ヴィパッサナー瞑想を振り返って

 2月11日~2月22日の12日間瞑想に行っていました。今回はそこで経験したことをここに書きたいと思います。

・ヴィパッサナー瞑想とは

 ヴィパッサナー瞑想とは、インドから古く伝わる瞑想法の1つで、25世紀以上前にゴーダマ・ブッダによって再発見されブッダが悟りを開いたと言われる修行法です。この瞑想法は10日間のコース(オリエンテーションを含めると12日間)からなり、外部との接触やコミュニケーション全て断ち、自分の意識だけに集中し観察することで、自己の変革を目指すというものです。
※ヴィパッサナーとは、「物事をありのままに見る」という意味です。

さらに詳しいことはネットなどを参照してください。

・なぜコースに参加しようと思ったのか

 理由は以下の4つのなります。

・瞑想している知人や友人が何人かいたから

 3,4人ほど瞑想をしている人を知っていて、その人たちから話を聞いていて実際にやってみようとなった。

・変化を求めていた

 瞑想をすれば何か大きな変化があるのではないかと期待していたことも大きな要因の一つでした。

・圧倒的好奇心

 実際にはこれが一番でした。結局いつも物事をきめるときはだいたいこれ。不安よりワクワクが勝っていましたね。携帯10日も触れないとかおもろそうじゃないですか?

自分を見つめ直す時間がほしかった。

社会人になる前にもう一度自分の人生を振り返って、自分と向き合って何を本当にやりたいのかをゆっくり考える時間がほしかったからですね。


・コースの戒律

外部との接触やコミュニケーションを全て断つということですが、それ以外のコースの規律もすごかったです。笑

まず、主な道徳律(シーラ)と言われるのが次の5つです。

・生き物を殺さない。
・盗みを働かない。
・一切の性行為を行わない。
・嘘をつかない。
・酒・麻薬、たばこの類を摂らない。
この5つはコースに参加する全ての人が厳格に守らないといけないことです。

そして外部との接触やコミュニケーションを全て断つとは、

携帯電話やPCなどの電子機器
人との会話
人と目を合わす
読み書き禁止
ボディコンタクト、運動

と、コミュニケーションと言われるありとあらゆることが全て禁止です!!!

電子機器や筆記用具・ノート類は全てコース開始前に没収されます。ちなみに携帯の電波は全くつながりません。周りは柵に囲まれ脱出は不可能です。話せないので刑務所より大変かもしれません。(笑)

 でもこれらの戒律、携帯をふれないことや人と話さないことはそんなに苦ではありませんでした。嘘だと思うかもしれませんが本当です。正直心地よかったくらいです。情報を遮断することはこんなにも心地良いことのだと感じました。今の時代はどんな時も情報に触れて生きています。それじたいは悪いことではないのですが無駄な情報にも多くふれているのも現実です。瞑想中は何も情報が入らないので思考がシンプルになり、頭がすっきりします。意外と新鮮で自分にとっては最高でした。


・コースの場所

京都のダンマバーヌは、日本ヴィパッサナー協会の最初の瞑想センターで、「ダンマの暁光」を意味します。
京都のほうが施設の規模が大きいらしく、長期コース(30日間)は京都でしか開催されないそうです。(2018年2月現在)

住所:〒622-0324 京都府船井郡京丹波町八田岩上奥2-1
電話:0771-86-0765
Fax :0771-86-0460


・コース内容

 まず1日のタイムテーブルがこちら!

04:00:起床
04:30-06:30:瞑想
06:30-08:00:朝食と休憩
08:00-09:00:グループ瞑想(ホール)
09:00-11:00:瞑想
11:00-13:00:昼食と休憩
13:00-14:30:瞑想
14:30-15:30:グループ瞑想(ホール)
15:30-17:00:瞑想
17:00-18:00:ティータイム
18:00-19:00:グループ瞑想(ホール)
19:00-21:00:講話と瞑想
21:00 -:就寝

 はい、シンプルにやばくないですか?朝4時起きが10日続けたことなんて一度もありません。鬼畜ですね。慣れる人もいたみたいですが、自分は最後まで眠かったですね。21時に寝ても眠いもんは眠いです。でもこの時間は睡眠のゴールデンタイムで、時間も7時間しっかり取っていて、めっちゃ健康にいいことが終わってから気づきましたね。

 次にえぐいのは瞑想の時間。1日12時間です。ひたすら座って瞑想をします。もちろん膝や体に痛みがきます。足の痛みは8日目あたりからなくなりました。

 19時からある講話は1日の楽しみでした。「自分それ思っていました。」となることも多く、疑問点もほとんど解決してくれます。

 ここから日にちごとの感じたことを書いていきます。

・コース前日の心境

 実際、前日までシェアハウスのメンバーと旅行に行っていたこともあり、次の日から携帯も触らず、人とも話さない10日間はイメージができていませんでした。実際周りからは途中で発狂するなどともいわれ、また自分はおしゃべりなので10日間たえられるか想像もつきませんでした。


