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昭和生まれの味と香り

カフェをオープンさせてからすぐにインスタグラムを始めた。

大学生のバイトの子が
「若者にここのカフェを知ってもらうならインスタですよ」
「毎日写真とコメントを投稿しないとだめですよ」
とアドバイスをくれたからやってみたのだけれど
これが昭和生まれの私にはとっても難しいのです。

流れるようにアップされ続ける凄い数の画像の中から目に留めてもらわなければならないし。その画像を見て〝このカフェに行きたいな“ と思ってもらわなければならない。
そんな写真を撮るのが本当に難しいのです。
技術があるとか無いとかの問題ではなく
『センス』があるか無いかの問題なんです。

これはもうお手上げ。
『センス』なんてものは もう どうしようもない。
困ったものです。


それを思い知らされたのはオープンから数か月がたったころ。
オープン初日からバイトの子と二人で、時間を見つけては写真を撮ってインスタにあげ続けていました。
自分ではなかなかの出来栄えに満足していたのですが、

久しぶりに帰省した娘に
「見てー、なかなか良い感じやろー」と自慢して見せた時のこと、
人差し指でサッサッとスクロールしていた娘からまさかの指摘が、、、。
「これと、これと、これと、、、お母さんが撮った写真やろ」
「えっつ、、、なんで分かるの」
「昭和の香りがするもん」
「、、、うそやん、、、」

まさかの全的中にショックを受けました。
「バイトの子に若者受けする画角とか構図とか教えてもらったんやで」
「他のカフェのインスタも研究したし」
〝昭和の香り"を消す努力をしたと訴えたけれど前言撤回には至らず。
娘にお願いして今時の撮り方をレクチャーしてもらい、渾身の一枚を撮ったのに。
「あかんわ、まだ昭和テイスト満載やん」
「、、、え、香りだけじゃなくて味もかよ~」

昭和生まれの私にはムリ!





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