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サラリーマンが研究所を創ってみた_#2.Results

Results: 研究所を創ってみた結果

 情報収集と熟考の末、ポンヌフはとある方法を思いつきます。その方法は後でじっくり説明するとして、新入社員の頃から準備を進め、5年以上かかって、念願の研究所をOpenしました。
 前述の通り、私が研究所を創ろうと思ったきっかけは、「秘密基地みたいでかっこいいから」という単純な理由でした。しかし、実際に研究所を創ってみると、多くのメリットがあることがわかりました。

1.キャリアアンカーを満たす
2.知識・人脈が広がる
3.収入が増え、節税できる
4.研究の自由、職業の自由と出会う

1.キャリアアンカーを満たす

 キャリアアンカーとは、職業観を意味します。その人が大切にしている仕事に対する価値観です。会社を移っても、職を変えても、心の中で大事にしている価値観って、ありますよね? 私にとってのキャリアアンカーは、「知的好奇心を刺激するワクワクすることを追求すること」「新しい価値を創造すること」でした。働くことの対価は、必ずしも金銭だけではありません。やりがいであったり、夢の実現であったりしますよね。研究所で好きな研究を進められるようになったことで、経済的な価値を稼ぐ上で犠牲になっていた精神的な価値を満たすことができ、生活に潤いが生まれました。精神的価値とかいうと、胡散臭くなりますが、すでに世界のルールは従来の資本経済のみでは成り立たなくなっており、働くことによって得られる価値のポートフォリオを考える時代に入ってきています。このあたりも、別記事でいつかお話できればと思います。興味のある人は、”佐藤航陽氏の”お金2.0 新しい経済のルールと生き方”を読まれると良いでしょう。

2.知識・人脈が広がる

 研究所を創って仕事を始めると、新しく勉強しなければならないことが多くあるので見聞が広まりました。また独自のネットワークが構築されていきました。こうして得られた新しい知識や人脈が、本業で抱えていた課題を解決するきっかけになり、成果に結びつくといった好循環が生まれました。

3.収入が増え、節税できる

 研究所を創ったこともあってか、私の収入は30代で大台を超えました。30代の平均年収は2019年の調査で452万でした。なお、私の領域である技術系(メディカル/化学/食品)系では436万円でした。全体で1000万円以上は0.2%しかいません。つまり、私のキャリアのデザイン戦略によって、同世代の技術者や研究者の2倍以上の給料が得られていることになります。また、私生活の中での”仕事”の部分を区別する(経費に勘定する)ことで、税法上の優遇を受けれることが分かりました。①副業収入、②控除、③経費、④副業経験の本業への還元、という4つのエッセンスにより収益を高められます。

4.研究の自由、職業の自由と出会う

 研究者っていうとどういうイメージを持ちますか?大学の研究者(アカデミア)でしょうか?それとも企業の研究員でしょうか?私も恥ずかしながらそのようなイメージを持っていました。でも、その固定されたイメージが研究の本来の自由を奪ってしまっている要因になっています。芸術や創作の世界は、プロとアマの境界が曖昧になってきています。また、AIなどの技術が実際に社会に外挿され大きな利益を生み出す事例が増えてきたことにより、情報分野を皮切りとして企業の基盤研究への理解が進み、アカデミアの研究者の採用が進んできているようです。研究者も、大学のポストにこだわらず、より多くの研究費で自由な裁量で研究に没頭できる企業への転職が増えてきているようです。
 きっとこれからは、”研究は大学でするもの”という固定概念が拭い去られていくでしょう。私も、研究所を創ったことで、研究というのは、絵画のように気軽に、興味があれば個人でも進めて良いものだと感じるようになりました。同時に、研究者とはかくあるべきという概念も、さらに自由にあるべきだと感じるようになりました。

まとめ

「研究所を創ってみたい」という気持ちは、少年少女の頃のサイエンスへの憧れの気持ちの延長線上。でも、大人がそんな理由で研究所を実際に創ってみると、良いことづくめでした。
 1.キャリアアンカー(職業観)を満たした
 2.知識・人脈が広がった
 3.収入が増え、税金が減った
 4.研究の自由、職業の自由と出会った

※本記事は、マガジン化のために過去記事を再編集しています。

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