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おかあさんすごい

買い物中毒の母は買い物中毒だけに留まらない怪物である

 皆さんは経験ありますか?

 母が怒る度に自室に籠もるせいでドアと床の隙間から手紙を差し込むしかなくなる日が沢山あった幼稚園時代

 母が太マジックで書いた数多の「〇〇(友達のお母さん)死ね!」の殴り書きがたっぷり詰まったキャンパスノートを見つけてしまった小学生時代

 話し合ってるとき勝手にヒートアップした母に真顔を「自分ひとりで生きてきたみたいな顔しやがって」「人を舐めたような目で見やがって」などと言われた中学生時代

 母が朝から晩まで祖母に家中に響き渡る声でキレ散らかしてはゴミ袋やゴミ箱をひっくり返して床全面を汚すのにも見慣れて驚かなくなってきた高校生時代

 母にTwitterもInstagramもアカウントを把握&監視され、コメントされるわ「親しい友だち限定公開」ストーリーが見られないことに対して拗ねられるわ無言で部屋に入って居座られるわで二十歳にしてプライベートの場を持たせてもらえない大学生時代

 はあ…懐かしいなあ…
 わたしまだ現役大学生なんですけれども。今回は母について書こうと思う。キャラが濃いのでネタ性に富むのです。

 母は「厳しく育てられたお家のお嬢様」の育ちである。ドラえもんサザエさん以外のアニメはダメ、お絵かきはしちゃダメ、帰宅したらまず手足洗いなさい、室内裸足で歩いちゃダメ、中学からお受験、、、といった家庭である。まあお察しの通り母方の祖母からヤヴァイのだがそれについては触れない。
 
 かなり苦労の多い人だ。ただでさえこんなに家庭がエライコッチャなのに学生時代がまたすごいのである。私立の中高一貫校でバトン部に入った母は、高校時代に他人から飛んできたバトンで網膜剥離を起こしてしまう。入院、手術によって失明は免れたものの、療養のために停学した期間が長かったために2年留年してしまう。そのまま留年した学年に馴染めずに高校を退学し、大学卒業資格を取るための試験を受けるが数科目落としてしまう。結局3年ズレた状態で私立大学を7校受け、滑り止めの滑り止めに受けていた短大だけに合格し、その後4年制大学に編入する。卒業後就活に苦労した末小さな整形外科クリニックに就きなんやかんやあって父と出会って結婚し、現在は購入したマンションを離れて家族皆で(母の)実家に戻り、因縁の祖母の介護をしている。

 察するに恐らくものすごいストレス環境で抑圧されて育ったものの発散方法を知らないまま大人になってしまった人なのだと思う。横暴なようで、実はとても臆病。母が怒りをぶつける対象は概ね祖母とわたしで、弟は異性なのもあるのかあまり対象にはならない。絶対に父(夫)や他人には物も暴言も投げつけないのだ。さてはわたしめっちゃ損な身分だな?

 今日も母は夕食中に祖母の話を聞きながらブチギレて竹箸を折った。あ〜これで折るの何本目なのかな。わたしにも二分の一この人の血が流れてるんだな。薄まっていようと、隠れていようと、抑えていようと、多かれ少なかれきっとこの人みたいな性格がわたしにも織り込まれてるんだろな。なんてことを鬱々と考えている。

 最後に一応取ってつけたようにではありますが母を褒める文章も記しておこうと思います。料理が上手くてごはんがすごく美味しいです。

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