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ドラえもん のび太の月面探査記を観て、母、胸熱。

今年のドラえもんは何だか懐かしい気持ちで胸熱に。そうそう、映画のドラえもんはこうじゃなきゃ!ってシーンの連続。悪役が超怖いのとか、ひらりマントの活躍とか、スネ夫がひねり出す勇気とか、ジャイアンの母性とか、ツボ押されまくり。

子供の頃、ドラえもんの映画はすべてビデオにダビングされていたので(ダビング、久しぶりに言いました)、テレビの前で兄弟と固まって何度も何度も観ていて。そういう記憶が私の中に染み込んでいるからか、「映画版ドラえもんとは、かくあるべき!」な名シーンが出てくる度に、まるで歌舞伎のように「待ってました!」と掛け声をあげたくなる。そうだ、これはもはや伝統芸能なんだ。文明が進むことの功罪、理由なく受け入れる友情の強さ、可愛いは正義。お決まりの展開やキャラクター構成ではあっても、きちんと驚きがあって新しい。だから毎年受け継がれ、これからも続いていく。

帰宅して、「ジャイアンもスネ夫もしずかちゃんも、もう、素晴らしくてね」と興奮気味に夫に話すと、「出木杉くんは?」と聞かれたのですが、大丈夫、出木杉くんも一言くらいしかセリフはなかったけど、彼じゃなきゃ発することのできない重要な言葉を放っていますよ。みんながそれぞれの役の持ち味を存分に発揮しているのです。

軸になっている道具は「定説と異説」がテーマ。なかなか難しい言葉だけど、きちんと子供たちも夢中だし、大人になってから「定説と異説」って言葉の不確かさを感じるのかな、とか思うと…トキメキ。4歳の次男も感情移入しすぎて、のび太のセリフに合わせて真剣な顔で「たすけるから」とつぶやいていました。のび太が裸になっちゃうシーンで会場中の子供たちが大爆笑すると、なんだか幸せな気持ちになったりして、これは親にならないとわからなかったな〜なんてじんわりしたり。

隣の子のお母さんたちは、カフェでお茶して待ってたわ、って感じで終演後に合流していたけど、いやいや大人も本気で観たら面白いですよ!というかもはやこれは伝統芸能ですよ!確固たるカルチャーです!観ないなんて勿体無いですよ!と熱弁したくなってしまった。うっとおしい。

と、ここまで熱くなったのは、同世代の好きな女性作家さんである辻村深月さんが脚本が書いているという前情報があって、インタビューも読んでいたからかもだけど、でも、そういうことも含めて嬉しい一作でした。

どうせ我が家はあと10年くらいはドラえもんにお世話になるのだから、お花見と同じように毎年行事として楽しもうと思いました。さあ、次は「ダンボ」を観ようかな。わくわく。


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