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穴は侮れない


【おかめちゃんとおさめちゃん】

登場人物
🐢おかめちゃん
亀と人間のハイブリッド
亀の名残りは、甲羅と
ゆっくりの歩みのみ
ハイソサエティにみえるが
じつはおとぼけな二十歳

🐬おさめちゃん
サメと人間のハイブリッド
サメの名残りは、
鋭い歯とへの字口
そしてサメ肌
いちご大福が大好きな
自他共に認めるおとぼけな
二十歳


↓穴は侮れない理由の一つ




🐬「おーかーめちゃーーーん

   おーかー」



🐢「アイヨー」



🐬「何してる?」



🐢「穴掘ってる」



🐬「なんで?」



🐢「穴はあなどれないからね」


🐬 ?(・ω・)?オヨヨ



🐢「穴はあなどれないから
  穴を掘る 一回聞くと
 はあ~?ってなるでしょ♪」



🐬「はあ~?ってなるし
  大丈夫?って思う」



🐢「大丈夫じゃないから
  穴を掘ってるだわさ」



🐬「手伝おうか?」



🐢「ご親切だね」


🐬「どれくらい掘るの?」



🐢「深さ30センチくらいかな」


🐬「そしてどうするの?」



🐢「葦(あし)を植えるんだよ」



🐬「葦(あし)?」




🐬「穴ほって
   葦(あし)を植えて
       どうすんの?」



🐢「葦を植える前に
    叫ぶねん 穴に」


🐬「なんて?」



🐢「穴はあなどれねーーってね♪」



🐬「たのしそー♪でもなんで?」



🐢「その昔 ギリシャで 少々
  おバカな王様が音楽の神
  アポロン様にさからった

  その罰にアポロン様に
  耳を
  ロバの耳にされてね

  それから 
  王様は耳を隠してたの
  でもどうしても
  ある職業の人には
  見せなきゃならなかった!
  だれだと思う?」



🐬「ロバ博士?」



🐢「ザンネーーン!
   床屋さん
   それで 
  王様は床屋をおどした
  わたしの耳がロバで
  あることを
  ばらしたら 
  ただじゃおかねーぞ
        ってね♪」


🐬「こえーー」


🐢「でも ないしょ話って
 誰かに言いたくなるでしょ?」


🐬「あーたしかに!
  おかめちゃん じつは
  尻尾が臭いとかね」



🐢「えっほんまに?」


🐬「まあまあ 嘘やけどね」



🐢「それで 
  床屋さんは 
  川原に行って
  穴をほって 
そこで こう言いました。」



🐬「王様の耳はロバの耳~」



🐢「えっ?知ってんの?」



🐬「そのせりふだけね」



🐢「そしたら 一年後
  そこに葦がはえて
  葦が風にゆれるたび
  王様の耳はロバの耳~って
  ささやいたそうな♪」


🐬「んなアホな!」


🐢「そりゃあわからん!
  けっこう
  世の中には不思議が
  いっぱいよ」


🐬「じゃあ 
 おかめちゃんの掘った穴
 一年後 大きくなった葦が
 穴はあなどれねーーって
 言うんやろ?
それのどこがおもろいの?」


🐢「人間は忘却の生き物です

  これまでに 膀胱炎
  扁桃炎 中耳炎
  穴という穴を
  細菌にやられました。
 これ以上は ほっとけません
  穴を守らねば!
  あと 残る穴 つまり
  鼻の穴 おへその穴 毛穴

  そして  」


🐬「乙女よ 
  それ以上は言うな~」



🐢「うむ とにかく
   病気は
  忘れた頃にやって来る
  細菌により穴を
  苦しめられたことを
  忘れた頃 つまり 

  一年後

  葦によるメッセージで
  思いだして健康を 
  なおいっそう
 心がけようというわけやね」



🐬「なるほどねー
  考えたねー
   おかめちゃん!」



🐢「おめでたいやろーわたし」


🐬「おめでたいわねーあなた」



🐢🐬「ニャハハハハ~~」




一年後


風に揺れて葦がソヨソヨ↓



オメデタイワネ~~ワタシ~

オメデタイワネ~~アナタ~

ニャハハハハ~


オメデタイワネ~~ワタシ~

オメデタイワネ~~アナタ~


ニャハハハハ~



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