・0日目

 交通機関を使って移動。京都駅からおよそ2時間。最寄りのバスから車でセンターに向かうのですがそこから誰も話すこともなくすでにコースが始まっている感覚でした。

・1日目~2日目

 1日目と2日目は過去への怒りや、未来への意味の分からない渇望、女性のこと、ヒッチハイクで乗せてもらった方の人のことなどいろんな感情が暴れていました。正直2日目が精神的に一番きつく、理由は終わりを想像してあとこれが8日も続くことをしってしまったからですね。


・3日目

 このあたりから邪念が少しづつ消えていき、逆に邪念がはいるとすぐに睡魔が押し寄せます。鼻のあたりに意識を向けるのですが初めて鼻がつるような感覚に襲われました。この夜から6日目くらいまでの夜に、夢と現実の狭間にいる不思議な体験をしました。具体的には意識はあるが夢を見ながら、夢の中でも現実でも同じことを言っていることです。実際夢でも現実でも「今日何曜日」と叫んでました。(笑)


・4日目~6日目

 4日目は彼女に会いたい気持ちが頂点でしたね(笑)。実際結構心配して、今どうしているとか、ほかの男とあっていないかとか、過去のトラウマがあったからなおさらでした。5日目あたりからいろんな感覚や痛みが出てきて中々平静にはいられずに、そんな中実際に感覚を楽しんでいる自分もいました。また他には自然への感覚が生まれ、ここから少しずつ感覚が鋭くなっていったように思います。

6日目には重要な出来事が起こりました。本当は戒律で話してはいけないけど、ルームメイトのスティーブンが自分に一言「あと4日頑張ろう」と声をかてくれました。この時の言葉が何よりも自分の励みや助けになり、ここで言葉の重要性を感じた一瞬でした。この言葉が無かったら乗り越えることはできなかったので本当に感謝です。


・7日目

 この日は身体的に一番きつかった日で、朝から何か調子がすぐれず少しめまいや謎の眠気もあり結構ピンチでした。昼の個人瞑想を休憩にあてたことで回復しましたが(笑)。この日最も感覚の鋭さを体験したのがお風呂上がりでした。血液が全体に流れていることがわかり、体が芯からあたたまっている感覚がはっきりと感じられた瞬間でした。人生で一番最高のお風呂上りでした。瞑想の効果を実感した瞬間でしたね。


・8、9日目

 ここら辺から足の痛みがなくなりましたね。そうなったからか、今までかかわっってくれた人への感謝の念がすごく現れましたね。とくに両親や身内、彼女への感謝があふれてきました。


・10日目 戒律の解除

 昼過ぎに聖なる沈黙が解かれ、全く別の世界に見えました。はじめてオーラを感じた、それも晴れやかなオーラを。人が話すことでこんなにも違うのかと思いましたね。話が止まらなかったですね。(笑)

次の日には携帯も返してもらい、触ったのですがリアルに頭が痛くなり、目が疲れました。バス停にいくや否や空気の違いに気づき呼吸がしずらかったです。京都駅に着くや否や空気の悪さ、騒音で頭や耳が痛くなりました。

 それほど感覚が鋭くなっていましたね。(笑)

 でも悟りは開けませんでした。それでも続ければいつかはひらけることがはっきりと感じられました。

 


・食事について

食事は基本的に1日2食でビーガンですが、これは意外といけましたね。この瞑想の前から一日2食を少ししていたこともあったと思います。しかしご飯が全体的に味が薄く、薄味派の自分でも薄いと感じるほどでした。


・瞑想で得たこと、学んだこと

・「今生きることの大切さ」

 講話とかでもきかされたり、自分でも瞑想をして感じましたね。過去に思いをはせることや未来に渇望を描くことは結局無意味で、結局今をどう生きるか、目の前の現実にどう向き合うのかが重要なんだと。

  「今」を懸命に生きることこそが、ひいては明るい未来へとつながり、更には過去に起きたことの意味も変えられる。 

この体験で身をもって感じました。


 感覚に敏感になるので、体のどこにいつも負担がかかっているのか気づきました。


・まとめ

 総じて思うことは、このコースに参加してよかったです。結果的には「悟りを開く」には全然でしたが、それ以外の面でたくさん得るもの・感じるものがありました。

 この瞑想は感じ方がひとそれぞれです。でも何か人生で迷ったときにはこの瞑想をおすすめします。

最後まで読んでいただいありがとうございまし
た。


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