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迷う悩むが運命か


そろそろ彼の仕事最終日だから、メッセージを送ろうと思ってスマホを見たら、彼からメッセージがきていた。

こういうことがしばしばあって、おおう。となる。
どこかで「想い」の電波が発せられて瞬時に届いているんじゃないか。量子力学?

エニウェイ。

彼からのメッセージは、「京都に移住する気はありませんか⁉️」という突拍子もないものであった。いやはや。仕事の誘いがあるのだけれど、彼はまだ帰国するわけにもいかないから、わたしを誘ってくれたようだ。

こいつなら行く、というなんらかの期待でもあるのかしら。確かに、共通の知り合い鍼灸師にニュージーランドに誘われ行動した過去はありますよ。お次は京都、ですか。。。

「えーーーそんな突然に!」なんて、ありえなーいみたいな反応しつつも、実はどこかで、行っちゃおうかな、みたいなワクワクした自分も発見してしまったりして、わたしも懲りない奴だ。単身で月に一度、くらいならやってもいいかななんて思うけれど、移住となると、もちろんひとりで決められる訳はないし、こちらにベースがある家族は当然のように反対する。

そりゃ、そうだよね。。彼らにはもう自分たちの安心する生活があるもの。わたしのような、とりあえず行ってみるか〜みたいな根無し草にいつまでもついてくるほど、みんな居場所に飢えていない。
こんなタイミングで、わたしったら何処にも根付いていないなあ、なんてことを再確認する。

エニウェイ。

ミワコさんは数少ないホンモノの鍼灸師だと思います!とか、
僕はミワコさんは適任だと思います!とか、なんだかラブコールをいただいて悪い気はしないけれど、冷静になれ、ミワコ。これはそもそも彼に来た話であって、彼は応えることができないから、誰か代わりに行ける人を探しているだけだぞ。雇う側は誰一人としてわたしのことを知る人はおらず、誰も誰も、わたしを選んではいないぞ。

うん、冷静になろう。

社長と繋げますね!フィーリングが合えば波に乗っちゃってください!なんて、彼は軽快なメッセージを送ってきたけれど、波にのるっていう感覚、ああ、ニュージーにいるとそうなるよね、と久々に思い出す。日本で生活していると、いつしか安定志向、冒険よりも守り、の方に矢印が向いていく。そういう、「失敗を怖れる」感覚が、なんだか空気に蔓延っている。なんだろう、別に誰もいまのわたしにそうしろ、なんて言ってくる人はいないのに。
だから物足りなくなっちゃって、ちょっくら環境変えっか!みたいな発想になっちゃうのかな。もう、体力も落ちてきているし、妄想ばかりなんだけれど。

このまま妄想だけでこの人生は終わるのか、いやいや、もうひとっ走り、なんてどこかへ出向くのか。
今はなにも、わからないし、解決もしない。

でもこの話がふってきた、それだけでも光栄だと思おう。ちょっとでも、妄想が空想と少しの想定に格上げされた、そんな数日の経験で終わっても、それはそれで良いではないか。

一時帰国した時は連絡すらよこさなかったのに、「また会いたい」なんて言って、やっぱり読めない心の持ち主。彼とわたしはどんなご縁で繋がっているのやら。


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