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【エッセイ】登下校のとんだ災難

あれは小学生の何年生だっただろう。忘れた。
でも阿呆な話なので、できれば低学年ごろの
ことであってほしいが、60パーセント高学年だったきがする。

私は雪の積もった真っ白な道路を、1人で下校していた。重たいランドセルを背負ってトボトボと小さな足跡をつけて歩いていた。

どんよりとしたグレーの空から、チラチラと
柔らかな雪が降っていた。
冷たい雪がほおに何度も当たる。

空を見上げると、平べったいグレーの空から、立体的な雪が自分の上にチラチラと落ちてくるので、アーンと口をあけて雪を舌の上でキャッチした。
こうやって、道産子は喉を潤すのが常識である、はずだ。汚いなどとゆう意見は受けつけない。少なくとも都会よりは綺麗な空気を毎日吸って生きてるんだから許してくれ。

さて、アーンアーンと何度も空を見上げて、誰にも見られていないことをいいことに阿呆ヅラをしていると、だんだん自分は空と一体になったような気持ちよさに襲われた。

あぁ、気持ち良いなあ。小学生の分際で身体いっぱいに自然を感じて癒されていた。これは、目を瞑ったらどうだろうかと、ためしに歩きながら目を閉じたら、自然との一体感が倍増した。
私は真っ白な世界から真っ黒な世界へ移動して、そのコントラストを楽しみながら、身体で
雪を感じながらゆっくり歩いていると、

ジャリジャリジャリ!!!!!
突然 目の前の雪山に衝突した。

しかも雪山は凍っていて表面が細かい氷の粒だらけだったため、ものすごく痛い。せめてパウダースノウの雪山にぶつかりたかった。

私は顔面から細かい出血をしてしまい、一気に自分が酔いしれていた世界観から、阿呆な自分の姿を見て現実に戻ってきたのであった。

そのアクシデントの後からは、目をカッと見開いて、誰かに見られていなかったかと背後をキョロキョロ確認し、誰もいないことに安心して、何事も無かったかのようにさっそうと帰った。現実の、地に足をつけて。

家に着いてから、サビョウ(絆創膏のことを北海道ではサビオとゆうが、私はさらに変化してサビョウと言っていた)を顔に貼って大人しく過ごした。

これを読んだみなさんが、くだらない話だと思いつつ、少しでも涼しい気分になってもらえたら、本望だ。


#創作大賞2023 #エッセイ部門


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