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みんなはどうしてる?フリーランスの仕事探し

フリーランスは自分の好きな条件で働くことができる自由度の高いワークスタイルですが、裏を返せば、何をするにも自分で考えて決めていく必要がある、ということでもあります。

多くのフリーランスは企業や組織に属しているわけではないので、会社員のように上司や同僚といった仕事仲間と意見交換したり相談したりする機会は少なく、「他のフリーランスがどういう風に働いているのか知りたい」という声もたびたび耳にします。

今回はアンケート調査結果をもとに、フリーランスにとって重要な「仕事探し」について解説します。フリーランスがどのような求人サイトを使っているかについても情報を集めてみました。

フリーランスの皆さんの仕事探しのヒントとしてご一読ください。

仕事の探し方

「フリーランス白書2022」より

フリーランス白書とは、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が毎年実施しているアンケート調査で、フリーランサー・パラレルワーカーとして働いている方の生の声をデータ化し、まとめたものです。

以前にもフリーランス白書のデータから仕事獲得経路と満足度についてまとめた記事があるので、興味を持った方はそちらもご覧ください。

「フリーランス白書2022」によると、フリーランスの7割は「人脈」から仕事を得ており、他にも「過去や現在の取引先」「自分自身の売り込み」と続き、2018年の調査開始時からこの3つがランキング上位となっています。

この3つの仕事獲得方法は、世界情勢の変化などに影響されにくい方法だといえるでしょう。

一方、「最も収入が得られる仕事の獲得経路」については、「人脈」の割合が低下し、「エージェントサービス・クラウドソーシングを利用する」という回答が増加しています。これは、新型コロナ感染症(COVID‑19)の世界的大流行によって人脈の形成が難しくなったことが大きな理由であると考察されています。

フリーランスの仕事獲得経路としては、先述した上位3つ以外に「エージェントサービスの利用」「クラウドソーシング」「求人広告」「シェアリングサービス」が続きます。

コロナ禍においてオンラインでのミーティングや面談も一般的となったため、インターネットで仕事を探すフリーランスの割合は、今後も増加していくのではないでしょうか。

3つの案件タイプ

仕事を獲得すると言ってもその案件にはさまざまなものがあります。今回は、中でも一般的な3つのタイプについて解説します。

案件タイプ①:プロジェクト型

クライアントが仕事内容を公開し、それに対して応募した者の中からクライアントが受注先を決定するのがプロジェクト型の案件です。

クライアント側は選定材料として応募者のポートフォリオやPRを重視します。そのため、選定してもらえるような実績やスキルをアピールすることが求められます。

プロジェクト形式で募集される案件は、比較的単価が高いのがメリットです。実績やスキルなどのアピールポイントが多いほど仕事を確保しやすくなりますが、スキルがあっても実績が少ない内はなかなか受注につながりにくいというデメリットがあります。

案件タイプ②:コンペ型

サイトなどで広く公募される、いわゆる公募型の案件で、クリエイター向けの仕事に多い傾向があります。

応募者は一定のテーマに基づいて創作物を制作し、完成した作品を提出。クライアントのニーズに最も合致した応募者に仕事が依頼されます。

コンペ型のメリットは、提出した作品で選考が進むため、実績がなくてもスキルが高ければ仕事を獲得できる可能性が高まることです。

とは言え、優れた作品でもクライアントのニーズとマッチしていなければ選ばれる可能性は低いため、自分の得意分野や作品イメージに合った案件に応募すべきです。

案件タイプ③:タスク型

タスクとは一般的に「作業」という意味で使われている言葉です。作業の名の通り、このタイプの案件は単発の仕事が多く、アンケート、口コミ、短めのライティングなどの仕事に多く見られます。

クライアントと条件の交渉は基本的にありません。納品ごとに検収、承認からの報酬確定という流れとなっていることが多いです。

スキルや実績が不要なケースが多く、初心者の方にもお勧めですが、ハードルの低さに比例した報酬の安さがデメリットと言えます。

フリーランス求人サイトの選び方

近年、就職や転職に、就職サイトや転職サイトを利用することが一般的となりました。最近ではフリーランス向けの求人サイトも続々登場しています。
求人サイトを選ぶにあたって重要なポイントを改めて確認しておきましょう。

案件数や取引先が多いか

まずは求人サイトの案件数をチェックしましょう。案件数やクライアント数が多いほど選択肢が広がります。条件を詳細に設定できるサイトも多いので、自分のスキルや条件にマッチした案件を探しましょう。

スキルや希望と合致するか

登録する前にサイトの掲載情報をよく確認しておきましょう。
どのような領域に強いのか、どのような職種の案件が多いのか、サイトごとの傾向を調べておくことで、自分の経験やスキルを生かすことができるサイトを選ぶことができます。

また、求人サイトによっては常駐案件をメインに掲載しているものもあるため、在宅を希望する際には在宅の条件を指定する、もしくは在宅案件が多い求人サイトを選択するといいでしょう。

サポート体制が整っているか

クライアントから依頼された案件情報を、登録人材のスキルや要望に合わせてマッチングを行うのがエージェント(人材紹介)であり、人材紹介会社が運営する求人サイトがエージェント型求人サイトです。

人材紹介会社に登録する形となるので、キャリアカウンセラーやコンサルタント、コーディネーターと呼ばれる担当者にキャリアについて相談できるといったメリットがあります。

サポート体制も整っていることが多いため、安心度も高いですが、派遣会社などでもよく言われるように、担当者のレベルによって満足度にかなり違いが出るのがデメリットです。口コミなどで事前に評判を調べておくのも良いでしょう。

