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備忘録:カレー

知人のO氏によるカレーの作り方、個人的な備忘録である。
本人は細かいレシピ等をあまり考えていなかったため、フィーリング重点であることをご理解いただきたい。

材料

・鳥手羽(1パック)
・玉ねぎ(大1つ、多ければ多いほど良い)
・大根(適当)
・人参(適当)
・カレールゥ(ジャワカレー スパイシーブレンドを使用)
・ローリエ(2枚ほど)
・水(1リットル)

下処理

玉ねぎ

みじん切りにしたのちに容器に入れて冷凍しておくと繊維が壊れて所謂「飴色の玉ねぎ」になりやすくなる。炒める時間の短縮に繋がるため、冷凍玉ねぎを作っておくと良い。
※参考資料を下記に記載。

大根・人参

人参は乱切り、大根は皮を剥いた後に輪切りにする。
後々に煮込むため、具材が崩れるぐらいが好みという場合を除いて特にこれ以上の処理は必要ない。
ラップしたうえでレンジで30秒ほどチンすると味が染みこみやすくはなるものの、後述する通り味を染みこませることを望むのであれば「寝かす」以外の選択肢は効率が悪いため、急ぎで作らなければならない場合以外は不必要な手順となる。

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今回の具材はかなり小さめのカットを行った。
本来であればもっと大きな具材である。

鳥手羽

水で洗っておく、油や皮を取る必要は(皮を食べたくないという場合以外は)不必要。
O氏曰く、「煮て調理する場合は焼いて調理する場合に比べて鶏肉の値段が味に反映しづらいので特に高級なものを使用する必要はない」、とのことであった。

調理

使用する鍋は3つ、次のように表記する。
A:水を投入した鍋(圧力鍋が望ましい)
B:玉ねぎを炒める平鍋
C:鳥手羽を炒める平鍋

1.Aに水を投入し、沸騰させておく
この際に投入する水は多めを心がけると良いとのこと。
理由としてはカレーは煮ている間に底が焦げ始めるためかき混ぜ続ける必要があるが、最初はシャバシャバなほどに水を入れておくことでこの手間が減るとのこと。ただし分量については適当であった(今回の調理では大体1リットル)

2.Bに冷凍しておいた玉ねぎを投入して中火で炒める
「飴色の玉ねぎ」と言うがそこまで色にこだわる必要はないとのこと。
食べてみて甘くなっていたらメイラード反応が起こっているので火を止めてしまって良い。

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3.Cに洗った鳥手羽を投入し、中火で炒める
表面にきつね色の焦げ目がつく程度で良い、中まで火が通る必要はない。
焦げ目がつくことで香ばしさとコクが生まれる、これもまたメイラード反応である。
また、この際に出た液体はキッチンペーパで丁寧に拭いておくこと。

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4.沸騰した水にBとCを投入する
沸騰した水に鳥手羽、玉ねぎ、臭み取りの為のローリエを投入する。
この際、Bに残った玉ねぎのエキスはきちんとAの水で洗うようにして残さないようにすること。

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5.圧力をかける
手羽鳥の骨よりガラスープを出すための工程、圧を掛ける時間としては15分ほどが目安。
なお、この際に野菜が入っていると煮崩れを起こすので原型が残っていない方が好みの場合を除いて野菜は圧力を掛けた後に投入すること。
圧力鍋を持っていない場合は知らない、便利だから買え。

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6.浮いている油を取る
圧力を掛け終えた後の鍋には鳥の油が浮いているが、これを取っておくことでギトギトした触感にならないようにする。ここは好みであるがO氏も自分もカレールゥ以上の油分が入っているカレーはどうにも好みではないのでなるべく取るようにしている。

注釈:油の捨て方
この際に出た油はシンクに直接捨てるのではなく、固めて捨てること。
小皿に油を分けて翌朝まで置いておくと油が固形化するため捨てやすくなるが、鶏の油については室温で固形化しない場合がある。
これは牛、豚、鶏の油はそれぞれ融点(液体が固体化する温度)が異なるからである。
牛:40℃~50℃
豚:33℃~46℃
鶏:30℃~32℃
牛、豚に比べて鶏脂は融点が低く、固形化しにくい。(この融点の違いによりそれぞれの肉料理が冷めた時の不味さに影響が生じる。)
このため鶏脂を処理する場合は、冷ました後に冷蔵庫に入れる等の処理を行う必要がある。

7.野菜を煮る
油を取った後の鍋に大根、人参を入れて火に掛ける。
10分から20分ほどで煮えるので火を止めて灰汁を取り、多少熱を冷ます。

8.カレールゥを投入する
分量としては箱に書いてあるもので良い、今回は800cc当たり3欠片を使用した。その後多少(10分ほどか)火に掛けて休ませ(冷やし)完成。

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9.二日目のカレー
基本的にカレーは作った日には食べない、いわゆる二日目のカレーである。
O氏は食中毒防止のために「1日に1度は必ず高温で掻き混ぜること」「味見の際は自分の口を付けたものはカレー鍋に触れさせないこと」を徹底するように言った。

注釈:カレーを寝かすということ
詳細は下記URLに記載しているが、具材に味を浸透させつつ、なおかつ具材の形を保つためには一定の温度帯を維持するか「火を掛ける」「冷ます」の繰り返しが必要となる。大根であれば60°~70°を常に維持しつつ煮込み続ければ最も効率よく短時間で味を染みこませることが出来るが、そこまで長時間に渡って温度を維持し続けるのは手間と費用と言う面では非効率である。
更に、後述するがカレーには食中毒の問題がついて回るため、特に数日分のカレーを作り置きする場合は態々手間をかけて長時間に続けるより、定期的に火に掛けることの方が利点が大きくなる。
※参考資料を下記に記載。

注釈:カレーと食中毒
作り置きのカレーについて回る問題は”食中毒”である。この原因はウェルシュ菌の毒素によるもので、この菌の繁殖は12~50℃、特に43~45℃で活発となる。夏場の室温はこの温度域に掛かることが多いため、特にこの時期に常温放置されているカレーには食中毒の危険が付きまとう。このため、特に夏場は粗熱を取った後は冷蔵庫で冷やすことが望ましい。
ウェルシュ菌は高温に対して極めて強い芽胞(耐久性の高い特殊な細胞構造)を出すため殺菌が困難であるが、低温時のウェルシュ菌は芽胞を発さないといった特性がある。このため、高温殺菌処理を行い良くかき混ぜる→粗熱を取った後でなるべく早く冷やす工程を繰り返すことにより、食中毒の予防へと繋がる。
※参考資料を下記に記載。


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