろの単語に合わせて比較的柔軟に二文字目を変化させてしまうためです。

構成は他の「不可能形容詞」と同じ
ir+resist+able(resist:抵抗する)⇨抵抗できない

こんな風に成り立っています。
notの意味を表す接頭辞in-が、n以外のスペルに変わる条件は以下の通りです。

  • b/p/mが続く場合:im-
    例)im-possible, im-moral

  • rが続く場合:ir-
    例)ir-resistible, ir-responsible

  • lが続く場合:il-
    例)il-legal, il-legible

resistの意味がピンと来なかった人は、「レジスタンス」という言葉なら聞いたことがあるかも知れません。権力や政府に反旗を翻す集団のことですね。
Google画像検索をして知りましたが、同名の日本人youtuberがいるんですね。

irresistibleは、物理的な力のほか、抵抗できないほどの魅力、という意味でも使われます。
友人が知ったのもこちらの意味から。

Her smile is irresistible.
あの子の笑顔たまんない。

解説の後は、色々なものや人を主語にしながら、「たまらないもの」の例文を量産していました。

さらには、自分の好きな歌手の中で、こんな曲まで見つけてきて、私にも聞かせてくれました。

「単語の便利さはともかく、理想的な語彙の身につけ方してる…!」と感動しました。
ちなみに、単語の意味がガッツリ理解できたことで、この曲の歌詞の理解も深まったそうです。

新しい単語とめちゃくちゃ上手に友達になる一例をご紹介しました。

【Unstoppable Examples】

こちらのタイトルにも入れましたが、もう少しだけ「不可能形容詞」の仲間を芋づるにつなげておこうと思います。

①お笑いコンビ

もう古株、でも大御所にはギリ入らないのかな?くらいの芸人さんのコンビ名にもありますね。「く〜〜〜る〜〜〜〜!」でお馴染みの。

そう、アンタッチャブル。
Un+touch+able

意味はもうわかりますよね。「触れない」です。話題やエリアなどについても使います。ハリーポッターなら、ヴォルデモード卿の話題はuntouchableでしょう。名前すら言ってはいけないわけですから。

②アニメ映画の主題歌

最近の流行りだと、Mrs. Green Appleが手がけた劇場版ワンピースの主題歌「私は最強」の英語訳もこの仲間。

invincibleは、真ん中の単語の語源までは遡らなくてもいいと思います。

一応書いておくと、
in+vincere+able(vincere:ラテン語で「征服する」)
⇨誰にも征服できない=最強

今英語に使われていないものが語源になっているのであれば、元の単語vincereまで覚えるのははっきり言って時間と脳みその無駄です。でも、この単語の名残を残している英単語はいくつかありますね。victory(勝利)とか、convince(説得する)とか。いずれも「征服」とまではいかなくても、「勝利」のニュアンスがありますね。

③主人公の怒り

先月ネットフリックスで公開された実写版幽☆遊☆白書にも、英語字幕で「不可能形容詞」が登場していました。

自分が弱いせいで仲間を失いそうになった時のセリフでした。

unforgivable
許せねぇ。

もうバラすまでもないですが、
un+forgive+able ですね。

残念ながら予告編にはでてこなかったので、興味がある方はネトフリで見てください。irresistibleを覚えようとしていた友人と一緒にみて、二人揃ってどハマりしました。

ちなみにこのドラマも、音声こそ違和感あるので日本語にしましたが、字幕だけは英語にしておきました。だからこそこのセリフにも反応できたわけですね。

【Postscript】

一例としての「不可能形容詞」はいかがでしたでしょうか。
単語学習やボキャビル、というと、途端に単語帳とか、オベンキョー感を感じてしまうかもしれません。でも、今回の記事で分かったかもしれませんが、私の語彙の付け方は単語帳というよりは連想ゲームに近いです。

子供の脳みそと違って、大人の脳みそはすでに容量パンパンのハードディスクみたいなもの。そこにさらに馴染みのない知識を入れようとしたら、すでに知っていることと紐づけて記憶していくか、好きなものと組み合わせて覚えるのが効率的です。

ボキャビルでは、意外なつながりを見つけられた時ほど脳にとっては良い刺激になるので、隠れミッキー探しならぬ、隠れ関連性探しをしてみると面白いかもしれません。そしてこれは、誰かと一緒にやった方が楽しいし、相手の脳みそも借りることができるので、おすすめです。自分が見つけた”芋づる”を人に紹介することで、記憶の定着にはさらに有効になります。

なんかあとがきまで真面目なこと喋ってしまいましたが、その「つる」は、結構下ネタだったり悪口だったりすることもあります。要はネタなんてなんでもいいんです。覚えることが目的なので、脳みその喜ぶネタで新しい単語を叩き込んであげてください。

Thank you for reading!
See you later.

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