複数の求人サイトに登録しておく

サイトの選び方ではありませんが、仕事を探す場合には複数のサイトに登録することで自分にマッチした案件と出会う確率が高まります。前述したとおり、サイトによってそれぞれの特色や強みがありますし、取り扱う案件や案件を依頼するクライアントも異なるからです。

一方、サイトで受注した案件が記録されて公開されるようなサイトでは、1つのサイトで実績を積む方がクライアントの目に留まりやすくなります。メインにするサイトを決めつつ複数サイトに登録して定期的に案件を探すのがもっとも効率的と言えます。

有名求人サイト6選

フリーランス向けの求人サイトは近年増加しており、少し検索するだけでたくさんのサイトがヒットします。
ここではクラウドソーシング型とエージェント型の有名求人サイトをそれぞれ3つずつ、計6つご紹介します。

クラウドソーシング型

クラウドソーシングは、運営会社が用意したクラウド上のプラットホームでクライアントとフリーランスをマッチングさせるサービスです。

クラウドソーシングに登録される案件は、ほとんどがオンラインで納品するPC上の在宅ワークです。ジャンルにとらわれず多くの案件を仲介する総合型サイトと、ライティングなど人気のある特定分野に特化した専門型サイトがあります。

報酬の受け渡しは運営会社が仲介し、クライアントが運営会社に仮払金を支払うことで契約が成立します。納品が完了すると、運営会社が発注者から預かっている運営費を差し引き、フリーランスに報酬として支払います。そのため、単価が低めの案件では手数料負担がネックになってきます。
単発の案件が多いため、隙間時間にこなしたい仕事を見つけるには便利ですが、継続型の案件を見つけるのは難しい傾向にあります。

クラウドワークス

日本の代表的な大手クラウドソーシングサービスで、業界No.1のユーザー数を誇るサイトです。そのため、案件が多く仕事のジャンルも豊富です。万が一の時の対応がしっかりしていることが大きなメリットです。

これからスキルを養っていきたい方にはお勧めのサイトです。

ランサーズ

クラウドワークスに並ぶ、日本のクラウドソーシングサービスの草分けと言えるのがランサーズです。

ライティングやデザイン、IT系など多彩なジャンルの在宅案件があり、初心者向けからプロ向けまで、さまざまな案件が登録されています。
特にITやweb関連において経験を積む場として利用するのがお勧めです。

ココナラ

スキルやサービス、作品など「売りたい」と「買いたい」をマッチングするフリーマーケットサイトです。有形無形にかかわらず「こんなことができます」というモノやコトを登録します。

占いや恋愛相談、作詞提供などのユニークな案件を出品することができ、販売価格は自由に設定することができます。ある程度実績があがると出品者としてランクアップする制度もあります。

何らかの得意分野がある方にお勧めのサイトです。

エージェント型

先に少し触れましたが、エージェント型求人サイトは人材紹介会社が運営しているサイトであり、人材紹介会社への登録が必要となるサービスです。

報酬は一般的にクラウドソーシングの案件よりも高額ですが、それなりの実績やスキルを求められます。人材紹介ですので、面接の段取りやアドバイス、契約手続きを代行してくれるなど、手厚いサポートがあるのが嬉しいポイントです。

単発型より継続型の案件が多い傾向にあり、長期的に安定した収入に繋がる可能性が高いと言えるでしょう。

レバテックフリーランス

取引社数4,000社以上のIT系最大手エージェントで、フリーランス向けの高額案件が多数登録されていることに定評があります。

案件数は常時1万4000件前後。クライアントとの交渉などをフォローするコーディネーターの質が良いと評判です。首都圏だけでなく名古屋や関西方面、福岡の企業も登録しています。エンジニアやクリエイター向けの交流イベントや勉強会を積極的に開催しているため、情報交換の機会が得られるのも大きなメリットです。

週5日のフルタイム案件が多いため、副業を探している方には向いていません。また実績やスキルも求められるため、3年くらいの実務経験が求められる案件が多いようです。

ITプロパートナーズ

エンジニアやWEBデザイナー、マーケターなどIT人材に特化したエージェントがITプロパートナーズです。こちらも高額案件が多数登録されています。

週2~3日稼働や在宅案件が多いのが特徴です。もともと起業家などの独立支援としてフリーランス案件を紹介していたという背景があるため、プロフェッショナルなスキルが求められる分、高単価な案件が多いのだとか。

求められるレベルはそれなりに高いものであると考えたほうが良いでしょう。また、都内の案件が多いため、出社が必要な案件の場合はお住まいの地域によっては受けられない可能性があります。

ギークスジョブ

IT系のエンジニアやクリエイターに特化したエージェンシーです。
月額70万以上の高額案件もあり、フリーランスとしてじゅうぶんに生活できる収入が得られることが大きなメリットです。3カ月以上の長期プロジェクトも多く、安定して働けることもフリーランスとしては嬉しいのではないでしょうか。
在宅案件は少ないようですが、今後その傾向は変わる可能性もあります。こちらのサイトでもある程度のスキルや実務経験が求められることは頭に入れておきましょう。

まとめ

フリーランスとして独立する際には、単発案件から長期の継続案件を獲得していくのが効率的です。
ポンとオーナースタッフの中には、時短案件の多い派遣会社からの仕事を獲得し、その後は人材紹介やビジネスSNSで仕事を獲得してきた者もいます。このように、フリーランスが仕事を得る方法はひとつではなく、今回紹介した以外にもさまざまな方法があります。

世界的なパンデミックを経験した今、改めてエージェントサービスやクラウドソーシングなど、インターネットを活用した案件獲得方法を利用することの価値も見直されてきているようです。

これまでの仕事獲得方法も続けつつ、新しい獲得方法を常に模索していくことが重要と言えるでしょう。

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