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ぎっさkろぅにー〜ツッコミどころしかないんですけど〜

【Preface】

Hello from Cairns!
How's your day going?

はいどうもいつもの柑橘の脳内垂れ流しエッセイのお時間です。今回のやつはね、結構なとびっきりです。タイトルからして意味わかんないけどね。
誰か最近流行りの猫ミームで動画作って欲しいくらいです。

今回のネタの仕入れ先は、いつものレンタカー屋、ではなく、キュランダにあるカフェ併設のお土産物やさんでお世話になっていた時のことです。
色々あって外国で住所不定無職というおもしろステータスになっていた私を縁あって拾ってくれたお店です。ここのカウンターでオーダーをとっているときにこの珍発音……珍発言、に遭遇したのです。
フランス人の同僚が。

そんなわけなので、今回のフレーズは実体験ではなく、友人から聞いた話です。ただ、後から当時の状況をオージーのオーナーからも聞かせてもらったので、裏取りはできております。なんのプロ精神なんだろうねこれ。

それでは今日もお楽しみください。


【ぎっさkろぅにー!】

さて、今回は完全に伝聞で語っていきたいと思います。
フランス人の同僚がカフェでオーダーを取っていた時のこと。ザ・"オージーのおっさん"といった風貌の中年男性が来店されたそうです。
Hi, how can I help you?と声をかけた同僚に彼は言いました。

ぎっさkろぅにー!!と。

同僚も心の中ではまさにこのリアクションだったことでしょう。けれど、彼女はホスピタリティ系の業界に長い、しかもフランス出身の子。本心を表情に出さないようにする術は心得ていたようで、丁寧に聞き返したそうです。

【Could you say that again, please?】

もう一度おっしゃっていただけますか?

英語で接客をしていて使わない日はない、くらいの表現です。sorry?やpardon?(一部の人は「ネイティブはpardon?なんて言わない!」とか言ってますが、うちのレンタカー屋の同僚たちは普通に使います。ネイティブですが)よりも敬語っぽい表現ですね。

同僚も1回目で何を言われたのか皆目見当がつかなかったので、失礼のない表現で聞き返したそうです。するとそのお客さん、少し苛立ったように言いました。

You know, ぎっさkろぅにー!!

さっきよりも声量を上げて言ってくれたそうです。
同じスピード、同じ言葉を。

いやちゃうねんwww
こっちの耳が悪いとかじゃなくて、発音的に何言ってるか聞き取れなかったんじゃwww

彼女が日本人なら、まず間違いなくこんな感じで心の中でツッコミを入れていたことでしょう。
結局、そのあたりでタイミング良くカウンターに戻ってきた上司が間に入り、彼は無事注文ができたとのことでした。めでたしめでたし。

【What exactly did he say?】

で、結局このオージーおじは何て言っていたのか!?!!?

これが問題ですね。まずはスペルをお見せします。

Gissa Crowny.

正直に言いますね。
どっちもわからん。

crown…が王冠だから、yがついた形容詞なら「王冠みたいな」とか?
clownはピエロだけど、多分音的にrっぽかった。
いやでもGissaってなんやねん。文構造すら取れん。giveかgrabか、その辺なのか?
そしてカフェのカウンターでこの発言がお客さんから出たし、発言は上げ調子の疑問文ではなかった。ということは何かを注文しているはず。

てことで、調べました。wiktionaryに出てた。

Contraction. gissa. (UK, slang, nonstandard, in imperative utterances)
Give us a; give me a.
Give us a/ give me a の短縮形。イギリス英語、非標準的な表現。命令文で使われる。

wiktionary(訳は筆者)

そこまで縮める必要ある!?!!?
うーんいや、Give me をGimmeていうのは聞いたことあるよ、バレンタインになると決まって流れるBABYMETALの曲とかもあるしね?

