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読書ログ:人生後半の戦略書

本とは無縁な人生だったのに、気づいたら今月は9冊も本を読んでました!(えらい)

どれもいい本だったのですが、その中で最も良かった1冊について残しておきたいと思います。

人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法

それが、この本です。

読んだきっかけは、けんすうさんがオススメしてたからです。

Xでフォローする方が40~50代の優秀な方が多いので、そういう人の興味がある本を自分で読んでみると、「うわー、全然わからん」とか「こういう悩みにいつか自分もあたるのかな?」なんて思えて楽しみがあるんですよね。

今回の本は、社会人になってからずっと違和感だった、「仕事に集中することって、自分の幸せと直結するんだっけ?」に回答するような本で、すごくよかったです。

この本で言ってたこと

どうしたら人生後半に幸せになれるのか?

  • 社会人として仕事の成功を収めたとしても、ピークは30~50歳であとは下がっていく

  • これは、流動性知能という抽象的な問題を解決する能力が低下していくのが理由

  • 結晶性知能という、人が生きるなかで文化的適応と学習によって獲得した知能を活用する生活にシフトすることで、後悔なく生きることができる

シフトする上での足かせが3つ

  • 仕事と成功への依存心

    • 幸福になることと特別になることは不一致だが、仕事で成功を納める人は「私にしか出せない成果を出す」と、特別になろうとしがち

    • これは、自分をモノ化(自分のことを一人の人間というよりも、高性能の機械としてみなしている)していて、それはつまり成功に依存しているということ

    • 解消するために必要なのは、「自分が成功に依存していて、幸せにはなれない」ということを素直に認め、「私は特別である」というプライドを捨てて謙虚になること

  • 世俗的な見返りへの執着

    • お金、権力、快楽、有名になることが、手段でなく目的になって執着・固執するとまずい

    • 人間の脳の構造上、満足とは「欲しいものを手に入れ続けること」であり、永遠に満たされないから。

    • 解消するための方法は3つ

      • 人生のwhat(していること)を増やすのに時間を使うのではなく、why(目的)を見つける

      • バケットリストを書き、5年後の幸せな自分を想像し、バケットリストをもう一度眺めて本当に時間などのリソースを割くべきかを考えてバケットリストを更新する

      • 偶然に起こる、小さい幸せを見つけるようにする。この幸せは持続する

  • 落ち込みに対する恐怖心

    • 死が確実に来るように、仕事も確実に落ち込む

    • 仕事が落ち込むことの恐怖は、つまるところ存在しなくなることへの恐怖、忘れられることへの恐怖であり、これは哲学の範疇。考えれば解消できる

    • 落ち込むことの解像度が低いから怖い。落ち込む状態を解像度高く想像する必要がある

シフトした後をよくすること3つ

  • 人間関係を深めること

    • 幸福には安定した長期的な人間関係が重要で、人生に何が起きようとともに成長していける相手、信頼できる相手がいることが大事。配偶者以外にも、もう一人親友がいるといい。

    • ここでいう信頼できる配偶者とは、熱愛ではなく友愛(慣れや親しみによって、より関係が深まるもの)を育める相手のこと

    • ここでいう信頼できる親友とは、利便性や快楽などの手段に支えられていない、互いのウェルビーイングを願い、両者の利得を超えた善や美徳を、ともに目指せる友情を育む相手のこと

  • 精神性を探求すること

    • (宗教的な話で、あんまりピンとこなかった)

  • 弱みを受け入れること

    • 誰かと深く繋がりたいとき、強さや世俗的な成功はあまり役立たず、見せるべきは弱さである

    • 弱さを隠すのをやめて自分の弱さに正直に、謙虚になると、「周りから思われているほどすごくない自分」がバレることを気にせずに、自然体でいられるようになる

変化にあたって

  • シフトに1.5~3年くらい続くので、苦しい

  • でも(文化祭の前夜のように)しんどいことは楽しいことより忘れ去られやすい

  • それに、しんどいことがあると、幸福は減るが意義は増す

  • 何も考えずにシフトをしよう。そうするといずれちゃんとシフトしている。

思ったこと

仕事に集中することが目的化すると、幸せにはなれなさそう

冒頭でも記載したとおり、「仕事に集中することって、自分の幸せと直結するんだっけ?」に回答するような本でした。

本を読む前から、「自然な本能は子孫を残すために植え付けられたものなので、それに従っても現代社会での個人の幸せには適合しないのでは?」と考えていました。
やはり、仕事で得られる興奮はアドレナリンであり、それに従うことだけでは、幸せにはなれなさそうだなと思いました。

とはいえ、一定は仕事に集中して資産を持つことが大事

というものの、この本は40代くらいの一定成功した人が対象でした。

流動性知能の上昇期に、(目的ではなく、結果として)お金・権力・快楽・有名になることが得られれば自分の自由度は上がりそうであり、幸せには近づきそうです。

だって、

  • お金はないと、家族を養えない

  • 権力は他人を支援し、伸ばすために使える

  • 快楽は生活を活気づける

  • 名声を活かせば、モラルを向上する活動や思想に、注目を集められる

ですから。

だから、30代にこのバランスをどこで取るのかが難しいなと思いました。
どのくらい流動性知性を使い、どのくらい結晶性知性を使うか。20代なら流動性知性に全振りでいいのかもしれませんが、30代はこのバランスが考えどころです。

偶然から起こる小さな幸せを見つけることからはじめるのが、よさそう

これは数週間前の僕の社内日報です。

「偶然に目を向けたときの幸せは、持続する」というのは本当だなと思っていて、昨日食べたくて食べたカップヌードルの味は忘れているのに、このときの嬉しさや幸せな気持ちは今でも思い出すことができます。

こういう小さなことが幸せだと気づくと、人に親切もしたくなるものだなって思えてきます。

おわりに

読み始めたときは、30歳でこの本読んで意味あるのかな?なんて思っていましたが、こうしてまとめちゃうくらいには今の僕にとって価値がありました。

30人いた同期は散り散りになり、各々が楽しくやっていたりするようにも感じる年頃だったりもします。

そんな中で、改めて自分がどう生きたいのかの指針となる本でした!


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