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伝える

先週、看護学生が実習にやってきた。
うちの職場は毎年看護や保育の実習生を受け入れている。
今年もそんな時期がやってきたのだ。

実習が終わり、学生が記録をしたあと、質疑応答を兼ねたフィードバックをした。30分ほど話し込んでしまったのだが、、
あとで上司にその話をすると、
「フィードバックはしなくていい」と言われてしまった。
理由は時間が取れないから、とのこと。

ん?それってありなのか?と。
わたしのOT学生時代の実習でフィードバックなしなんてあり得なかったから
普通にするものだと思っていたし、必要な時間だと思っていたのに。

いや、今日話したいのはそんな愚痴ではない。
今回の学生たちは、障害福祉の現場の実習は初めてらしい。
ましてや自閉症や知的障害の方と関わること自体、ほぼ初めてに近かった。
皆、実習に入る前のこの世界の印象は、口を揃えて
「どう関わったらいいかわからない」
「コミュニケーションの取り方がわからない」だった。
そう思うのは当然だ。

そして実習後の感想は
「その人のペースを尊重することも大事だと思った」
「話すことだけがコミュニケーションじゃないと思った」と話す。
それを感じ取ってくれただけで大成功な実習だったのではないか。

そんな学生たちに、伝えたことがある。
自分たちのコミュニケーションのように、話すことだけがコミュニケーションではない。言語だけでなく、非言語で交わすコミュニケーションもとても大切だということ。

看護としては、どうしても自閉症という「疾患」や「障害」でその人を捉えがちだが、関わってみると障害よりも個性や性格でその人を捉えることのほうが支援としては大切になってくる。

自閉症でも、こだわりや過敏さなどの特性は本当に多種多様にある。
人それぞれで、そこにわたしたちとの違いはないと言っても過言でないと思う。
「自閉症・ダウン症」や「知的障害」という障害がついているから、怖いとか難しいという印象を持ちがちだが、それさえなければ、わたしたちと一緒だね。
そう考えると印象も全然変わってくるでしょ?と。

この話に大きく頷いてメモを取ってくれた学生を見て、良かったなと思った。それが伝わっただけで、大きな成果のある実習だったと思うぞ。

これは全て経験に基づいて、自分自身が感じたことをそのまま言葉にしただけなので、根拠などないのだが、そんな話を自然とできるようなった自分に、成長と誇らしさを感じた。それと同時に学生に話したことを、自分自身も忘れないで日々の支援をしないとな。とも思った。

そうやって多くの人の障害福祉に抱く印象が変わって、関わる人が増えるといいなあと思ってしまった。

そんな、6月終わりのある日の出来事・・・。


だいぶご無沙汰な投稿になってしまいました。
決して自惚れるわけではないのですが、良いことを伝えられたのではないかと感じています。

人相手の仕事なので、楽しいことだけではなく、悩むことや難しさも多くあります。
先日受けた虐待防止研修で、「悩むことがとても大切」という話があり、日々色々と考えながら支援をしていることが、間違えではなかったんだなと、少し安心しました。
だからこそ、悩みながらも毎日楽しく仕事ができればいいなと思います!
随分長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。

ぽんこへ


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