茅野太郎と占いの学校5

夜も深いし子供が夜歩くのは危ないからと、8時で帰された。
15歳になったし、もう子供じゃ無いんだけどとは思いつつ、家路を辿る。

満月がかすむほどのネオンがビカビカと夜の帷を照らす。

茅野太郎が生まれた地域は、電車が3時間に1本しかない、しかもその電車は一両編成。
だだっ広い田んぼがあり、空の青色が水田に鏡のように映る光景は、なんとも言えない気持ちになる。
占学に来たときは、思った以上に都会でわくわくした時もあったが、今となれば、不便ではあるが田舎のあの風景が恋しくなる。

稲が風に揺れる音や、まどろみの中で聞くかえるの大合唱、熟しすぎた渋柿のとろりと濃厚な甘さ、雪の日の夜は飽きもせずに家族でボードゲーム。一年に一度、元旦に必ず行われる親戚総出の麻雀大会。
懐かしい。
あの頃には、戻れない。

(続きと完全版はKindle本にて)

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Kindle本「茅野太郎と占いの学校(完全版)」
今期秋口に出版に向けて執筆中!

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