見出し画像

週休3日制で日本は凋落の一歩

日本人は働き過ぎ!

まだ多くの日本人がそう自負しているのでしょうか? だから週休3日制という発想が出るのでしょうか?

シアトル生活16年の間、土日の週末に加えて祝日+盆暮正月+GWで休む日本を見ていたら、一体いつ働くのだろう?とよく思ったものでした。当然、個人レベルで休暇取るチャンスはないだろうとも思っていました。

課題は「働き方」の効率であって、時間ではないはずです。受験勉強も勉強時間の長さが合格を保証するものではないですね。いかに効率的かつ集中して勉強したか?勉強がよく出来る友人に限って、ガリ勉でなく文武両道も多かったのでは?

長時間働いた=よく働いたではない。

「みんなで休めば怖くない。」

個人が自由に休暇が取れないために一斉休業に拍車がかかっているのか? いや一斉休業が多いから個人で個別休暇が取り難いと言えます。

個人が自由に休暇がとれないのは、日本社会特有の同圧プレッシャーも要因だと思います。しかし、一番の要因は祝日始め、一斉休業の日にちが年間多すぎることにあります。

休日が多過ぎて平日に皺寄せがきて残業が増える。だから皆んな疲れが取れないし、プライベート時間も減る。そして、会社は不要な残業代で財務体質が弱まると全て悪循環。

発展めざましい福岡市

ここで2024年日米の祝日を比べてみましょう。

2024年  日本    米国
1月
1日 正月      1日 正月
8日 成人の日.      15日 キング牧師記念日

2月
11日 建国記念日
12日 振替休日  19日 ワシントン誕生日
23日 天皇誕生日

3月
20日 春分の日

4月
29日 昭和の日

5月
3日 憲法記念日
4日 みどりの日
5日 こどもの日
6日 振替休日.       27日 メモリアルデー
             
6月        19日 June Teenth

7月
15日 海の日     4日 独立記念日

8月
11日 山の日
12日 振替休日

9月
16日 敬老の日       2日 勤労感謝の日
23日 秋分の日

10月
14日スポーツの日

11月
3日文化の日
4日振替休日.          11日 ベテランズデー
23日勤労感謝の日. 28日 感謝祭

12月                    25日 クリスマス

(注釈)
祝日合計 20日   合計 10日
GW10連休(今年は4月30日、5月1日、2日に有給休取得した場合)

日本は12月祝日はありませんが、慣習として企業は通常12月29日頃が御用納で会社自体が12月30−31日は休業が多いのが現状。

大濠公園 in 福岡

米国の場合、官庁は基本的に祝日は全て休みになりますが、一般企業は必ずしもそうではありません。例えば、キング牧師記念日、ワシントン誕生日やJune Teenthは休みにしない企業が多いと思います。そうなると米国の休日年間トータルは、日本の20日に比べると7日で半分以下です。

日本は、日曜日と祝日が重なった場合には振替休日といって月曜日が休みになる代休ボーナスがあります。これに土日を加えると1年365日のうち日本は110日近くが休み。つまり年間3分の1近くが休みです。そこに完全週休3日制になったとしたら、毎月4日x12=158日と年間の半分近くが休みになります。

「欧米は長い有給休暇取れるから羨ましい!」

という声をよく耳にします。

米国一般企業の祝日は年間7日に週休2日の96日を足して103日が年間休日。2週間有給休暇取れたとしても日本の年間休日の足元にも及びません。

日本では、一斉休業しないと仕事が成り立たない業種業態では、お盆期間の8月12-15日の3日間、年末年始は12月30日から1月3日まで5日間を休みにしたりします。正月1日の祝日を引いてもさらに7日の追加休日。

そうすると日本は年間165日の休日に対して、米国は103日と年間で60日(2ヶ月)も一斉休日が多いのが日本です。

これだけ一斉休日の多い日本で、ビジネスパーソンはいつ有給休暇取れる?

無理でしょう。

だから退職時に溜まった有休消化を1ヶ月取るとかになっているのが現実なのではないでしょうか?

米国のビジネスパーソンが有給休暇を年間に2ヶ月も取れるはずがありません。以前私がシアトルで立ち上げた会社の年間有給休暇は5日から始まり、毎年1日ずつ増えていく就業規則でした。病欠に有給休暇を使うと当然減ります。

彼らの多くは、有給休暇の一部を感謝祭かクリスマス前後に消化するパターンが多かったですね。それに米国では、12月31日まで働き、正月は1月2日から通常とおり勤務しています。私はクリスマスイブは働き、その代わり大晦日と1月2−3日は休むというパターンでした。

どこが日本人働き過ぎなのでしょうか?

週休3日制の方向は、労働を美徳とした勤勉な日本人を堕落させ、国力が低下するだけにしか見えません。

「働き方改革」は、みんなで取れる有給休暇を増やす事ではないはずです。個人がプライベート時間を楽しみ、心身をリフレッシュすることが重要なはずです。

国民が一斉に休む慣習では、狭い日本どこもかしこも交通渋滞になり、宿泊施設は取れないし、料金も高くなり家計の財布を圧迫。移動だけで疲れる休みを過ごし、休暇明けにはすでにお疲れモード全開。そのために仕事の効率は相変わらず悪く、残業でカバーする逆スパイラルが今の日本です。

会社が、休日当日を休業にしないといけない法律はありません。年間消化日数の辻褄が合えばいいだけです。

例えば、元旦、建国記念日、天皇誕生日、文化の日や勤労感謝の5日を一斉休業とし、残りの祝日日数は個人単位で有給消化させる。個人責任とチームワークサポートで自由に取れば、会社、社員、その家族みんなハッピーになるでしょう。そうすれば毎年早くから家族揃っての休暇をいつ取り、何をするかなど楽しい計画の絆も出来るようになると思います。

私が多くの社員を抱える経営者の立場だったら、最低一斉休業祝日+有給休暇残の組み合わせ対応で会社経営してみたいですね。

週休3日制は断固反対!

時間より中身です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?