だから、"give us a"が、gissaになるとことまでは理解もできるんです。理屈としてはね。give me の"ve"が落ちて、gimmeってなる。うん。
give usの"ve"が落ちてgissになる。さらにその子音で終わってるとこに冠詞"a"がついて、gissa。まあ、want to がwannaとか、going toがgonnaとかもあると思えば、ねぇ。
英語のリンキング地獄には私も散々悩まされてるし。「おんなはうす」も然り。

でもさ。aまで合併させた短縮形作らんでもいいでしょうが!!
しかもそれをスペルで表現できるレベルまでしちゃって。
どうせ後ろが複数形でもgissaって口馴染みの良さで言っちゃうんじゃないの!?
さらに言えば、give us a までは100歩譲っていいとして、give me aまで入れんといてくれや!!gimmaになるべきでしょうが!!

……すみません取り乱しました。usまではまだ面白がれるし許せる。でもその表現でmeまで許容されたらもうこっちはどうしたらいいかわからん。わからんよ……。

crownyに関してはスペルがわかって、かつおじさんの目線が辿れていれば、推測はついたかもしれません。でもGissaはね、聞いても納得できませんでした。

kろぅにーの正体は、こちらです。

クラウンラガー。このカフェで扱っていた瓶ビールです。
breakfastをbrekkie, dogをdoggy, blanketをblankieと呼ぶように、クラウンラガーを愛称でcrownyと呼ぶ人がいるそうです。

知らなきゃわかるかそんなもん。

あ、こいつも類例でしたね。

しかもね、一緒にいた女性は、スペイン語か何かの訛りが強めの英語でcoronaビールを頼んだそうです。
crowny と corona…音声を載せていないのですが、これ、本当にそっくりに聞こえるんです。「くろぅにー」と「ころぅなぁ」みたいな。しんど。

まとめます。

ぎっさkろぅにー
Gissa Crowny.
Give me a Crown Lager.

わかるかこんなん!!!

ええ加減にせえよ

【Postscript】

いかがでしたでしょうか。今回の表現は私がケアンズで遭遇してきた中でもトップクラスの難問&理不尽表現でした。

この記事で私がお伝えしたいことは、まあいつも通りなんですけど。

「誰とでもスムーズに英語が話せる」がいかに夢物語か、ってことなんです。
特定の地域とか、特定のコミュニティで、だったらまだ目指しようはあるんです。でも、すでにこれだけ世界中に広がり、さらには各国の母語に影響を受けて変容も続けている英語を、「マスターする」って、どういうことを指すんでしょう。

英語が母語の国であるオーストラリア英語ですら、冗談半分とは言え、Australianであって英語じゃない、なんて言われてるご時世でっせ。全世界の英語なんて、無理があるってもんです。

ぜひだいじろーさんの地域別英語の動画をいくつか見てみてください。めっちゃ面白いから。

諦めようぜ、というのが私の主張な訳ですが、何を諦めるかが違います。
私が諦めたのは、「完璧な英語」の方。「英語でのコミュニケーション」ではありません。

いやー全英語話者と最初からおしゃべりが楽しめるなんて無理無理!
だから、できるだけ分かり合えるようにするために、自分に何ができるかを考える。

不必要に「自分の英語力不足だ」と思わないための防衛手段にもなる方法があります。
それが、国際基準の英語の発音を身につけること。

特定のネイティブから、特定の英語方言を学ぶのではなく、発音だけは標準語を学んで、ゆっくりでいいから言えるようにしておくということです。
そしたら、相手の英語がわからなくても、「もしかして相手が訛ってるのか?」と思えます。自責傾向が強めの頑張り屋さんにおすすめの作戦です。

【Additional Recommendation】

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アルファベットに始まり単語や文章まで、あらゆる発音を個人の主観を挟まず画一的に発音をスコア化してくれるので、標準的な発音が身に付きます。

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1人でも多くの英語コンプレックスを解消して、英語であそべる人を増やすべく、今後もお役立ち情報、というよりはちょっと英語学習に対する気負いが軽くなるコンテンツを発信していこうと思いますので、お楽しみに。

なんか最後めっちゃ宣伝ぽくなったな。まあいいか。

May everyone be yourself.
Gissa LIKE on this note!
See you later.

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